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【動物の刑務所】福岡市動植物園の実態(客目線)を炎のリポート

昨日、地元福岡にある動物園「福岡市動植物園」に行ってきました。
結論、控えめに言ってこれまで行ったすべての動物園の中で最も気分の悪くなる動物園でした。

今回は、そんな福岡市動植物園の(客目線での)実態を写真と共にリポートしていきます。
来園を検討している方々にぜひご一読いただきたいです。

記事の概要

  • 鉄格子やアクリルの汚れで写真撮影には圧倒的不向き

  • 飼育環境はほぼ刑務所

  • 10点満点中2点


【筆者のプロフィール】
名前: りょう
年齢: 28
性別: 男性
出身: 福岡
趣味: 写真、バイク、ものづくり
好きなもの: 動物(特に犬・猫・インコ・オウム)、うどん、カメラ
嫌いなもの: 優しくない心、マシュマロなど多数
性格タイプ: ENFJ-A(期間あけて3回同じ結果)


福岡市動植物園について

本題に入る前に福岡市動物園について軽く説明をいれておきます。
福岡市動植物園は福岡県福岡市中央区に位置する動植物園で、2018年時点では動物を110種、植物を2,600種有しています。
動物園としては中規模程度といったところでしょうか。

住所: 福岡県福岡市中央区南公園1番1号
開園時間: 9時~17時(入園は16時30分まで)
休園日: 月曜日 (月曜日が祝日の場合翌日) ・年末年始(12/29~1/1)
入場料:
【個人】大人: 600円 / 高校生: 300円 / 中学生以下: 無料
【団体】大人: 480円 / 高校生: 240円 / 中学生以下: 無料
駐車料金
普通車: 500円 / 中型車: 1,000円 / 大型車: 2,000円

正直、価格はすごく安い。大人で600円は動物園としては破格ですね。
入場するタイミングでは、不自然なほどに安いこの金額に特に違和感はありませんでした。

カバ

入り口入ってすぐのところ

動物園に入るとすぐ左手に茶色の壁が見えます。壁は不揃いに四角に切り抜かれ、遠目から"中に何か動物がいる”ことが推察できます。

枠から中を見るとそこにはカバが一頭。おそらく寝ています。横たわったまま全く動きません。
周りでは子連れ家族が楽しそうにカバを見ていました。

少し引いてみるとこんな感じ。ここでカバが一頭だけでいることに違和感を感じていたことに気が付きます。

「なぜ一頭だけ?」

写真を見ると一目瞭然ですが、このスペースでカバにできることはほとんど何もありません
暇つぶしのおもちゃもなければ、他のカバもいません。
当然カバはじっとしているしかなさそうです。

しかし、後に見ることになる他の動物の飼育環境の悲惨さはこんなものではありませんでした。

インコ

次にインコのエリア。とはいえ、写真のように大きめのケージが6つ並んでいるだけ。
そして、このコーンの数

世界一のチャンネル登録者数を誇るYouTuberのPewDiePie氏が、日本の好きじゃない部分として”コーンの多さ”をあげていたことを思い出してしまいました。
コーンの奥に柵が設置されているのが見えます。
だとすればこのコーンはなに?
動物に近づけ過ぎてしまうからとか?
真相は闇の中ですが、景観をぶち壊してしまっている感は否めません。

柵を正面から見るとこんな感じ。上からは太陽光や雨が入ってこないようになっていますね。
相変わらず動物は一匹。1人1ケージ。

ご飯中のモモイロインコ
じっと佇むワライカワセミ

ピントが合っておらずすみません。
というのも、園内のケージはそのほとんどに鉄格子がついています。
一眼レフで写真を撮ろうとすると、自動でカメラが鉄格子にピントをあわせるため、動物にピントがあわないのです。
普段の撮影のほとんどをオートフォーカスに頼りっきりの僕には、鉄格子の向こうにいる動物にバッチリピントをあわせるのはまだ早かった…
なんともアマチュアフォトグラファー泣かせの動物園です。

話を戻しましょう。
この鉄格子の感じ、何かを思い出させます。
そう、ドキュメンタリーか何かで見た刑務所です。

出典: Pixabay

刑務所というのは大雑把に表現すると”人の自由を奪うために設計された施設”だと言えるでしょう。
動物に自由に行動させないことを目的とするなら、これほど合理的な作りは他にありません。

しかしどうでしょうか。ここは動物園です。
客としては、”生き生きと暮らしている動物を見たい”と思うのが自然ではないでしょうか。
僕は、よりその動物が本来生きていた環境に近い環境で、動物が他の個体と自然に近い形でコミュニケーションをとって幸せそうに暮らしている様(さま)が見たいのです。

もちろんある程度動物の自由を制限する必要はあると思います。トラや熊などの肉食動物は人と接触できない設計にしておかなければなりませんから。

とはいえ、一日中これほど小さく何もないスペースで、かつ1人きりで入れられてみた時にどう思うか考えてみてほしいと思います。

一度、本気で。
これが自分だったらどう感じるか、真剣に考えてみていただきたい。

ヤギとヒツジ

次はヤギとヒツジのコーナー。
こちらは天井のないスペースにヤギとヒツジが別々に入れられていました。

見たところヤギが4匹、ヒツジが1匹。
皆なんとなくじっとしています。

ヤギのスペースにはヤギが登れる遊具があるのが分かります。
ヤギにもちょっと高いところに行きたい瞬間があるのでしょう。
しかし、遊具で遊ぶどころか動いている姿も見れませんでした。少し残念。

