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人材派遣営業のコツ② 基礎知識編 part10 「雇用安定措置」

今日のnoteは人材派遣営業のコツシリーズ第二弾、基礎知識編のpart10として、「抵触日」について、お話しします。

「ひたすら具体的」というのがこのシリーズの狙いなので、知っておくべきことについて超実践的に解説していきます。

コツコツと積み上げていけば、つらくなく、楽しく貢献できる人材派遣営業になれること、間違いなし!周りに、人材派遣営業をしていて、辛そうにしている人がいたらこのnoteを紹介してください。

シリーズのマガジンはコチラ↓


まさかこんなに続くとは・・・

このマガジンは「これを読めば人材派遣営業の全てが載っているよ」と言うためのもの。ただ、身に着けるのにめちゃくちゃエネルギーがいるようではツラいので、最短距離で、一人前になれるよう、コツを伝授することが目的でした。

なので、最初にプロットを作ったときは、この基礎知識編はPart5で完結していました。しかし、とうとう今日でPart10!!正直想定外です。

・・・・・えー・・・うん・・結局は楽するためには基本的な知識がとっても大事と言うことでご理解くださいw

特に人材派遣ビジネスは知識量と経験値がある程度モノをいう仕事です。(急な裏切り感・・・w)

経験値を一気に高めることはできませんので、知識を身に着けること、少なくとも知っていることは大事と言うことで、あと5パートくらいの基礎知識編にお付き合いください。


雇用安定措置とは

さて、今日の本題です。

雇用安定措置とは、前回のnoteで↓

丸暗記をすることになった、厚生労働省の「平成27年 労働者派遣法改正法の概要」↓によりますと、

同一の組織単位に継続して1年以上派遣される見込みがあるなど一定の場合に、派遣労働者の派遣終了後の雇用を継続させるための措置(雇用安定措置)を講じることが派遣元事業主に義務付けられているもので、その措置は以下の4つです。

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”1年以上派遣される見込みがあるなど”と書きましたが、具体的な対象者はコチラ↓

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努力義務ではなく義務であるAがとっても大切です。当然、実務上はこの3年間派遣される見込みがある方の対応がほとんどになりますが、決して、B、Cの努力義務も忘れず、特に派遣スタッフから派遣先の社員になりたい要望をもらったときや、安定的に仕事したい要望があったときには真摯に①~④の対応をお願いします。


さて、ここまでこのマガジンを読んでいる人は、ある程度、イメージできると思うのですが、「雇用安定措置」の意図を説明します。

前提として、1年を超えて、特に3年を超えて同じ派遣先で同じ仕事に従事している方は、キャリア開発の観点から、同じ仕事に縛り付けてキャリアアップの機会を奪いたくないんです。ただ、何でもかんでも違う仕事をさせたいわけではなくて、キャリア開発の結果、雇用が安定して欲しいというのが目的なわけです。

なので、

派遣先での直接雇用(できれば正社員)を希望する人にはその道を・・・①

違う派遣先でキャリア開発していきたい方にはその道を・・・②

どっちも無理なら、派遣元が雇用しなよ・・・③

まぁ、それか紹介予定派遣や雇ったままで給与払いながら就労支援するとか・・・④

ということになるのです。

特に③が特徴を表していますよね。もう、いっそ、派遣会社が雇え!と。

この法律を初めて知ったときに、「派遣会社が全部雇ってたら潰れるわ!」って言ってた人がいますが(中小の派遣会社の社長でした。もう潰れたけど。)、これ、法律ですから。そのように改正されたということは法律を守ったら潰れてしまう会社なんて潰れろってことであります。(潰れたけど)そのあたりは勘違いしないようにしてください。

そんな流れで、

3年間、派遣労働者として従事して欲しいなら、とにかく雇用を途切れさせるな!

という、結論だけ見ると意味を捉えるのが難しいルールが出来上がったわけです。

それが「雇用安定措置」!


無期雇用派遣は別だよ

この「雇用安定措置」は以前出てきた、無期雇用派遣は対象外です。以前のnoteはコチラ↓

対象外の理由は、無期雇用ならすでに雇用が安定しているからです。(そりゃそうだ!)

