失われた自信を取り戻す方法【2】
東京砂漠で失った自信を取り戻すべく、社会人留学を決意したアラサーの話。前回の話はこちら。
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留学して何がメンタルを消耗するかって、もうまず、毎日、「わからない」の繰り返し。英語で行われている授業についていけない。耳からツーっと入って来た情報が、頭の中でぐちゃっと絡まって、それを紐解いている間に授業はどんどん進んでいく。
そしてこの先への不安。これをしたい!と目標を掲げていざ留学してきたけど、それを実現するための英語力、期限内に身につけられるのか?という疑問と、あとから、そもそもこの目標本当にやりたいことなのか?という自問自答が始まって、人生の迷路はさらにややこしくなっていった。
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思うように上達しない英語、将来への不透明感。その中で一貫していたのは、良くも悪くも「まだ日本には帰れない、帰りたくない」の思いだった。
私はここで何かを成し遂げるんだ、という、ポジティブな心意気と、でかい口を叩いて会社を辞めてここまで来たんだからタダでは帰れない、という気負い。これらの同居はなかなか厄介で、意識高い系の私像が日に日に大きくなって、本来の目的だったはずの、「自分が生きていくのに正しいと思える場所を探す」ことを忘れ、袋小路から抜け出せなくなった。
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今思い返すと随分ひどい精神状態だったと思う。
自分の進みたいと思っていた道の人に人生相談をした帰り、あまりの先の見えなさに、そのまま家に帰りたくなくて夜中の街をさまよったり、加えて当時付き合っていた人との関係もうまくいっていなくて、それを改善する気力も起きず「もうどうにでもなればいいわ」と思ったり。
そんな私を救ってくれたのが友人の言葉だった。
「誰も君の人生なんて気にしてないんだよ」
そのまま捉えれば冷たく聞こえるこの言葉。でも私に必要だったのはまさにこれだった。
ー【3】続く
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