「コーチング」受けてみたいけど実際どんなことするの?という方へ
記事を読んで頂きありがとうございます。
プロコーチの安西です。私の自己紹介は以下リンクにあるので、良ければそちらもご覧下さい。コーチングとの出会いの経緯なども書いてあります。
https://note.com/ryo_procoach_pm/n/n4ae5e3a25688
昨今、日本でも徐々にコーチングというワードを聞くことも増えてはきましたが、「実際にどういうことをするのか?」「どういう仕組み?」などは、正直わからない!という方も多いと思います。
そこでこの記事では、コーチングとは何をするのか、その中でコーチが果たす役割・得られるものやそのメカニズムをお伝えし「コーチングを受けたらどんな変化が起こるの?」といった疑問を、クリアにしていきます。
読んでみて「なるほど!」「なんとなく理解できた!」という方がいればうれしいです。
そもそも:コーチングとは
コーチの役割
コーチは、クライアントの現状の外※のゴール設定・達成をサポートします。コーチが伴走することで無意識的な思い込みを外し、クライアントは自分で自分の本音や才能に気づき、それに紐づくゴール設定を通して、今の自分の延長線では辿りつくことのない未来へシフトチェンジをしていきます。
「過去は未来に一切影響を与えない」。コーチはクライアントの未来のゴール世界の一番の味方として、誰よりもそのゴールを信じ、サポートする存在です。逆に、クライアントが望まない現状の延長線にある未来に対し、自分でその道を変えていく決断のサポートをします。
クライアントが得るもの
クライアントはコーチングセッションを通して、ゴール設定を行うことで、自己の変革に対する推進力を高めていきます。これまで走り続けてきたが自分はまだまだいけるはず、まだこの先に満足していない。そんな方には最大の効果を発揮します。
セッションを通してゴール設定し、達成していくマインドの使い方をクライアントが理解し自己適応することで、「本音の自分の欲求にしたがい」進んでいけるようになります。それにより、今までの自分では到達し得ないより「自分らしい」自身へアイデンティティを更新していきます。
「自分らしさを使って、らしくないこと※」へ、ともにチャレンジしていきましょう!(※今までの自分では想像もつかないこと)。
最初に共有しておきたいこと
以上、コーチングの概要をお話ししてきましたが、最初に認識の共有です。
コーチングは認知科学や神経科学など、現代科学のバックグラウンドをもって裏付け済のものです。
「マインド」という言葉だけをとらえると「うさんくさい」「自己啓発系」というイメージを持たれるかもしれませんが、コーチングは自己啓発ではありません。
私が卒業したMindset Coaching Schoolでは、認知科学をベースにしたコーチングを理論的・実践的に、妥協なく徹底的に学びます。
↓認知科学とは・・・
コーチングは1970年代、アメリカのルー・タイスという人物がその源流となります。そのメカニズムを複数の脳機能学者や他学者の手で、現代科学の裏付けをもって理論づけられています。ルーを源流としたコーチングプログラムは現在、日本を含む60か国で延べ3000万人以上が受講しており、NASAや米国国防総省、連邦政府機関や警察などの教育プログラムとして採用されており、アメリカのトップ企業群であるフォーチュン500社のじつに60%以上の企業など、欧米圏を中心にポピュラーなものとして浸透しています。
理解頂きたいポイントとしては、人の認知の仕組みを、科学的に説明可能なメカニズムに基づいて提供されるコーチングであるという点です。
ゴール設定の条件
