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【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」9【ホラー小説部門】

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 友達の友達は友達になれるのでしょうか。

 わたしには友達がいます。その友達にも、それぞれの友達がいます。

 友達の友達と会うとき、少し緊張します。まだお互いを、よく知らないからです。でも、共通の友達がいることで、自然と話が始まります。共通の話題があるので、打ち解けることもできるでしょう。

 しかし友達の友達だからといって、必ずしも、気が合うわけではありません。性格や趣味が合わないこともありますし、初めて会った、という距離感もあります。
 「友達の友達は友達になれるのか?」という問いに対する答えは、簡単ではありません。

 友達の友達と友達になるかどうかは、その後の付き合い方によります。お互いに興味を持ち、時間をかけて知り合い、信頼関係を築ければ、友達の友達は新しい友達になれるかもしれません。
 友達の友達という立場から始まっても、共通の価値観や経験を通じて、親睦を深めることは十分に可能です。

 しかし正直に言えば、わたしは友達の友達に対して、少し嫉妬してしまいます。友達が他の人と親しくするのを見ると、なんだかモヤモヤしたものが頭に立ち込めます。
 友達が楽しそうに笑い、新しい友達と親密に話している姿を見ていると、胸の奥がチクリと痛むことがあります。わたしが知らない話題で盛り上がっていると、置いてけぼりにされたような気持ちになります。

 わたしと友達が共有してきた、特別な時間や思い出が、他の誰かと分かち合われているとき、その嫉妬心はさらに強くなります。友達と友達の友達が、わたしよりも親しくなったらどうしようという不安も頭をよぎります。そうした気持ちが心の中で渦巻いて、友達の友達と親しくなることが難しく感じるのです。

 嫉妬してしまうから、わたしには難しく感じるのです。



 友達が友達でなくなったら、その関係に、何と名前を付ければいいのでしょうか。

 人生の中で、友達との関係が変わってしまうことは少なくありません。いつも一緒に笑い合い、秘密を共有し、支え合ってきた友達が、ある日突然、遠い存在になってしまうことがあります。
 その変化は、時に予期せず突然に、時にじわじわと時間をかけて訪れます。

 友達が友達でなくなる理由はいくらでもあります。引っ越しや進学、就職などの環境の変化、価値観や趣味の違い、時には誤解やすれ違いが原因になることもあります。
 どんな理由であれ、かつての親密な関係が薄れていくのを見るのは、とても心が痛むものです。友情が冷えていく様子は、なんとも言えない孤独感があります。

 もし、友達が友達でなくなったとき、その関係に、何と名前を付けるべきでしょうか?「元友達」と呼ぶのは、少し冷たく感じます。「知り合い」と呼ぶには、かつての深い絆を無視しているように思えます。
 かつての思い出や感情を大切にするために、その関係にふさわしい新しい名前を見つけるのは、本当に難しいことです。どうしても、その名前には過去の温かさを含むことができないのです。

 わたしたちは友達との関係が変わることに対して、どこか不安を抱いています。友情が永遠に続くことを信じているからこそ、その変化に対する不安が募ります。
 関係が変わっても、その友達との思い出や経験は決して消え去ることはありません。それらはわたしたちの心に深く刻まれ、人生の一部となっていくのです。それでも、その思い出がかえって胸を締め付けることもあるのです。

 友達が友達でなくなることを受け入れるのは、決して簡単ではありません。その変化を否定することなく、受け入れることが大切だと頭では理解していても、心はその現実を拒みたがります。新しい名前を見つけることができなくても、かつてたしかにそこにあった友情を、大切にし続けることができるのです。

 友達が友達でなくなるという現実に直面することは、誰にとっても辛いことです。しかし、その関係に新しい名前を付けることができなくても、かつての友情を心の中に温かく保ち続けることができます。
 それが、わたしたちにとっての唯一の救いかもしれません。しかし、その救いが、現実の寂しさを完全に消してくれるわけではありません。心の片隅に残る寂しさや未練、それを抱えながら生きていくしかないのです。



 自分が自分であるために。

 わたしたちは、流行や周りの期待に振り回されがちです。でも、本当に大切なのは、自分がどうありたいかですよね。そうです。

 自分が自分であるために、自分と向き合う時間が大切です。毎日の忙しさの中で、自分が何を感じているのかを見失いがちだからです。一日の終わりに、静かな時間を作って、自分の気持ちを振り返るようにしています。

 自分が自分であるために、自分が大切だと思うことを、忘れないようにすることが大切です。周りの意見や流行に流されることなく、自分が信じるものを持ち続けることが大切です。たとえそれが、少し変わっていると周りから思われても、自分の気持ちに正直であり続けたい。

