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新入社員のプチ体験は〇〇以内に!オンボーディングの恩恵が大きいのは社員か企業か?

こんにちは。
株式会社アイムインのたなかるつこです。

継続連載してきたオンボーディングに関する記事も、今回で最終回です。
最後は、3つ目のオンボーディングプロセス「成果とのつながり」についてご紹介しつつ、オンボーディング計画づくりのヒントをご紹介します!


<過去記事>
#4 オンボーディングとは、実は〇〇の期間!人材の早期定着のコツは?
#5_オンボーディングで必要な3つの「つながり」とは?
#6_オンボーディングプロセス①ー組織とのつながり
#7_オンボーディングプロセス② 新入社員に必要な4つの関係とは!?

【おさらい】オンボーディングの3つのプロセス


オンボーディングの狙いは、新入社員のモチベーション維持を助け、組織の一員として溶け込ませ、早期定着・即戦力化を図ることです。主に以下のような3つの「つながり」を同時並行で形成していくことが必要です。

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※上記のプロセスは、「Onboarding: Getting New Hires Off to a Flying Start(By Christian Harpelund)」を参考としつつ著者の見解をいれて作成しています。


「成長の実感」が大事!アウトプットのプロセス


このプロセスは、3つのプロセスの中でも最もアウトプットに主眼をおくプロセスです。組織からの課題やチャレンジに応え、自分の能力・スキルを発揮し、向上していることを「実感」してくことが狙いとなります。

新入社員のオンボーディングジャーニーの中で、特に30日を過ぎたころに、「貢献できた」というミニ成功体験をつくることが、モチベーションの維持・向上に効果的といわれています。

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もちろん、まだ入社間もないため、大きな成功体験は難しいかもしれません。しかし、ポイントは、何らかの方向性にむかって、自分が「成長している・前に進んでいる」という実感がもてるかどうか

組織としてできることとしては、新入社員の育成プランをもとに、小さな成功のマイルストーンを超えられるよう、意図的にそのプロセスを設計することといえるかもしれません。

育成プランに基づき、成果とのつながりを設計する

成果とのつながりのプロセスには一体どのような取り組みが含まれるのでしょうか?

【育成プロセスの設計する】
成果のマイルストーンは、中長期的な育成計画の中で設計されることが重要です。まずは、担当業務別の育成計画を策定したうえでマイルストーンを設計してみましょう。
◇担当業務別の育成計画の策定
◇業務に関連する資格取得のサポートやOff-JTの機会提供
【成果を認知する場を設定】
自分の成長を確認し、これでいいんだと思える実感がもてるよう「認知」する時間を意図的にとりましょう。
◇上司とのキャリアビジョンの確認、研修・コーチング
◇スキル面でのメンター制度(業務面でのスキル育成に特化したメンター)
【相互学習の機会の提供】
グループで学習しあうカルチャーをつくることも重要です。
◇担当業務のスキルアップや能力開発に関する読書会(ブッククラブ)
◇ピアラーニング・新入社員同士のグループ学習
【部署横断的なミッションの設定】
オンボーディング期間に新入社員が取り組む、自社ならではの「マイルストーンオンボーディングプロジェクト」を設計することも一案です。これまでインプットしたことが「腹落ち」させ成長を実感させるようなプロジェクトを考えてみましょう。
例えば・・
◇1・2か月目のミッション
●職務別のミニタスクを用意する。なるべく成果物として可視化・定量化できるものが良い(例:〇〇について調べてまとめる、営業リストの●●分野を更新するなど)
●「重要だが手が回っていない」全社的なタスクをプロジェクトとして依頼する
(例:オンボーディング体験についてブログを書いてもらう、〇〇の事例についてブログ記事を書く、ステークホルダーリスト整理、など)
◇3か月目の卒業ミッション
●企業のミッションや、所属チームの役割、自分に期待されている役割と、これまでの自分自身のキャリアと現職のつながり、今後ここで達成したいこと、必要なサポートなどを、パワーポイントなどにまとめ、プレゼンをする。組織と自分自身のキャリアとのつながりを再認識し、言語化することでコミットメントを強める効果もあります。

ミッションを達成した後は、チームでランチする・お祝いをプレゼントするなど、イベントのように演出し、マイルストーンを祝うムードづくりも重要です。

【ワークシート】3つのプロセスを統合させ、自社ならではのオンボーディングプランを作る


3つのプロセスを確認した後は、いよいよすべてのプロセスを統合させる最終段階です。ぜひ、次のような質問を問いかけながらプランをつくってみましょう。

1:オンボーディングビジョン
オンボーディングを通じて、新入社員が、入社1年後にはどのような状態になっていてほしいのか?(スキル面、人物面、組織全体への貢献、意欲・感情面、など)
1年後の社員の状態を「●●な状態」というような表現で、3-5つ箇条書きで書き出してみましょう。

2:現状のオンボーディング施策の棚卸し
すでに行っているオンボーディングに関連しそうな取り組みについて書き出してください。フォーマルなもの、スタッフが自主的に行っているインフォーマルなもの両方含め、今後続けたいことを中心に棚卸してみましょう。
(例:新入社員の歓迎ランチ、チームごとのブリーフィングなど)

3:オンボーディングチーム
社員の育成を担当する部署・チームは誰でしょうか?オンボーディングに関わる人の役割を書き出してください。
▶前回の記事で紹介した、4つの役割をもとに、チームや部署ごとに、誰が何の役割を担当するのか確認してみましょう。

4:オンボーディングプランの設計
3つのプロセスをもとに、以下のような表を使いながら、各時期にどのような取り組みを行っていくのか、具体的な施策を書き出してみましょう。
各施策がまとまったら、別シートなどで、各施策の担当者を決めることも忘れずに!

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5:チーム・職種別の育成計画
特に「成果とのつながり」のプロセスにおいては、初年度の育成計画を職種別・チーム別に立てることをお勧めします。部署・職種毎に汎用的な育成プランを作成しつつ、個々人のキャリアプランやスキルに基づいてカスタマイズしていくとよいでしょう。
このような育成プランがあることで、長期的な視点をもちながら、各プロセスに取り組むことができます。

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【まとめ】オンボーディングについて思うこと


オンボーディングについて記事を連載し、今私が思う結論3つ。


オンボーディングがなくても、新入社員は何とかなるものだ(Must-haveではない)

②でも、オンボーディングを「きっかけ」として、組織のカルチャーを見直したり、チームワークを高めたり、育成計画・人材ビジョンについて話し合うきっかけとなり、結果的に組織力が高まる可能性は高い

③(オンボーディングを提供したとして)結果的に新入社員が辞めてしまっても、オンボーディングを経験した新入社員はきっと企業について悪くはいわないだろう。口コミでのレピュテーションは維持され、結果的に採用ブランディング醸成につながる可能性もあるだろう。

・・・・もしかすると、オンボーディングのメリットは、新入社員と同等に(いや、それ以上に)企業側にあるかもしれないと思いました。

組織も人材から「選ばれる」立場になってきているこのご時世だからこそ、「使用期間」として認識されてきた、最初の3-6か月の期間が、今後は戦略的な「投資期間」として認知され、オンボーディングに取り組む企業が増えてくることを願っています!

▽▽法人向け:オンボーディング導入プログラム▽▽
株式会社アイムインでは、新入社員や育休後の社員など、特定のキャリアニーズを抱える社員に対し、グループ型コーチングと個別メンタリングを3か月間提供する独自のオンボーディングプランを提供しています。

ぜひ、ウェブサイトで詳細をご覧ください。


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