前提の説明をしたところで、本題のコーチングセッションについて説明します。コーチングとは「ゴール設定」を行うものですが、ここでの「ゴール」には一般的なイメージ(目標のような)ものでなく、重要な基準があります。
これらが重要である理由は後述しますが、逆にこの条件が満たされていないゴールは有効には機能せず「現状維持を強めてしまう」ため、ゴール設定をしてもこれまでの日々とは根本的に変わらない日常が続きます。
そのため、ご自身の「本音中の本音」をコーチとともに自覚していくこと姿勢が重要になります。それさえできれば自身のありたい方向へドライブをかけていくセッションをご一緒していけます。
❶「現状の外」
世の一般的なコーチングと、私の提供するコーチングの絶対的な違い。それは「現状の外」のゴールを設定することです。
「現状の外」とは何か。
そもそもここで扱う「現状」とは、「このままいくと起こり得る未来」、つまり現状の延長線上の未来も含む概念です。
一般的な、今の状況を前提としてタイムラインだけを伸ばした未来 は現状です。
具体的に、私の事例でご説明します。私は新卒キャリアを銀行からスタートしましたが、入社1年目銀行員の私が「頭取になる!」という目標を立てた時、これは現状の外側でしょうか。
一見するとこれは無茶な高い目標に見えます。ですが、これは理想の「現状」です。まず銀行に就職している時点で、銀行に就職していない人と比べたら頭取になれる確率は高いですよね。そして銀行にいる以上、どこの支店に配属されれば、どういうルートで異動を重ねれば役員・頭取ルートか。そんな先輩は誰か、その人はどういう実績を残しているか。どこの部署の誰とパイプを持てば良さそうか。なんとなくわかりそうですよね。
このように、ぼんやりとでもやり方が見えそうなものは、たとえ確率が低くとも、時間軸が未来であっても現状の延長線上と考えます。
この「現状」に対し「外」とはつまり、以下の条件を満たすものです。今の自分の頭では思いつかないような大胆なゴールです。
<「現状の外」のイメージ>
1.現状のままでは達成方法が全く思い浮かばない
2.やろうとしたら周りが止めてくる
3.ワクワクするけど、想像すると怖くてゾクゾクしてしまう
では具体的に上記のイメージを見たす「現状の外」のゴールとはどんなものでしょうか。先ほどの私の例と対比して一例をあげてみます。
みなさん、マンガ「ワンピース」はご存じでしょうか。主人公が麦わら帽子を被っているあの海賊のストーリーです。彼の有名なセリフがあります。
このセリフ、よく考えるとすごくないですか?なんの能力も持たず、海に出たこともない。小さなフーシャ村という島の一少年が、海賊王になる。どうやったら海賊王になれるか、やり方がわかっていると思いますか?わからないですよね。達成方法も全くわからないですし、周りからも笑い飛ばされます。そんな外部の評価にも関わらず「おれはやる!」と掲げたルフィの「海賊王になる」というゴールは、まさに現状の外と言えるでしょう。
◆重要:なぜ「現状の外」が大切なのか?
そもそもなぜ「現状の外」が大切なのでしょうか?
この問いにはまず、あなたが何を求めてコーチングを受けるのか。そこに立ち返る必要があります。人によって、いろいろな理由があるとは思いますが
・現状を変えて、より自分らしくイキイキと生きていきたい
・本音で心からやりたい仕事を、全力でやっていきたい
・自分にはまだまだ可能性がある。もっとできる!
レベル感は人によって濃淡あると思いますが、コーチングに興味をもって、このnoteを読んで頂いている時点で、総じて「現状に満足しておらず、何か変えたい」という想いをもった方だと思います。それを成しえることは自分一人で考えることで可能でしょうか。おそらくできないからこの記事を読んでいるのだと思います。
例えば、TOEICで900点をとる!そのために単語帳を毎日●ページ暗記する!