ここで気になったのはヒツジの方です。
この動物園のヒツジは、元々母と娘の2匹で暮らしていたとのこと。
しかし、写真で確認できるように、つい最近(2024年3月)療養中の母「コマチ」が亡くなってしまったのだそう。
つまり、残された娘「ノゾミ」はひとりぼっちで暮らしているのです。

実は先日、長崎県にある「長崎バイオパーク」に行ってきました。
色々と素晴らしい動物園ではあったのですが、特に印象に残っているのは、違う種類の動物同士が同じ空間で過ごしていたところ。

前提として、自然界では狩る・狩られるの関係性でない場合、お互いにあまり干渉しません。
異種間でひとつの餌を争う状況もあるかもしれませんが、(もちろん例外はありますが)それが原因でお互いに致命傷を負ってしまうようなことはあまりないと言っていいでしょう。

長崎バイオパークのアルパカとヤギ

長崎バイオパークでは、動物の習性を鑑みた上で”一緒に飼育して問題ない”と判断した動物同士を、同じ空間で生活させているのです。

翻ってこちらの福岡市動植物園。そのような動物に対する配慮は微塵も感じられません。
おそらく”2種以上の動物を同じ空間で飼育しよう”という概念そのものがないように見えます。

僕個人的には、写真で見える真ん中の柵を取っ払ってヒツジとヤギを同じスペースで生活させることに何か問題があるようには思えません。
13年一緒に暮らした母を失ったノゾミ(娘ヤギ)が、何もないスペースでひとりぼっちでこれからずっと暮らしていかなければならないことを考えると、いたたまれない気持ちになります。

多くの動物が人間と同じように群れで暮らしています。それは生存戦略上有利であるから。
群れを成す動物の脳には、個体の社会性を評価する仕組みが備わっていることがよく知られていますよね。

つまり、群れを成す動物は、そもそも群れで生活するように作られているのです。
それを一切考慮しない動物園の飼育体制には、首をかしげざるを得ませんでした。

飼育員さんたちはどう考えているのだろう。
素直に知りたいです。

トラ

こちらはアムールトラの写真。例によって鉄格子が邪魔をして上手く撮影ができませんでした。
さらに鉄格子の向こうにはアクリル板があるのですが、掃除が行き届いておらず、写真撮影は困難を極めます。
わかりにくい写真ですみません。基本的にはスキル不足です。

こちらは「トラの寝室」と書かれた部屋。
読んでそのまま、トラが寝るときはこの部屋を使うのでしょう。
しかし照明、鉄格子、部屋の狭さ…どうも刑務所感が強い…
見ていてあまり気持ちの良いものではありませんでした。

もうひとつ気になったのはこの看板。
物の投げ入れが目立ちます…ですと?
この部屋に向かって物を投げ入れる人がいるらしい…
これをわざbわざ赤字で書かないといけない状況に呆れてしまいました。

タカ

タカも例に漏れず鉄格子。
鳥を飼育するには狭い…
これではまともに飛べないではないですか…

シシオザル

これはシシオザル。初めて見るお猿さん。比較的我々人間の近縁種です。
狭い、ただ狭い。
このスペースで、一体1日のうちどれくらいの時間を過ごすのでしょうか。
説明書きを見る限りお父さんとお母さんと一緒に暮らしているようですが、この時はこのスペースに1匹でした。

しきりに上を見上げていたので、上に何かあったのでしょう。
動きを見ると、かなり人間に近いように感じます。
この狭いスペースにひとり、ただ閉じ込めておくのはあんまりです。

オウム

ここはオウムのスペース。インコの時と同様に大きめのケージに入れられています。

そして、またコーンが置かれていますね。
物を投げ入れる人でもいたのでしょうか。
それとも動物にとって人間に近づかれるのがストレスになるからという配慮でしょうか。
いずれにしても美しくない。

中のオウムたちはというと、確認できたのはベニコンゴウインコだけが2羽でいたということ。
2羽は仲が良いようで、終始片方がもう片方に口でご飯をあげる動作をしていました。
しかし肝心のご飯は中々出てきません。オウムのやきもきした表情を見ることができて良かったです。

他には、僕の大好きなタイハクオウムを見ることができました。

またまた1羽で入れられています。
タイハクオウムというと、長崎バイオパークのダイちゃんと比べてしまいます。
彼女は他の鳥さんや人間と遊んで暮らせているのに、この子は一日中ひとりぼっち。
本当に悲しくなります。

まとめ

他にも紹介したい動物はたくさんいます。
しかし、結局言いたいことは大体同じようなことです。
ネガティブな事ばかり書くのは正直いい気がしません。

実際、福岡市動植物園にも良いところはあります。
それは動物の種類が多いところ。
園内にはたくさんの動物が暮らしており、1日で色々な動物を見て回りたいと思う人には良い動物園に映るかもしれません。

しかし、動物の多さが強みになるのも、結局それらの動物を適切に飼育・管理できた上でのことでしょう。
少なくともこの動物園には動物を見世物にしてお金をとる体制が整っていないように感じました。

10点満点中2点。
まだ経験がありませんが、ここよりひどい動物園があるかもしれない可能性を考慮しての2点です。

動物に愛のある方は気分が悪くなりますので、行くのは自己責任で。

ということで初めての動物園レポートはこの辺にしておきます。

それでは(・∀・)ノシ

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