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ラグビー文化はアメリカで根付くのか?オールブラックスを迎え、W杯招致に向けた第一のテスト

アメリカにとってラグビーW杯招致に向けた第一のテスト。それが今日NFLワシントン・フットボールチームの本拠地フェデックス・フィールドで開催されたオールブラックスとアメリカ代表の一戦でした。

アメリカは2029年の女子ラグビーW杯、2027年または2031年の男子ラグビーW杯の招致を目指してます(27年はオーストラリアがすでに有力との情報も)。

実際にアメリカでプレーしていた畠山健介選手が国際スポーツイベントのパッケージを紹介。2026年には男子サッカーW杯をカナダ、メキシコとの共同開催、2028年LA五輪を開催するアメリカへも期待が大きいとのこと。

USAラグビーは招致に向けてキャンペーンを本格的に開始し、その活動に特化したウェブサイトやSNSアカウントもスタート。

多民族国家のアメリカはおそらくW杯を開催すれば、アメリカ人の関心が薄くてもラグビー愛国家の人達も多く存在するためそれなりには入るのではないかというのが今日の試合を訪れての感想でした。正直アメリカ側よりもニュージーランド側の方が人は多く埋まっていました。世界ナンバー2との対決で実力差もあり、当たり前かもしれませんがニュージーランド側は非常に盛り上がっていました。

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スポンサーもニュージーランドの企業が多く、印象に残ったのは #CrazyAboutRugby とハッシュタグを飛行機の動きと共に流すニュージーランド航空の広告。

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ニュージーランド航空は2年前にもエアー・ニュージーランドからエアー・ブラックスに名前を変えるという企画も打ち出し、機内安全ビデオにもオールブラックスが登場するなどこのパートナーシップは様々なアクティベーションも行っています。

この試合の冠スポンサーだったのはフィットネスセンターの運営会社F45

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試合開始前にはQRコードがビジョンに大きく流され、登録すると1年間の無料会員権が当たる抽選に応募することも出来ました。ここは拠点はロサンゼルスですが、世界中にスタジオを展開しています。

先週NFLの試合で訪れた同じスタジアムでしたが、特別ラグビー仕様にはグラウンド以外はなっていませんでした。普段はNFLグッズを販売するチームストアもこの日は閉鎖しており、物販は見た限りありませんでした。

一箇所ではワシントンDCに本拠地を置くラグビーユニオンクラブの「Old Glory DC Rugby」のブース等は設置されていました。子供たちがラグビーに触れられるちょっとした遊び場も設置。

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そしてこのフードトラックの正体は1人のアスリートのセカンドキャリアにもなっています。ニュージーランドでプロラグビー選手とプレーしたバート・トッド選手は現役中の1990年代にアメリカでもプレー。いずれワシントンDCに住みコーチングもするようになるが、母国の味を食べられる場所が少なく、自らその味を再現していた。そしてラグビーから引退すると、商品化の事業を開始し、今では大型チェーンでも取り扱ってもらっているほど。

大きく目立つ興行の派手さはありませんでしたが、細かくスタジアムを回ってみるとこういうストーリーが散りばめられていました。結果的に試合は104-14と一方的な展開。試合開始45秒ぐらいでオールブラックスが初トライを決めるなど、序盤からトライラッシュでした。その中観客動員数は39,720人と発表。

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これを多いと見るのか、少ないと見るのか。50,000人は動員すると主催側は意気込んでいただけにちょっと少なめかとも思いましたが、様々なスポーツが開催される米国の土曜日、そして”地元”でもほぼ同時刻でNHLワシントン・キャピタルズの試合が開催されていたことを考えれば上出来ではないでしょうか。

NFLとは全く違う雰囲気で訛りのある英語がそこら中で飛び交っていたのも印象的でした。

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この試合がどのような評価を得て、今後アメリカのラグビーW杯招致に向けた機運がどのように高まっていくのか、はたまた静まっていくのかは注目したいですね。

最後に何故ラグビーの試合を見に行こうかと思ったのかというと、実は最近ラグビー関連の仕事の話もあり個人的にも少し勉強をしないといけないと思っているタイミングでした。ウィザーズも休養日であり、先週も訪れた”馴染み”の場所だったので急遽訪れてみました。アメリカで開催されるラグビー興行、これを肌で感じることが出来て良い機会となりました。


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