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【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」21【ホラー小説部門】

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 友達がいないことは、いけないことなのか。

 わたしはそうは思わない。自分だけの時間がたっぷりあることは、本当に贅沢なこと。他人に気を使わず、自分のペースで好きなことができるこの自由さは、何にも代えがたい。
 趣味に没頭したり、新しいことに挑戦したりする時間が増えることで、自分の成長を感じることができる。

 友達がいないことで、自分自身と向き合う時間が増える。他人の期待や評価に左右されず、本当に自分が何を求めているのかをじっくり考えることができる。
 自己探求のための時間は、心の健康や幸せを得るためにとても大切である。自分の内面を深く知ることで、もっと自分らしく生きることができる。

 友達がいないと、他人との関係に対するストレスやプレッシャーから解放される。友達がたくさんいると、良い友達を演じることを強いられる。友達がいないことで、自分らしく自然体でいることができる。ありのままの自分でいられるから、安寧の毎日を送ることができる。

 友達がいないということ。自分自身を見つめ直し、自分を大切にするための、貴重な時間を手に入れることができるということ。孤独な時間は、自分自身との対話の場であり、この時間をどのように使うかによって、未来をもっと豊かにすることができるかが決まる。

 友達がいないことを楽しんでいる。友達がいないから楽しめている。自分の時間を大切にし、自分自身を深く理解し、新しい趣味や興味を見つける日々が続けられる。友達がいない今だからこそ、できることがある。得られるものがある。
 友達がいないことは、決して悪いことではない。それどころか、自己発見と自己成長のための、大切な時間を与えてくれるものなのだ。

 ああ、素敵。



 友達が友達でなくなったら、殺してしまえばいい。

 友達との時間や思い出は、わたしたちの人生を豊かにしてくれるが、時には関係が変わってしまうこともある。そんなときは、その友達を心の中から消してしまおう。これは決して悲しいことではなく、新しい始まりのための、大切なステップだ。

 人は成長し、変わり続ける。その中で、友達との関係も自然と変わっていくものである。その変化を受け入れることで、自分自身の心を軽くし、新しい出会いや体験に対して心を開くことができるのである。

 友達が友達でなくなっても、その時間や思い出は消えるわけではない。ただただ、新しいステージに進むために、一旦その存在を心の中でリセットさせるだけ。心の中に新たなスペースが生まれ、新しい人間関係や体験に対してオープンになることができる。
 過去の関係に縛られず、新しい出会いや経験を受け入れることで、自分自身をより深く理解し、素敵な人生を送ることができる。
 ポジティブなエネルギーで満ち溢れている。

 友達が友達でなくなったら、それは新たな始まりのサイン。心の中を整理し、新しい未来に向かって進むチャンス。過去に囚われず、自分自身を解放し、新たな可能性に目を向けることで、人生はますます豊かで意味のあるものになる。

 大切なのは、自分自身を大切にし、心の平穏を保つこと。自分こそが大切。自分だけが大切。他人を気にしている暇など無い。友達との関係が変わっても、それを受け入れ、前に進むことで、わたしたちはより強く、より幸せになれる。

 だから、友達が友達でなくなったら、殺してしまえばいい。



 わたしはわたしが嫌い。

 わたしたち人間は、流行や周りの期待に振り回されてしまう。日本人ならなおさらではないだろうか。
 他人が持っている成功や幸せと自分を比べ、自分の失敗や不幸ばかりが目に入る。そのたびに自分自身に失望し、嫌悪感が増していく。自分がどうありたいかなんて、もはや考える余地などない。

 わたしがわたしを嫌いだと感じるとき、その原因を見つめても、解決策が見つかるわけではない。多くの場合、それは周りの期待や他人との比較から来るものであり、それらを避けることはほとんど不可能である。毎日の忙しさに流され、自分が何を感じているのかを見失い、心の中の迷いと不安がどんどん積み重なる。一日の終わりに静かな時間を作っても、振り返るのは失敗と後悔ばかり。

 周りの意見や流行に流されることなく、自分が信じるものを持ち続けることが大切だと言う人がいるが、そんなことくらいわたしだって分かっている。少しでも周りから変わっていると思われると、そのプレッシャーは耐え難いものになる。同調圧力に負け、周囲の色に溶け込んでいく。結局、自分の気持ちに正直であることは不可能なのだ。

 他人と自分を比べないことが大切だとわかっていても、比べずにはいられない。ついつい他人と自分を比べ、自分に自信をなくしてしまう。他人はどんどん成功し、幸福を手に入れているのに、自分はいつまでもその場に立ち止まっているように感じる。嫉妬と焦りが募る中、自分自身の目標に向かって進む力も、次第に霧散していってしまう。

 心の安らぎとは何なのか。ストレスやプレッシャーが溜まるばかりで、深呼吸しても、自然の中でリフレッシュしても、一時的な逃避にしかならず、根本的な解決にはならない。好きな趣味に没頭しても、心が軽くなるのは一瞬のこと。現実はいつでもすぐ側にいる。

 わたしはわたしが嫌いだという、気持ちから逃れることはできない。負の感情に飲まれ、自分を否定し続ける日々が続く。自分と向き合う時間を持つことも、自分の大切なものを守ることも、自分と他人を比べないことも、全てが無意味に思える。心の中で自分を大切にすることなど、到底できない。

 自分が本当に自分らしく生きることができる日など、決して来ない。押しつぶされ、自分らしさとは何なのかすら見失ってしまう。

 あなたはあなたが好きですか?その心は本物ですか?好きであるべきだと自らを騙していませんか?あなたは自分に嘘をついていませんか?

 わたしの心は、常に自己嫌悪と孤独感に包まれている。紛い物の自分を好きになるなんて、そんなの無理。



 誰にも会いたくない。

 日々の忙しさやストレスに押しつぶされそうになる。誰の顔も見たくない、誰とも話したくない。心の中に静かに広がる絶望。

 誰にも会いたくない。

 日常の中で、わたしたちは多くの人と関わり合いながら生きている。しかし、その関わりが時に重荷となり、自分を追い詰める。仕事のプレッシャーや家庭の問題、友人との交流。どれも大切なことなのに、それがすべて負担に感じられる。

 誰にも会いたくない。

 自分が無力で、誰にも必要とされていないと感じる。どれだけ頑張っても報われず、何をしても意味がないと感じる。自分の存在が薄れていくような、心の中にぽっかりと穴が空いたような感覚に陥ってしまう。

 誰にも会いたくない。

 一人になりたいと強く願うのは、心が限界に達している証拠。自分の声が届かず、誰の声も聞きたくない。静かに、誰にも邪魔されずに、自分だけの世界に閉じこもりたいという思いが募る。周りの世界が音を立てて崩れ落ちる中で、自分の存在が無意味に思えてしまう。

 誰にも会いたくない。

 深い絶望と孤独。人々の期待に応えられない、失望させてしまう恐怖が心を締め付ける。未来が見えなくなり、暗闇の中で迷子になる。

 誰にも会いたくない。

 絶望感は静かに心に根を張り、日常生活を覆い尽くす。誰にも会いたくないという思いは、自分自身を守るための最後の砦なのか。どこかで希望の光を見つけられる日が来ることを、信じたいとは思いながらも、その光が見えない現実に打ちひしがれている。

 誰にも会いたくない。

 未来への希望が見えず、ただただ孤独と絶望の中で、彷徨い続けるしかない。



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