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また読みたいnote

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ちょっと過剰ななにかがあるか。

たとえばコーヒーを、濃く淹れる。 飲むとはげしく喉が渇く。いや、渇いているのは喉ではない。口腔が、口のなかが渇く。行き過ぎた苦味と酸味がいつまでも口のねばねばに居座り、それを洗い流すために大量の水を必要とする。ありがたいことにうちのオフィスにはウォーターサーバーが設置してあり、新鮮な水には事欠かない。口腔が正常に戻るまで、たらふく水を飲み続ける。 そうするうちに、ふと浅知恵がよぎる。 さきほどおれは濃いコーヒーを飲んだ。そしてその埋め合わせをするようにたくさんの水を飲ん

「体得」は、非効率に見えることの積み重ね

何かができるようになる、それもきちんと「仕事」として評価される、一流のレベルに達するためには、効率化したい欲を一度捨てて、一見非効率に見える修行期間が必要なのではないか──。 社会人になって、自分が生み出す価値に値段がつけられるようになってから、私は常々「習得」「学習」のプロセスに興味関心を抱いてきました。 さらにこのnoteが多くの方に読んでもらえるようになり、「読まれやすいnoteを書くには」をテーマに話したり書いたりする機会が増えたことで、何かを身につけたり能力を伸

年下の子が褒められて嫉妬する上の子に話た”何でもできるフリ”が上手な大人の話

「弟くんはできないことばっかりだよ!」 それは”弟ばかり褒められてズルい!”という 心の声が副音声で聞こえるようだった 自分は毎日当たり前にやっていて 褒められることのない 食後の食器片付け。 それを弟は初めて大人に言われる前に 自分から片付けた それはそれは褒められた 「もう何でもできるね」 その一言で兄は爆発したのだった 私は月に数日 友達の子どもをお世話をしている 以前書いたゲームでかんしゃくを起こす彼だ 彼の弟は4月に進級してから自信満々 私が友人の代わ

サブスク嫌いが「エシカル定期便」をつくった理由と込めた想い

私は、ビジネス界隈?同じ業界?の友人・知人がほとんどいません。 たまにそういった界隈の人が集まる会に行った日には、「なんでサブスクやんないの?」「時代はサブスクっしょ!」「サブスクは事業計画が立てやすいから」「ビジネス的にサブスクは〜」という話を聞いて、なんだか気持ち悪いな、もう行きたくないなと思いました。 もちろん世の中にはそうではないサブスクもあるかと思いますし、私自身、無形のサブスク(spotifyやNetflixなど)には大変お世話になっています。 モノのサブス

お店やブランドで熱意をもって働く人を増やすために大切なこと

ブランドとは、関わる人の熱意の集合体であると思います。その熱意の源泉をどうようにもってもらうかは、ブランド経営における大きなテーマです。その熱意はどこからくるのか?を考えてみたいと思います。 ブランドは関わる熱意の集合体 ブランドがブランドとして存在し続けるためには、関わる人のブランドに対しての熱意が大事です。 関わる人は、大きく分けると社外の方(お客さんや関係各社の方など)と社内のスタッフになります。 社内外の関わって下さる人たちがブランドに対して熱意の集合体がブラ

ゲームの勝敗でかんしゃくを起こす子どもにできることは大人げない大人になること

「ずるい!! なんで勝てないの!?」 コントローラーを床に投げつけ ソファの上で大暴れしながら 小学1年生の男の子は 目に涙を溜めながらそう言った 私は月に数日 友達の子どものお世話をしている 親の代わりに学童に迎えに行って 親が用意しておいた 夕食を温めて食べさせる その後は一緒に遊びながら 友人が帰ってくるのを待っている 最初はおもちゃや トランプで遊んでいたが 最近はニンテンドースイッチの マリオパーティーという ゲームにハマっている その家にはゲームはあるもの

ものづくりやブランドを徹底的に深化させる方法

世界一のモノをつくりたい。ものづくりを行っているとこんな欲望が沸々と湧き上がってきます。今日よりもっと良いものをつくりたいと常に願いながら品質を上げていくことは容易ではない現実に毎日打ちのめされます。2021年最終noteはこの1年で私が感じたものづくりを深化させるトリガーをまとめてみたいと思います。 制約条件がものづくりを深化させる~事例:Minimalのコロナ禍でのものづくり~ Minimalにおける私の役割の一つがカカオ豆のバイヤーです。 しかし、コロナ禍で2020

