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派遣スタッフの教科書~派遣で働くコツ~ 【派遣スタッフの基礎知識】⑥派遣労働者個人単位の抵触日とは

こんにちは!
派遣スタッフの教科書と銘打って、人材派遣で働く方向けのTipsを紹介していきます。
【派遣スタッフの基礎知識】編の第6弾!
「派遣労働者個人単位の抵触日とは」
行ってみましょー!

「ひたすら具体的」で「生々しく」派遣スタッフの教科書を作るという狙いなので、僕の独断で、派遣で働く人が知っておくと良いことについて超実践的に解説していきます。
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※僕は事務系の一般派遣の営業経験が長く、ここでは主に登録型の人材派遣についての解説が中心になります。



抵触日とは

抵触日とは何なのか?

抵触日とは、

法律による期間制限によって派遣が出来なくなるルールに抵触してしまう最初の

のことです。


抵触日には「事業所単位の抵触日」と「派遣労働者個人単位の抵触日」の2種類があります。


「事業所単位の抵触日」とは、

同一事業所が派遣労働者を受け入れられる期間には原則3年という制限に対し、この派遣受入期間の制限に抵触する最初の日

です。

言い換えれば、原則3年を超えて、同じ事業所では派遣労働者を受け入れることはできないということになります。

ちなみに、3年を超えて受け入れたい場合は、

受入期間終了の1ヶ月前までに、事業所ごとの過半数労働組合などに意見聴取をしたうえであれば、さらに最長3年まで派遣受入期間を延長する

ことができます。

言い換えれば、意見聴取さえすれば、3年を超えて派遣労働者を受け入れることが出来るということになるのです。

この「事業所単位の抵触日」については、↓前回のnoteでお話した「常用雇用代替防止」のコンセプトから設定されていると認識していただければ、大まかに間違いはないかと思います。

常用雇用(正社員)の代わりに派遣社員が使われてしまわないように、3年までという上限を設け、それ以上の派遣受け入れに関しては労働者代表(=従業員代表≒正社員代表)や労働組合(≒正社員の権利を守る)の意見を聞く必要があるというルールになっています。

※(≒にしてますが)厳密にいえば正社員だけを代表しているわけではなく、直接雇用されている労働者の代表と言えます。


そして、もう一つの抵触日が今日のテーマである「派遣労働者個人単位の抵触日」です。

「派遣労働者個人単位の抵触日」とは、

「派遣社員が同一の組織で働くことができる期間は3年が限度まで」と定められており、その派遣期間制限の切れた翌日

のことを指します。


それでは、「派遣労働者個人単位の抵触日」について、解説していきます。



「派遣労働者個人単位の抵触日」とは

現行の抵触日のルールは2015年の派遣法改正によるものです。

↓2015年派遣法改正の内容についての厚生労働省のリーフレット「派遣で働く皆様へ」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000204879.pdf

↑このリーフレットによりますと

厚生労働省「派遣で働く皆様へ」より


派遣先の事業所に おける同一の組織単位(いわゆる「課」などを想定)で、3年を超えて派遣就業することはできません。

との記載があります。

ここでの同一の組織単位というのは、いわゆる「課」とか「グループ」を指します。

また、追って解説しますが、3年を超えて派遣労働者を派遣したい場合、派遣会社側に「雇用安定措置」を図るという義務が生じます。

(ちなみに、3年を超えるタイミングで「課」を変えることを打診されることがあります。この場合、この3年が上限のルールを回避するために同一の組織単位を変更し3年という期間をリセットすることを目的としていることが多いです。)


・・・・なんでだよ!って思いませんか??

「私、今の職場が気に入っていて、この課のこの仕事を長く続けたいのですが・・・」って思う人も多くいるのではないでしょうか。3年続く職場なら、気に入っている部分もありますよね。



なぜ、そのようなルールがあるのか?

これについては、正社員(大手の)の定期的な人事異動をイメージしてもらえると掴みやすいです。

いわゆる正社員は、3年ごとなどの人事異動によって、営業⇒総務⇒製造現場⇒経理など(実際はそんなにダイナミックではないけど)と異動を繰り返して、ゼネラリスト(色々できる人)としてキャリア開発が行われています。・・・(どこかのタイミングでスペシャリストになっていくことも多いですが)少なくともそれが、キャリア開発とみなされています。それが日本の雇用!(だから、もしも営業で通用しなくてもクビにはならないで他の仕事にチャレンジになる)

そして、それに対して派遣労働者が同じ仕事に従事できてしまうと、ただでさえスキルが必要ではない仕事も多くある派遣の仕事を延々と続けることでスキルアップやキャリア開発の機会が失われてしまう!という風に考えられているのです。

だから、3年後に同じ会社の違う「課」とか「グループ」に派遣するのはOK(人事異動と同じで、仕事が変わるから)だけど、全く同じ仕事だとダメということになっています。

つまり、現在の派遣における抵触日のルールは、派遣労働者のキャリア開発の機会を保護するためのルールなのです。(長く今の職場で働きたい人にとってはハードルになってしまいますが)


最後に

今日は、「派遣労働者個人単位の抵触日」の解説をさせていただきました。

普段から派遣スタッフの方に説明する解像度で解説しましたので、細かい部分がザックリです・・・
詳しく知りたい方は、ググってくださいw
法律的な解説は、派遣会社や社労士さんのHPの解説のほうがスッキリしています。

さて、「派遣先の事業所に おける同一の組織単位(いわゆる「課」などを想定)で、3年を超えて派遣就業することはできません。」ということですが、今の職場に3年以上勤務する方法はないのでしょうか。
派遣労働者のキャリア開発の機会を保護すると言いますが、同じ職場で継続したい気持ちは保護されないのでしょうか。

・・・安心してください。
3年続いた派遣先の同じ仕事を継続する方法はあります!

次回はその方法も含む、「雇用安定措置」について解説します。

では、また!




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