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言葉を編んでいく感覚

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以前まで『言葉を手にしていく感覚』というブログを書いていました。 http://ryohsblogtakk.blogspot.jp/ それを引き継ぐ形で、今後はこちらに私的な文… もっと読む
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2018年12月の記事一覧

言葉の海でクロールする

言葉の海でクロールする

言葉に触れるほど、飲み込むほど、自らの内に構築される言葉の世界は広がっていく。

さながら、大海に、また新たな水が注ぎ込まれていくように。

だからこそ、瞬時に言葉を受け取って、渡すことが求められる会話のコミュニケーションで息詰まる感覚を覚えることが時にある。

反対に、物を書く、ある意味で“時間に縛られない自分との対話”においては、海が広がるほど思考の深度が増すので豊穣さが出る。

いずれにして

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師弟関係でエンパワーされるのは、師の方だったりする

師弟関係でエンパワーされるのは、師の方だったりする

人との出会いは、傲慢さをかき消す。
教えることは、教わること。

彼がある日、「弟子入りさせてください!」とメールをし、
家に押しかけて来た日から、2年近くが経ってしまう。

「彼と一緒に居すぎなせいで、彼女ができないんじゃないか」

そんな冗談めいたことを、少なくない回数言われるくらいには、常時一緒に過ごした。

手取り足取り教えるためには、自分を捧げる必要があるはじめて顔合わせたときに、お互い

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新しい朝

新しい朝

必ずやってくる。
昨日とは違った気温と、空気を連れて。
一夜分の夢をくぐり抜けて、昨日とは確実に違う自分が起動する。

もちろん連続性のなかに、今日も生きている。
それでも徐々に薄まっていく感情、欠けていく記憶がある。

時間は傷を癒すけど、忘れることが悲しい「それが歳をとることだし、人生を歩むことだよ」と言われれば何も言い返せない。けど、「忘れる」ことがとてもとても悲しい。

いまこの瞬間にだけ

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“孤独”を飲み込む

“孤独”を飲み込む

「“孤独”とはなにか」ーー。

友人の多寡か、恋人の有無か、ひとりで寝ることか、相談相手がいることか、俗世や文明から距離を置いて暮らすことか。

孤独を規定する尺度はさまざまで、その内実や質感も、ひとそれぞれなんだろう。

それでもぼくがイメージするほんとうの孤独は、どこかあたたかで、やわらかく、究極的にはポジティブなものだ。

これまで生きてきて目に映った断片的なイメージや、泡沫のようにぷかぷか

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