【無料】 『取材・執筆・推敲』ガイダンス

ガイダンス ライターとはなにかライターは「書く人」なのか ライターとはなにか。 なにを書く人のことを、ライターと呼ぶのか。 ガイダンスのはじまりは、この問いから考えていきたい。 字義どおりに考えるなら、write(書く)に行為者をあらわす接尾辞(-er)をつけたライターは、「書く人」である。しかし、職業としての「書く人」たちを挙げていけば、ほかにも大勢いる。小説家、詩人、エッセイスト、コラムニスト。いずれも等しく「書く人」だ。けれど、彼らをひとまとめにライターと呼ぶこと

「noteって、どうやって運営していったらいいんでしょう?」 企業の担当者さんに相談されたとき私がいつも答えていること

長年noteを使い、noteのプロデューサーを務めていたこともあって、noteをはじめたい企業の担当者さんから相談を受けることが多々あります。企業側がやりたいこととnoteでできることをすり合わせた結果、「こんなにいろんな使い方ができるんですね」と驚かれることもしばしば。 特にフォロワーやスキを増やすためのノウハウではなく、これまでの公式の情報発信では拾いきれていなかった舞台裏を伝えファンとつながる場を作り上げるためのアイデアを話していると、担当の方自身の熱量が高まり「やら

¥200

【Weのがっこうレポート】「わかりあえない」わたしたちのウェルビーイングと、内から湧きでる倫理性|ゲスト: ドミニク・チェンさん

みなさん、こんにちは。Deep Care Labの川地です。 先日・9月21日に、「Weのがっこう」のプレイベント第2弾&説明会として、ゲストにドミニク・チェンさんをお招きしたトークイベントが行われました。そのレポートをお届けします。 WIREDへの寄稿 (VOL.42 NEW COMMONS コモンズと合意形成の未来|More-than Human Commons)でも取り上げた「人間以上のケア」のお話に通底するものがあり、とても共振するところの多く豊かな時間でした。

【リレーエッセイ】伊藤亜紗さんは世界をどう見ているのか!? あの代表作の誕生秘話

アランちゃん13歳時のこの一冊としてご紹介するのは、東京工業大学・未来の人類研究センター長の伊藤亜紗さんによる『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(2015年4月刊)です。 生物学者・福岡伸一さん「いやはや、たいへんな書き手を見つけてしまいましたね」最初に、生物学者・福岡伸一さんから本書へ推薦コメントをいただいたときのエピソードをご紹介します。 もともと生物学者を目指していた伊藤さんが将来の職業として生物学者を意識し始めたきっかけの一つに、本川達雄さんの『ゾウの時間

SDGsに取り組むことで新産業創造の機会が見えてくる ~Industry-Up Week Autumn 2021

今日はSDGsと新産業創造の関係についてのトークセッションの紹介です。SDGsってCSRとしてやってる慈善事業であって儲からないでしょ、という観点にズバリ切り込んでいく面白い内容でした。 SDGsとは何か地球の46億年の歴史を振り返ると非常にゆっくりと変化してきた環境が、18世紀の産業革命以降大きく変化してきています。特にここ100年の変化は劇的で、人口は15億人から78億人、寿命は30歳から72歳と急速に増大しました。人類はこうした発展とともに環境を破壊してきたけれど、こ

【前編】デザイン経営宣言が担った真の意味とは。20年の歴史から紐解く背景──田川欣哉×土屋尚史

本記事は、組織イノベーションの知を耕す学びのメディア『CULTIBASE』との共同企画で、双方の媒体に掲載されています。 経産省・特許庁から『「デザイン経営」宣言』が発表されたのは、2018年5月。それ以降、CDO / CXOポジションの登用事例も増え、デザインに関する議論が経営レイヤーにおいても活発に交わされるようになった。 そこから3年。社会におけるデザインの役割や立ち位置は、どのように変わったのか。その実像を探るべく、日本におけるデザイン経営振興に大きく貢献してきた

「もっと、もっと」ではなく「ちょうどよさ」の時代へ

「僕は『エレガンス』という言葉を "人に迷惑がかからない範囲の『ちょうどよさ』"と解釈している」。 この定義を聞いたとき、これまでエルメスに感じてきた心地よさの一端が理解できたような気がした。エルメスのアイテムは、主張しすぎることなく持ち主に寄り添う。声高にブランドを叫ぶことなく、モノの上質さによって見る側の心を爽やかにさせる。 中原淳一は、装いの意味は他人への配慮が大前提だと言った。 「身だしなみの本当の意味は、自分の醜い所を補って、自分の姿がいつも他の人々に快く感じ