 自分が自分であるために、自分を他人と比べないことが大切です。ついつい他人と自分を比べてしまって、自分に自信をなくすことがありますよね。でも、他人は他人、自分は自分。自分のペースで進むことが一番大事です。他人の成功に嫉妬することもありますが、自分自身の目標に向かって進むことが、自分らしさを保つために必要になります。

 自分が自分であるために、心の安らぎを見つけることが大切です。ストレスが溜まったときやプレッシャーを感じるときは、一歩引いて深呼吸してみることです。自然の中でリフレッシュしたり、好きな趣味に没頭したりすると、心が軽くなります。

 自分が自分であるために、大切なこと。自分と向き合う時間を持ち、自分の大切なものを守り、自分と他人を比べず、自分の心を大切にすること。これらを心に留めておくことで、自分らしい人生を歩むことができます。

 正直に言えば、自分が本当に自分らしく生きることができているのか、自信が持てないことがあります。周りの期待やプレッシャーに押しつぶされそうになることもあり、本当に自分らしさとは何なのか迷うこともあります。

 あなたは本当にあなたですか?わたしもまだ、その答えを見つけられずにいます。



 会いたい人、それは誰にでもいるものです。でもわたしにとって、その思いはどこか切なく、重たいものです。ふと思い出して会いたくなる人がいても、その再会が現実には叶わないことが多いのです。彼らの存在はわたしの心の中に深く刻まれているけれど、その思い出は時に苦しさを伴います。

 会いたい人とは、昔の友人かもしれません。ともに笑い、泣き、さまざまな経験を共有した友人たち。忙しい日々の中で疎遠になってしまい、その人たちと再び会って語り合うことが難しい現実。あの時の笑顔や真剣なまなざしが、今では遠い過去のものとなり、心に残るのは寂しさだけです。

 ふと、友人の笑顔が頭に浮かびました。彼女は実在したのか、ただの幻想だったのか、わからなくなることがあります。思い出すたびに心が締め付けられるような感覚になるけれど、現実の中でその人に再び会うことは叶わないのです。思い出の中の彼女は、わたしの心の中に深く刻まれていますが、その思い出が時にわたしを苦しめます。

 会えるけど会わない人、以前は親しかったけれど、時間の経過や生活の変化で疎遠になってしまった人たち。連絡を取ろうと思えば取れるけれど、何となくそのままになっている関係。彼らとは、会おうと思えば会えるのに、なぜかその一歩が踏み出せないのです。過去の出来事や感情のわだかまりが、その距離を作ります。その背後には、再会したところで得られるものがないという、虚無感が広がっています。

 会いたくない人、過去にわたしに傷を負わせた人たちや、関係がうまくいかずに離れた人たち。彼らに再び会うことは、過去の痛みを再び思い出させるだけです。会いたくない人たちの存在は、心に重たい影を落とし、わたしを苦しめます。彼らとの再会を避けるために、わたしは多くのエネルギーを費やさなければなりません。

 時々、現実と夢の区別がつかなくなることがあります。会いたい人たちが、夢の中でわたしに話しかけてくるのです。その声が現実なのか、幻なのか、わたしにはもう分からなくなるのです。そんな時、わたしはわたしの思考に迷い込み、出口が見えない迷路にいるような気持ちになります。

 会いたい人がいることは、わたしにとって重たい支えになっています。その存在がわたしの心に希望を与える一方で、日々の生活に影を落としています。
 たとえその人が今どこにいるのか分からなくても、いつか再び会える日を夢見ることで、わたしは前を向いて生きていくことができますが、その夢が叶わない可能性が高いという現実もまた、わたしの心を暗くします。

 会えるけど会わない人たちもまた、わたしの心に特別な場所を占めています。彼らと再び会うことができたなら、どんな話をするのだろうか。過去のわだかまりを乗り越えて新たな関係を築けるのか、それともやはりそのままの距離感でいる方が良いのか。そんなことを考えるたびに、心に静かな波が立ち、その波がわたしの心を冷たく揺らします。

 会いたくない人たちの存在も忘れてはいけません。彼らに再び会うことを避けるために、わたしは多くのエネルギーを使い、彼らの存在がわたしの心に与える影響を最小限に抑えようと努力しています。しかし、その努力がわたしをさらに疲れさせます。

 会いたい人がいるということは、確かに幸せなことですが、その裏には多くの悲しみや未練が隠れています。その人がいることで、毎日が少しだけ明るくなる一方で、その明るさが儚いものであることを知っているからこそ、心に重たい影が差すのです。
 わたしが会いたいその人も、どこかでわたしを思い出してくれているといいな、と願う一方で、会えない現実や会わない選択、会いたくない人たちの存在がわたしの心を。ずっと。ずっと、ずっと。



 会いたい。



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