海-いばしょ-
帰る場所を探して彷徨った
手に入れたいものは
どこにもなくて
1人で声を上げて ただ泣いた
夢の中には
大切な人が出てきて
声にならない想いをぶつける
生まれてきた意味は
この世界のどこに
落ちているのだろう
無数の選択肢の中から
一粒のしずくを掬うように
1歩ずつ確かめて
私を抱きしめる
「きっと、大丈夫。
それはすぐそこ」
生まれては消えていく
数多の鼓動が
引いては満ちていく
この波のリズムが
そっとささやく
「君は、1人じゃない。
ずっと、そばにいるから」
静寂の中に浮かぶ月が
光の淡いカーテンが
今聴こえる、この声が
家族のように寄り添うよ
私の海(いばしょ)はすぐそこ
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