これで現状は変わると思いますか?仮に変わったとしてどれだけ時間がかかるでしょうか。投下時間に対し自分の人生の変化量はどれほどか。おそらく大きくは変わらないでしょう。少ないとも自分の想定の範囲内でしか。
一般的な「目標」という、自分自身で思いつくことには限界があります。これは認知科学の観点で、人は一つの「コンフォートゾーン※後述」の世界でしか物事を捉えられないためです。
現状を大きく変えることは、今現在のコンフォートゾーンをずらさない限りありえません。そして「今の自分」が一人で考えつくものは現状の延長戦でしかない、がゆえにコーチが必要となります。
マインドの使い方を熟知したコーチが、クライアントに対し脳を一つ貸すことで、今の自分では見えていないゴールを設定することができます。
「現状の外」のゴールさえ設定し、そこにリアリティ(臨場感)を強く持つことができれば、脳が無意識下で達成プロセスを計算し見えるようになります。これを心理的盲点(スコトーマ)が外れる、と言います。
これまでとらなかった選択肢を当たり前にとるようになり変化が起こっていきます。「現状の外」のゴール設定が重要なのはこのためです。
❷「want to」
日本語訳の「~したい」というレベルではない、根源的な欲求です。
それは結果や評価に関わらず、行動そのものが報酬となっている行動のことです。言い換えると、失敗したり怒られても「そんなの関係ねえ!」とやり続けてしまう、リスク感覚がバグっている行動パターンとも言えます。
小さい頃・社会人になってからも、先生や上司・クラスメイトなど自分が安全な立場を確保するには重要な人物であるはずの権威から注意・禁止されているのにそれでも無視してやってしまった、、という経験があなたにも必ず何かあります。その行動そのもの、ではなく、行動の裏にある意図が「want to」です。
反対の概念として、自分以外の他者や社会に影響された欲求をHave toと言います。
・親や友達に言われたから
・会社に評価されるから
・尊敬する人がやったほうがいいと言ってるから
こういったものは全てhave toです。誰かの評価や世間の常識に合わせにいき、期待に応え・認められ・賞賛され・評価されることを報酬とする行動は、仮面のwant toです。「承認欲求」とも言い換えられます。
ではなぜwant toに基づくゴール設定が重要なのか。
前述の通り、現状維持から抜け出すほどの変化を起こすためには「現状の外」のゴール設定がマストです。なんですが、「現状の外」のゴールとは
・やり方がわからない
・やろうとすると周りが止めてくる
・やることを想像すると怖くてゾクゾクする
これを、普通の精神状態で踏み出していけるでしょうか。答えはNoです。
人はその性質上、自身の安全や生体維持のために「ホメオスタシス」という恒常性を維持する機能を持っています。
サウナに行ったとき汗をかきますよね?平熱を維持するために発汗して体温を下げる機能が人にはあり、これと同じことが「心」にも備わっています。つまり「慣れ親しんだ現状」に強く引き戻される力のことで、これが働くのは人間として極めて健全な反応です。
それを振り切ってまで現状を変化させるからには、普通に考えたらできませんよね?
そう。だからこそ、want toである必要があります。自身が根源的にやってしまう本音の欲求であり権威に止められてもやってしまう。やりたいと無意識が叫び、リスク感覚など無視して突き進む原動力。考えたら怖いほどのゴールはwant toでしかありえないんです。
❸人生のあらゆる領域
ゴールは1つでなく、多ければ多い方がいいです。それも人生のあらゆる分野で設定することです。マインドの性質上、そのほうがゴールの世界の臨場感が上がり、効果が出るためです。
あらゆる領域とは具体的に、以下の8つの領域です。これらをまとめて
「バランスホイール」と言います。
どこか一つだけ飛びぬけたゴールを設定し成功したらそれは幸せでしょうか。例えば仕事で頑張りすぎて家庭は崩壊、体調も崩し、趣味に費やす時間もなく仕事の人間関係しか存在しない。そんな人生、楽しいでしょうか。
前職の銀行員時代、職業柄多くの経営者と接する機会がありましたが、成功している経営者の方は総じて、仕事だけでなく趣味や家庭環境も充実されていました。いくつになっても何かを学ぶ姿勢がすごく強かったことを覚えています。無意識的に人生のすべての領域を充実させることが、仕事のパフォーマンスを上げること、人間関係にもポジティブな影響を及ぼすことを知っていたのでしょう。
どうやってゴール達成できるの?
