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【桜の躍進】YBCルヴァン杯 2022/3/26 セレッソ大阪vs大分トリニータ

▼ 2022/3/26(土)14時 kickoff
▼ ヨドコウ桜スタジアム
▽ セレッソ大阪 vs 大分トリニータ

※試合内容から見たい方は目次のフォーメーションをクリックしてください

試合前情報

J2で苦しむ大分トリニータ

昨シーズンJ1から降格した大分トリニータは、開幕から5試合で勝ちなし3引き分けの21位と苦しいスタートを切っている。3/19のレノファ山口戦ではフォーメーションを4-4-2にし、守備時はブロックを作る形に変更

3/23のFC琉球戦ではスタメン復帰で4-1と快勝し、暫定16位に浮上するもビルドアップにやや不安あり。一方で身長192cmの長沢駿が入ると一気に前まで運べるため脅威

ミッドウィーク開催があるため、大分はJ2の中でもさらに厳しい日程。ペレイラ、呉屋、小林成豪(日テレベレーザの小林里歌子の兄)ら琉球戦にもスタメン出場した選手達をカップ戦にどこまで出してくるか。町田也真人は琉球戦で負傷退場したが、そこまで酷くはなさそう

前節のセレッソ

開幕から4戦連続引き分け中のコンサドーレ札幌戦。山田の先制点が生まれ、ブルーノ・メンデスのゴールで勝ち越しするも、同点弾を浴び引き分け。内容も札幌に圧倒されており、ジンヒョンがいなければもっと失点していたはず。攻守において改めてチームとして課題が浮き彫りとなった試合だった

今週は怪我のためオーストラリア代表に招集されなかったアダム・タガートも合流。タガートやメンデスは自力で打開するというより、使われるタイプだと思うのでいかに中盤とサイドバックとの連携を深められるかが、今後のセレッソの命運を左右しそう。そろそろ外国人選手の出場&活躍が見たい

フォーメーション

セレッソ 4-4-2    大分3-4-2-1

■セレッソ
ルヴァン仕様のメンバー。キャプテンは19番為田(以前もカップ戦ではキャプテンを務めていた)。小菊監督のコメントでは、「ルヴァンで2連勝した選手が高いモチベーションとクオリティで練習していた。今後の連戦に備えて、疲労回復&ケガの予防も含めルヴァンのメンバーを送り込んだ」とのこと

前節から連続でスタメンは山中と中原のみ。また、サポ待望のマテイ・ヨニッチが2020年12月の鹿島戦以来、久しぶりにベンチ入りし、実戦復帰を果たした

■大分
予想していたメンバーはほぼ登場せず、19歳を含む若手を織り交ぜたメンバー。連戦が続く中、ルヴァンで鹿島に引き分けたことで、リーグに集中するとともに若手奮起の狙いとみた(セレッソとしては幸運だった)

さらにフォーメーションも3-4-2-1(実質5-4-1)と守備的陣形を取っており、下平監督が試合前に「守備の時間が増える」とコメントしていたことからも、少ないチャンスをモノにして勝ちに行く狙いだったのだろう

前半

攻撃に厚みを増すセレッソ

試合内容でいうと、セレッソの選手全員のクオリティが高く、得点こそ入ったのは後半だが、前後半ともに試合内容では圧倒していた
ポイントはセレッソの①連動した前線からの守備、と②SBも含めたペナルティエリアに侵入する人数の多さ

①は、以前からの小菊セレッソの狙いだが、ボランチ2人の動きが特に良かった。どちらかというと鈴木徳真が自由に動きながら、前に上がることが多く、初スタメンの岡澤昂星がフォローする形。鈴木徳真はMOM級の働きだったのだが、岡澤もとんでもない逸材だった。パススピードも良いし、判断力も素晴らしい。この2人がいることで前線の4枚(FW,SH)が思い切ってプレスすることができ、大分の自由を奪っていた

②は、①のプレスで早めにボールを奪ってから、縦に速いサッカー。前線6枚と、サイドバックの山中・毎熊も上がり、特定の選手ではなく誰が入ってくるかわからない状況をつくり出していたので、マークもつきにくく大分は手を焼いていた

クロスが上がる時に4枚も5枚もペナルティエリアに侵入すると間違いなく相手の守備網は崩れるので、リスクはあるが理想的な攻撃スタイルだった

大分の狙い

大分はターゲットマンがいないので、ビルドアップしながらワイドに展開後、セレッソのサイドバックの裏を狙っていた。ただ上門・北野のプレスバックが速いところに苦戦し、狙いどころに出せても最終的にはボランチかCBがカバーしていたのでそこまで脅威ではなかったが、セットプレーは取られていた