これ、たまに雇用安定措置の中の④その他雇用の安定を図るために必要な措置なんかとごちゃまぜになっている営業がいますのでお気を付けください。

そもそも対象外なので、(本当にネチネチと細かくて、申し訳ないのですが)3年目を迎えるときに、さもありなんという雰囲気で無期雇用派遣で対応します。みたいに派遣スタッフさんに、言っているのはめちゃくちゃダサいから。(急にどうしたw)

いつの間にか勘違いして、「派遣先に雇ってもらうか⇒無期雇用派遣に切り替えるか⇒他の派遣先に行ってもらうか」と言う順番で考えがち(無期化にある程度、積極的な派遣会社であれば)ですが、本質的には、無期雇用派遣に切り替えるというのは

「雇用安定措置という4つの義務を果たすよりは、その対象外になる無期雇用派遣に切り替えさせてください。そう、確かに、じゃあなんで、もっと早く無期雇用の依頼をしないんだと思うかもしれません。えぇ、その通りなんです。しかし、無期雇用となると派遣先への費用負担も発生しますし、やはりある程度の派遣元としてのリスクもあり・・・えぇ・・すみません。なんかギリギリに義務を回避するためみたいなタイミングになりまして・・・えぇ。いや、すみません・・・」

ってことだから!(僕的には)

法律に則って手続きしてますからね!みたいな感じで威風堂々としている、そこの派遣営業!たぶん、あなたは間違っている!w

まあ、ちゃんとルール守っていれば、いいんですけどね。ただ、あくまで措置の対象外にする行為であるということ、決して3年目で無期雇用するルールとかではないことは分かっておくべきことかなと思います。

雇用安定措置だって1年超えたところから努力義務なんですから、優秀だったり、頑張っている派遣スタッフの方であれば、無期雇用への転換を視野に入れて話するとか、直接雇用の希望を聞くなんてことを普段からしっかり行っていくべきであると言えます。


雇用安定措置のタイミング

それと、雇用安定措置のタイミングについて、勘違いしている方が多い&不適切な運用が横行しているように思うので触れておきます。

こちらはそのタイミングについて、愛知労働局のリーフレットから引用。

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このAのタイミングですからね!3年間の継続が見込まれた時点ですからね!

上記の例なんかで、ずっと6カ月更新していたのに、急に3カ月更新に変更したり、2年と11カ月で終了するのはダメですよ。

2年と11カ月で無理やり終了させるのは論外だし、あまりいないと思いますが、派遣会社及び派遣先の協議がスムーズにいかずに急に3カ月更新にしたりすることはあるかもしれません。違和感が凄すぎるので、やむを得ないときはあるかもしれませんが、脱法的に見られないように慎重に真摯にお願いします。(あと、期間の区切りが悪かった時に、何としても3年ギリギリまで派遣するのは個人的には素敵ではないと思う。)


最後に

「雇用安定措置」は、派遣労働者のキャリア形成の観点から、3年間、同一組織に派遣するのであれば、派遣会社は雇用を絶対に失わせてはいけない。(派遣労働者が嫌だと言わない限り)というルールです。

正直、「派遣会社で営業してもいいかなー」っていう派遣スタッフはあまり見たことないので(それはそれで、悲しい!!)③の結末ってあまり見ませんし、筋が凄く良い法律とは言えないかもしれません。それでも、派遣労働者に関しては長きにわたり、「常用雇用代替防止」の観点から安定的に働きたい方への仕組みがほとんどなかったため、「雇用安定措置」の義務は、とても意義深いルールだと、僕は考えています。

もちろん、完ぺきではないですし、そもそも構造的に派遣と言う働き方が内包している不安定な部分はあります。しかし、それは、その他のメリットの裏返しでもありますので、致し方ないというか、あるべくしてあるデメリットかもしれません。安定が優先なら、正社員と言う働き方があるので。

ですので、僕らはまずは、雇用安定措置の義務をしっかり守りましょう。そして、ゆくゆくは、さらに先を行くキャリア支援をおこない、時には派遣と言う働き方が予備校のように、正社員の就業に繋がっていき、時には派遣と言う働き方のメリットを最大限生かして、派遣先は変わりながらも、安定的に収入やありたいライフスタイルが維持できる・・・そんなサービスを展開していきたいものです。

次回は同一労働同一賃金についてです。(前、有料記事書いた気がする・・・前半部分が被る・・・)

では、また明日!




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