ゴールを設定したはいいものの、「ゴール達成」はどうやったらいいの?そう疑問を持たれるでしょう。
仕事でもスポーツでも勉強でも、目標を立てたら次は達成方法を考えます。しかしここで問題なのは、現状の外のゴール=現状のままでは達成方法がわからないいうことですよね。
そんなものをどう達成したらよいのか。実はこれを解決するための機能は、すでに脳に備わっています。
人間の脳には、網様体賦活系:RAS(Reticular Activating System) と呼ばれる情報を取捨選択するフィルターがあります。脳の処理能力の都合上、五感で捉えるすべての情報を処理してしまうと脳がパンクするため、無意識化で約99%もの情報がシャットアウトされていると言われます。
このフィルター(RAS)により人は、ものを見たり聞いたりした時に無意識的に重要なものの優先順位をつけており、その結果、個々人によって認識できている情報に差異が発生します。
逆に「自分には関係ない・興味のないことだ」と判断された情報はフィルターを通らず脳で認識されません。この認識外になってしまい見えていない部分を「スコトーマ(心理的盲点)」と呼びます。
例をあげてみましょう。何が重要か?は人生の時々で変わります。
例えば、結婚して赤ちゃんが生まれた途端に、街を歩いたり電車に乗っていても急に赤ちゃんや子供の多さに気づくことがあったりします。
これは、その人にとっての「子供」の重要性が変化し、取得する情報のフィルターが変化したことを意味します。
他にも、筋トレを始めたら急に街中で体がデカい人が目について「あれ?こんなに体でかい人多かったっけ?」と気づいたりとか、そういうことです。
ここで問いに戻ります。
なぜ達成方法のわからないものが達成できるようになっていくのか。それはあなたが設定したゴールの重要性を脳が認識することでRASのフィルターが開き、盲点であったものが見えるようになり、ゴール達成に必要なものを認知することで達成プロセスが見えてくる、というのが回答になります。
ゴールを重要なものと認識させるには?
「じゃあ、脳は何をもってゴールを重要だと認識するのか」と思いますよね。ここがまさにコーチングセッションで実施していくことです。
ゴールの条件である、want to(無意識的な欲求)から派生して、人生の全領域でゴールを設定する。
この基本ルール以外にも「セルフトーク」と呼ばれる、人が自身に対して持っているセルフイメージ(ドミナントピクチャー)を捉え直したり、五感を使ってゴール世界のリアリティを高めること、その映像をつなぎとめるトリガーとなる言葉を設定する(アファメーション)ことなど、様々なマインドの技術を使い、ゴール世界の臨場感>現在の自分の臨場感 の状態をつくります。
百聞は一見にしかず、ということで興味がある方は実際のセッションをまずは体感することをお勧めします。
言語・非言語を含めて、ゴール世界に生きる自分をイメージできると、そこから見た時に今の自分が気持ち悪い…違和感しかない…。というマインドが生まれます。このGAPからくる渇望が、現状のマインドセットを変えていきます。同じ職場で同じ仕事をしても、これまでとは違った捉え方ができるようになっていきます。
最後に:改めてコーチの役割とは
コーチングで行われるゴール設定や、その条件、マインドの仕組みについて紹介してきました。興味を持って頂けたでしょうか?
ここまで読んでいただき、なんとなくは理解できたと思いますが、「わかること」と「できること」の間にはまた大きな隔たりがあります。
プロのコーチであっても、コーチ自身がコーチをつけているケースは多く、それほどに一人で現状を変えることは難しいということです。
自分の現状が自分一人では大きく変えられないことは当たり前です。自分のwant toが自覚できている人、真の意味でのゴールが設定できている人も、一般的にはほとんどいないでしょう。それを一緒に伴走し、マインドの上手い使い方を「できる」ようにするのがコーチの機能です。
私自身もプロコーチをつけています。クライアントでもありコーチでもあります。人間はどうしても、日々生活している現在の物理空間に強く臨場感を引っ張られがちですし、自分一人では限界があります。
コンサルタントがノウハウを貸す仕事であるなら、コーチングはコーチの「脳を貸す」仕事と言えます。
今の自分では想定し得ない未来へ突き進んでいきたい方は、ぜひコーチングを受けてみることをお勧めします。ご連絡もお気軽に下さい!それでは。
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