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【家族がちょっとめんどくさいあなたに】傲慢と善良(辻村 深月)

「かがみの孤城」が映画化され、話題の辻村深月さん。
表紙が印象的な「傲慢と善良」を読んだ。

物語の中心となるテーマは婚活。
でも、未婚・既婚に関わらず、大人になってからの家族との関係になんとなーくのもやもやを抱えている人におすすめしたい。

極力ネタバレは避けていますが、気になる方はご注意ください。

主人公は30代後半の男性、架。
婚活で出会った真実との結婚式を控えていたが、ある日突然、彼女は失踪してしまう。
そういえば、真実は以前からストーカーに悩まされていた。
架は彼女を知る人たちを訪ねて、手がかりを探っていくーーという話。

家族の殻が厚いのだ、と思う。
「傲慢と善良」より

結婚には、家族の問題がつきまとう。
家族が集まれば、結婚や子どもをうっすらと急かされてみたり、家や車の購入予定を聞かれてみたり。
親としてはそりゃあ気になるのだろうけど、なんだかなあという感覚。

世代も、文化も、価値観も違う人たちと、折り合いをつけて家族になる。
そして、自分が育ってきた環境とも、また折り合いをつけて家族になる。

そんな微妙な距離感と、作中に出てくる「家族の殻」という表現がしっくりきた。

結婚や家族のあり方に悩みながらも、向き合おうとする主人公たちに勇気づけられる。
家族ってむずいなあと思っている人は、ぜひ読んでみてください。

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