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「アフターコロナ時代に人事として必要なスキルと生き残り方①」

1.今回のテーマ

新型コロナウイルスが猛威をふるい、多くの企業人事の方(特に労務よりかな?)は時差出勤導入やテレワーク移行を矢継ぎ早に対応し、大変忙しい数ヶ月を過ごされていたのではないでしょうか。

アフターコロナ、ウィズコロナの時代といわれ、これまでの働き方から数ヶ月で様変わりした現在ですが、今後もこの未知の状況が続く中で人事という機能はどう変化していくのでしょうか。

今日はそんな未来について、少し考えを整理したいと思います。


「アフターコロナ時代に人事として必要なスキルと生き残り方①」
(わーっと書いていたらそこそこの量になったので、適度なところで区切り全3回で整理します。長っ、、、。)


2.新型コロナがもたらしたもの

まず、アフターコロナ時代と書きましたが、新型コロナが企業の組織・人事にもたらした影響は何でしょうか。

私が思う一番は、対面や集合等を前提とする働き方が不可逆的に変化したことだと思います。

ただ、この働き方の変化は新型コロナの影響で始まったわけではなく、ここ数年緩やかに変化し、今後も変化し続けていく市場の大きなトレンドの一つでしかないです。

では、もともと変化の波があったのなら、この新型コロナの影響ってあまりないのかというと決してそんなことはなく、新型コロナは多くの企業に対し、この変化の波をあるラインまで一気に押し上げ、「対面じゃなくてもいい」から「対面は避けるべき」という前提へ書き換えた点で、影響甚大だと思います。

これまで想定していた組織変革のシナリオを描きなおさないといけなくなった企業人事の方はたくさんいると思います。そもそも事業計画の見直しが必要な企業がほとんど。

ちなみに、対面や集合というキーワードで集団凝集性という言葉があり、これからの働き方のテーマとして重要なのではないかとコメントいただいたので、そのうち考えを整理したいと思います。Thanks my friend!

3.人事に起きている大きな変化

さて話を戻しまして、先程述べた緩やかに変化するトレンドとは

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①産業構造の変化による経営勝ちパターンの変化
 >労働集約・終身雇用の終焉
②少子高齢化による、人的リソース不足
 >採用競争激化・労働市場流動性上昇
③インターネットがもたらした情報量の増加・オープン化
 >人の判断・思考の変化
④テクノロジーの進化による働き方・コミュケーション手段の変化
 >Digital Transformation(DX)

といったあたりです。

これってもう少し人事の視点に置き換えて、整理すると

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①人材マネジメントの思想やコンセプト
 >どういう組織づくりを目指し
②必要な人材へのリーチ・採用方法
 >どうやって人を集めてきて
③採用した社員の囲い込みと高いパフォーマンスの維持
 >継続的に成果を創出できる仕組みをどうやって構築し
④日常の柔軟性を拡大し、日々の生産性を維持・向上
 >どうやって仕事をしてもらうか

といった部分が変化しているということだと思います。

人事の全てに変化が求められとる。あっかーん。


4.アフターコロナ時代に人事として必要なスキル

さて、今回のテーマ「アフターコロナ時代に人事として必要なスキルと生き残り方」の1回目として、まずは「人事として必要なスキル」について自分の考えを整理したいと思います。

これまでの人事担当者の成長ステップとして、人事制度の企画や運用が独り立ちのゴールとなっていたり、制度企画ができるというのが人事として一定の価値があるというポジションだったかと思います。
しかし、上記緩やかな人事の変化の中で、今後はこの制度企画ができるということ自体には価値がなくなっていくと思います。

理由は簡単。今は自分の市場価値がすぐわかるので、人事制度で工夫したところで単純にはリテンションに結びつかないからです。つまり複雑だったり、ユニークな制度設計自体が価値を持つわけではないということです。

多くの人にとって、少し前までは転職先の年収情報や自分の年収水準が相対的に見て、いい感じなのかどうかがわかりませんでした。(情報としては存在していましたが、裏サイト的な位置付けが多く信頼しきれないという感じだったと思います)

加えて、終身雇用神話から現状にとどまる方が結果プラスなんじゃないかというホメオスタシスの維持も働いていたと思います。


これらの前提が変わり、自分の年収比較や転職という決断そのものに抵抗が薄まったことで、より良い環境にチャレンジしたいという人が増え、制度という枠組みだけでは社内のリソース維持が立ちゆかなくなってきたということです。

うちの会社はこんなにいろんな仕組みやキャリアプランがあって、2年頑張れば様々なチャレンジができるよと一生懸命説明されても、隣の会社で先週から上位ポジションが空いてて、年収水準も自社より高いのがSNSでわかっちゃったらなんか心が揺れちゃうよねってことです。しかもダイレクトリクルーティングで急にご指名くる時代だし。


では、これからの時代に必要となる人事のスキルとは何でしょうか。

僕が考えているのは、

①経営センス(社会を捉える力・構造化する力)
②人事の知識
③ITリテラシー
④アウトプット力(デザインする力)
⑤データを扱う力

です。

ベーススキルからスペシフィックなものまで混在しているので、育成担当っぽくはない整理の仕方ですが、色々加味して優先度高いと思う順に整理しました。ただ、今回言及していきたいのは③④です。

次回それぞれについて、詳細に触れたのち、人事としての生き残り方を整理したいと思います。

さて、あと2回もこのテーマ。長っ。

5.最後に

日本では少しずつ緊急事態宣言が緩和されていますが、気を抜けばあっという間に第2波になるかもしれません。自粛疲れという言葉もたくさん聞きますが、環境変化を受け入れて適応していけるかというのはとても大切なポイントだと思うので、今しばらく気を抜かずに協力して乗り切っていきましょう。知り合いに医療従事の方もいるので、物流などインフラを支えてくださっている方に本当に感謝いたします。

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