失点

その狙いの中で毎熊がハンドを取られたフリーキックから失点。大分の選手が1人ニアへ流れ込んできて、フリックしたところでコースが変わり、対応が遅れた。山中がクリアできる位置にいたが、背後からきているのでこれに対応するのは難しい。また、走ってきた選手は、北野が対応していたが、北野は1人で2枚マークしていて中の選手についていったので、ここは初の4バックの並び+GKの清水でまだマークのつき方を整備できていなかったのが原因か

為田も(クリア前に足を蹴られた)ファールのアピールをしていたが、VARはグループリーグでは採用されておらず、ここは残念ながら主審の判断は覆らない。フリックをした大分の選手を褒めるべきだろう

JリーグYBCルヴァンカップ大会概要 2022シーズンのポイント
VARの導入について変更なし!
プライムステージ:全13試合で導入
グループステージ、プレーオフステージでは導入なし

JリーグYBCルヴァンカップ大会概要

前半でのピックアップシーン

前半18分、為田→北野→岡澤→上門→北野の流れるパスワークはかなり良かった。前節も書いたがこういう距離感の良いプレーができると、どのチームに対しても崩しのパターンとして使えそう

21分、山中がミドルレンジで持つと、左足からとんでもないシュートが飛び出した。惜しくもバーに阻まれたが、あの距離から狙って打てると相手DFも警戒せざるをえなくなり、結果的にアーリークロスや突破が活きてくる

桜のワンダーボーイ・北野は今日もゴールに飢えていた。30分、ここは上門にパスしていれば、という場面もあったが、ゴールハンターとしてこのままでいいと思う。彼の良さが埋もれないよう、これからも貪欲にゴールへの姿勢を見せてほしい

後半

毎熊が反撃の狼煙をあげる

後半は前回の記事で推していた毎熊が大活躍。怪我から復帰したての鹿島戦では本来の実力を発揮できない状況でもあったので、今回の活躍は非常に嬉しかった。今後連戦も控えているので、松田陸とともにセレッソの右サイドの起爆剤になっていければ上位への道も遠くはない

47分ー【1-1】得点者:毎熊
中原のコーナーキックが、2回クリアされた後、鈴木徳真が鋭いダイレクトボレー。そこに1人反応した毎熊晟矢に当たり、同点ゴール。初見はオフサイドに見えたが、真横から見るとオンサイド。反応した時に前を向いていたのが良かった

49分ー【2-1】得点者:中原
鳥海から始まるビルドアップで徳真から、右サイドの毎熊へ。この時点で、①ワイドに張る中原へパス②北野・上門へのアーリークロスの選択肢があったが、するりするりとドリブルでペナルティエリアまで侵入し、マイナスへパス。クリアにあったが、こぼれたボールを拾った中原がワンフェイク入れて、左足一閃。相手DFに当たりコースが変わってゴール

後半開始わずか5分足らずで逆転した。J2時代の映像でも見た毎熊の良さが出たシーン。やっぱりドリブルで勝負できる選手は強い。中原が打てるタイミングで打てたのも良かった。シュートを打たないと何も生まれない

セレッソのゴールラッシュはまだまだ止まらない

58分ー【3-1】得点者:岡澤
相手のスローインを岡澤が追いつめ、徳真と上門が挟み込んだところで毎熊へ(今日は毎熊劇場)。ワントラップでシュートを打つと、DFへ当たったボールが為田の元へ。為田は冷静にパスを選択し、岡澤がヘディングでゴール

今季初スタメンの岡澤はヘディングも当たり負けしないし、ラストパスも出せる上に、ゴールも狙える。ユースからトップに上がる選手のクオリティの高さ。今季は移籍組の活躍に加え、ユース組の早めの台頭もセレッソの追い風となっている

大分は選手交代で流れを変えようとするも

63分にエドゥアルド・ネットを投入。その直後のフリーキックから存在感を出してきた。ここで1点決められると怪しい展開になりそうだったが、直前に船木がわずかに触れていたことでシュートコースがずれて助かった。船木も前後半かなり安定した守備を見せ、左足でのフィードはお見事だった。今後左CBの一番手を争うかもしれない

大分はここでフォーメーション変更し、中盤のスペースを上手く使うことで攻める時間を少しずつ増やしていったが、小菊監督はベテラン乾貴士を投入。乾の落ち着きとプレスで流れを作る技術はさすが。左サイドと思いきや中央や右でもかなり自由にプレー。乾の登場で、大分としてはまた守る時間帯ができることになり、厄介な存在になっていた

