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週末の"倦怠感"にどう立ち向かうか−ドラクエ・散歩・レジリエンス

もしかしたら男性特有の、もしかしたら人間に固有の、(女性じゃないので分からない)、不定期の"倦怠感"に襲われることがある。

なにもする気が起こらず、ただただ寝っ転がりながら、Netflixをみる。
先週末、実家に帰っていた僕はただただ、甲子園をぼんやりと眺めていた。

先々週も同じような気怠さに覚え、映画『Go』を観るなどして、一時的に己を奮い立たせたりして。でも、その効用も長くは続かない。
どうやらこの現象のボトルネックを発見し、治癒しない限りは抜け出せそうにない。

ドラクエ?散歩?睡眠?入浴?

「ドラクエ」「睡眠」「散歩」「入浴」といくつかアドバイスを頂戴しました。(散歩といえば、この本が気になっています:『ウォークス 歩くことの精神史』)
たしかにどれも効果はありそうですが、一時的な空白の末、奴がまたやってきそうな気配は拭えません。

俯瞰して最適化、自己効力感を養う

そして、いつもお世話になっている編集者の横田さんが教えてくれたアドバイスはより本質的で考えさせられるものでした。

人間はどうやら1日に1mmでも前進している感覚が得られないと、精神的な膿が溜まっていくようだ。
歯磨きをしなくては気持ち悪くなるほどには、本を1ページもめくらないと、居心地の悪さを感じるほどには読書が習慣化している。その理由は、まさに横田さんが指摘してくれている、「前に進めている感覚」にあるのかもしれない。

そういえば、この前ランサーズの秋吉さんの以下のツイートがtogetterにまとめられていたが、この主張は全く同じことを言っているのではないかと思う。

筋トレは、現代の日本で「最強」の宗教なのかもしれない」なんて記事もあったが、筋トレはたしかに目に見えて効果が出るので、「昨日より今日の自分」の"前進感"は得られやすい。

横田さんが推薦してくれた『BORN TO RUN』(先日お呼ばれしたランチ会でも、東京ピストルの草彅さんが薦めてくれたので、読もうと思います)にせよ、繰り返し何度も読んでいる『走ることについて語るときに僕の語ること』にせよ、こうした本から得るべき教訓は身体を動かすことによる精神の安定ではないかと思う。

『OPTION B』から学んだ「俯瞰と相対化」のヒント

邦訳を心待ちにしていたシェリル・サンドバーグの『OPTION B』を読んだ。
LEAN IN』が世界中の女性を勇気付け、FacebookのCCOとして脚光を浴びていた彼女に2015年に悲劇が訪れる。

メキシコに旅行中、不慮の自己で夫・デイブ・ゴールドバーグが亡くなってしまうのだ。残された子供2人と、これからの人生をどう歩むべきか。
「逆境」「レジリエンス(回復力)」「喜び」を主題に、「オプションB(次善の選択肢)」を探っていく。

予期せぬ不幸に見舞われた人々の言葉と経験、心理学や社会学の知見と理論、なによりもシェリル自身が日々感じた想いから「オプションB」の形と可能性が明らかにされる。

僕が上記で書いてきた「不定期に訪れる倦怠感」なぞ、この本で紹介される出来事に比べれば取るに足りないものである。それでも「幸せ」や「不幸せ」は相対的なものである。得られる教訓やフレームワークは積極的に学び、生かしていきたい。

たとえば、本の冒頭で心理学者のマーティン・セリグマンの「3つのP」というフレームワークが紹介される。これは苦難からの立ち直りを阻害する三つの要因のことだ。

自責化(「Personalization:自分が悪いのだと思うこと)、普遍化(「Pervasiveness:あるできごとが人生のすべての側面に影響すると思うこと)、永続化(Permanence:あるできごとの余波がいつまでも続くと思うこと)である。(『OPTION B』21頁より)

倦怠感から脱するにあたりキーワードとなるのは、「俯瞰と相対化」だろう。
全体最適ではなく個別最適に陥っていないか、点検する術として上記のフレームは参考になる。

全体最適を駆動させるには、「自己効力感」、「前に進んでいる感覚」と言い換えてもいいかもしれない。それを自分が体感できる方法で、日常に組み込んでいく必要がある。人によっては毎日必ず読書をすること、仕事には関係のないプロジェクトを進めること、ランニングをすること、ジムでワークアウトすること、なんでもいい。その多くは習慣に紐付いている。

習慣を見直す習慣を持つこと、自分の規範は自分で決めること、大きくても小さくても人に話してみること、まずはこの辺りから取り組んでみようと思います。

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