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旅への欲求

旅行が好きです。

好きが高じて、旅行会社に就職しました。

退職してしまった今も、次も旅行に関わる仕事がしたいと

ぼんやり考えています。


日常を暮らす我々にとって、

旅行は元来必要のないことです。

日々の衣食住の方がずっと大事です。

だからこそ旅行業界は景気や災害に左右のされやすい

「平和産業」と呼ばれています。

みんながお金に余裕があり、安心して行先を選べるタイミング。

そういった時に人は旅行に行きます。

その為、今のようなコロナ禍では旅行業界は危機的な打撃を受けています。


しかし現代では、旅行に行くという行為はある種の根源的な欲求のもとに

生まれるものだと考えています。

学校や会社を往復するという物理的にも心理的にも変化のない日常を

送り続けることは、現代人の我々には少々退屈すぎます。

その日常から離れて、日々の生活を客観的に捉える時間を作る。

そして旅先では普段経験できないことをしたり、

美味しいご飯を食べたりして沢山の思い出と共に家路に着く。

次の日からは日常に戻っていくわけですが、

客観的に自分や日々の生活を捉えられたことで、

リフレッシュした気持ちで日常に立ち向かうことができます。

そういったことは、今や無くてはならないことです。

特にこのコロナ禍においては。


どこかに出かけるということがあまり好きでない人も、

映画を観たり、スポーツをしたり、ゲームをしたり、友人と話したり。

日常からの心理的な乖離を求めて行動します。

いわば現実逃避です。

この逃避先の選択肢が多い人ほど、逞しく、人生を豊かに

して行ける人だと思っています。

僕は心理的にも物理的にも日常から離れることがとても好きになったので、

他の趣味や楽しみよりも、旅行に魅力を感じていました。


旅はとても大きな力を持っています。

自分の悩みがちっぽけなものだと気づいたり、

泣くほど感動するようなことに出逢えたり、

学生が修学旅行マジックにかかって素敵な恋人ができたり。

何せ日常では発見できない新しいことの連続ですから。

そりゃあ告白のひとつもしちゃうってもんです。


そんな人生のスパイスを楽しむことが許されない昨今は、

中々に退屈です。

特に海外旅行に中毒的な魅力を感じている僕にとっては、

閉塞感が止まりません。

ですが、それを憂いているだけでは時間が勿体ない。

来るべき海外旅行解禁の時期のために色々と蓄えておきたいものです。

知識とかお金とか余裕とか。


コロナウイルスが晴れて全滅した日には、

世界中の友人と肩を組んで、お酒でも飲みながら

No Woman No Cryを皆で歌いたい。


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