◆セレッソの選手交代
 66分 北野・上門にかえて、加藤、山田を投入
 71分 為田から乾
  山中からヨニッチ

最終ラインは、左から船木、鳥海、ヨニッチ、毎熊となったことで体格のしっかりしたDF陣となった。コーナーキックで競り合いができる選手が増えるのは大きい。ちなみにDFラインの身長は以下

ヨニッチはプレー時間が短かったものの要所要所でみせるプレーの安定感は健在。失点続きのセレッソの立て直しができるか

79分ー【4-1】得点者:加藤
乾からボールを受けた毎熊(あなた毎回出てくるね)がドリブルを仕掛けたところでスローインを獲得。プレーが切れたところで、大分はFWサムエルを投入した

その交代直後のシーン。スローインを受けた中原がキープし、山田へ。山田がマイナスへ折り返し、加藤がダイレクトで右足を振り抜いてゴール

加藤のゴールだが、シュート直前に一度ファーに向かう体の動きを入れDFの逆をついている。山田のパススピードと加藤の動きが合わさった見事なゴール。4点目がこの時間に入ったことで勝負あった

※山田がボールを受けた時、エドゥアルドは別の場所を見ていた、、

アディショナルタイムにもドラマが

アディショナルタイムに入る直前、インターセプトをした鈴木徳真から乾へラストパス。ファーを狙った良いシュートだったが、GKの好セーブに阻まれた。ここでもゴールを狙う姿勢がラスト2点への布石となっていた

91分ー【5-1】得点者:乾
原川がミドルゾーンでボールを奪取し、ワンタッチで加藤へ。DFが2枚いたが、右から追い越してきた乾へラストパス。キーパーと1vs1となり、冷静にゴール左隅へ流し込んだ。少ない人数でも最短でゴールを狙える力は大きな武器となる

92分ー【6-1】得点者:山田
ビルドアップの状況から、乾が加藤へ楔(くさび)のパスを入れる。加藤はワンタッチで原川に落とし、右サイドの中原へ展開。そこでまた来た毎熊晟矢

上記のプレーによって、相手のDFラインはすでに混乱していたので、山田と大外の船木がフリーになっていた。そして、毎熊がクロスを入れ、山田のゴールで勝負あり

いつでもイジられる山田さん、さすがです

試合終了

待ちにまった桜の季節、桜満開

シュート22本、コーナーキック11本、6ゴール、今シーズンホームスタジアム初勝利🌸、文句なしで桜満開。徳真がやはり素晴らしかった。今日においては全員が素晴らしい動きをしていたが、徳真がかつてのイタリア代表のピルロのようにタクトを振るい、攻守においてピカイチの動きをみせていた。セレッソのボランチの役割はやはり攻守の舵取りとなり、チーム全体のチャンスメイクに貢献しなければならない

そして毎熊選手!5得点に関わる大活躍!!
どれだけゴールチャンスに絡むのか。彼がペナルティエリア内に侵入する時はさらに脅威。毎熊を活かした影の功労者中原もやはりフル出場し続けるべき選手

ちなみにセレッソが大勝したのは本当に久しぶり

スタメンした2トップ

上門・北野に関してはゴールこそなかったが、チャンスはたくさん生まれていた。上門は今回は少し不運な受け方が多かったが、決定機があれば決めてくれる選手なので、出場時間を確保して2桁得点を狙ってほしい
また、見逃されがちだが、この2トップはシンプルに上手いのでボールをあまり取られず、相手を追い回せる選手なので守備での貢献度も高い。川崎相手にも良い動きをするはず

先発したジョー(上門知樹)と(北野)颯太の2トップにはゴールは生まれなかったのですが、彼らの素晴らしいパフォーマンスにより、大分の最終ラインにダメージを与え続けた結果が、途中から出た選手たちのゴールにもつながったと思います。2トップの献身的な動き出し、守備を含めたパフォーマンスにも満足しています

小菊監督コメント

ルヴァン杯グループステージ突破へ王手

前半戦を折り返し、勝ち点が9、4、2、1と期待以上の結果。この時点でこの位置にいるのは大きい。安全圏まであと一歩なのでターンオーバーしながら無理せず次のステージへ進出へ

次節王者フロンターレ戦

4/2 王者川崎フロンターレ戦。川崎は前節からだいぶ間が開く。前節3/19 広島戦は点差こそ2−0だったが、内容的には苦しかった。広島が前プレが強く、強靭な3バックがいることも大きかったが、ジェジェウ不在のDFラインで勝負できれば得点のチャンスは生まれるはず

あとはルヴァンで活躍した選手、新しく合流した新外国人たちをどう組み合わせるか、暫定1位の王者との一戦が楽しみになってきた

ご覧いただきありがとうございました。勝っても負けても引き分けても、あくまでも前向きに。セレッソの良かったところと悪かったところについて書き続けてみようと思います

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