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元葬儀社社員が実際に体験した「理屈や科学でどうしても説明できない不思議なこと」3選

 皆さんこんにちは。ルトです。

 夏が近づいてきました。
 夏といえば、怪談話も盛り上がってくる頃ですね。

 葬儀社で働いていますと、忙しいときには毎日のように故人様とご対面したり、通夜で遅くまで式場や自宅で仕事があったりします。
 そして人の死や別れに立ち会うことから、たまに葬儀とは無縁の人から「お化けや幽霊を見たことがある?」と聞かれてしまうこともあります。

 結論から申し上げますと、この仕事に就いてから4年経ち様々なお別れに立ち会ってきましたが、お化けや幽霊を見たことなど1度もありません。
 元々、霊感があるような体験もしたことがありません。スピリチュアルな考え方も持っていませんし、神仏を拝むことくらいしかしていません。

 しかし、お化けや幽霊を見たことは無くても「理屈や科学でどうしても説明がつかない不思議な体験」をしたことはあります。

 今回は僕が実際に体験した、理屈や科学で説明がつかない不思議な体験を3つ紹介していきたいと思います。
 ちなみに再度申し上げますが、この仕事でお化けや幽霊を見たことは1度もありません。


その1 自分だけに聞こえた子供の声

 仕事で営業車を運転していて、信号待ちをしていた時のことです。

 その日は、葬具を卸している業者さんに葬具を引き取りに行くことになっていて、僕が現地に行くことになりました。
 同行してくれたのは、仲の良い50代の大先輩です。
 僕が営業車を運転し、先輩は助手席に乗っていました。
 他愛もない会話を先輩と交わしながら、20キロくらい離れた場所にある業者さんに向かっていました。(市内が広いので、車でも片道30分はかかります)

 そして、ある交差点で赤信号になり、信号待ちをしていた時でした。

「キャッ、キャッ、キャッ」

 突然、僕の耳が小さな子供の笑い声をキャッチしました。
 その時、僕は隣の車線に子供を乗せた車が来て、その車から聞こえてきたとばかり思いました。
 なので「あぁ、窓が開いていたのか」と思いながら運転席の窓を見ました。

 しかし、窓はしっかりと閉まっていました。

 驚いた僕は、すぐに助手席の窓も確認しました。
 こちらも、閉まっています。
 さらにはラジオまで確認しましたが、ラジオは電源が入っておりませんでした。

 え、今の子供の声って、何なの……!?
 もしかしたら、先輩も聞いていたのかもしれないと考えた僕は、先輩にも尋ねました。

「すいません、今さっき子供の声が聞こえませんでした?」
「えっ? いや、聞こえなかったぞ?」

 なんと、先輩には聞こえていませんでした。

 さらに、その交差点には次の2つの特徴がありました。

 ・交差点を渡ってすぐのところに、別の葬儀社の式場がある。
 ・交差点から入れる道を進んでいくと墓地があり、その先は火葬場しかない道に続いている。

 それに気づいた途端、背筋が寒くなりました。
 今でもあの子供の声が何だったのか、分かりません。


その2 供花からの水漏れ

 式場にて、先輩が担当している葬儀の手伝いをしていた時のことです。

 ちょうど祭壇に載せるための生花飾りと、遺族親族や葬家の関係する会社などから依頼があった供花を持って来た生花部門のスタッフさんと、一緒に準備を進めていました。

 祭壇に生花飾りが載せ終わり、故人様の大きな遺影が置かれます。
 その後、生花部門のスタッフさんが、供花を順番通りに並べて名義札を供花に取り付けていきました。
 僕もお寺さんが使用する仏具を出したり、生花部門のスタッフさんと共に供花を運びながら、準備をしていました。

 そんな時でした。
 突然、並び終えた供花の花かごから、水漏れが発生しました。

 水の滴る音がして、台座が濡れてしまいました。
 もちろん、生花部門のスタッフさんは大慌てです。すぐにタオルを持ってきて漏れた水を拭き、花かごの確認に入ります。
 僕もそれを目の当たりにしていましたが、本当に花かごから水が漏れてきていました。

 そのため最初は「誰だよ、穴の開いたバケツに水入れてきたのは!?」と人為的なミスを疑いました。

 生花部門のスタッフさんが急いで花かごの中に入っている供花のバケツを確認しました。
 しかし信じられないことに、バケツに穴など開いていませんでした。

 冷静に考えればその通りのはず。
 本当に穴が空いていたのなら、生花部門で供花の準備をしている時に、水が漏れて気づくはずです。(生花部門は、事務所や式場とは別の場所にありました)
 しかし、水が漏れたのは式場に車で持って来て、祭壇の横に並べてからです。

 生花部門のスタッフさんも目撃していましたが、全員がなぜ水が漏れたのか分からず、首をかしげていました。
 見間違いも考えられましたが、確かに台座は濡れていましたし、拭き取ったタオルも水でぐっしょりとなっていました。

「まさか……故人様が別れを惜しんで涙を流したのでは……?」

 僕はあり得ないと思いつつも、そう考えることしかできませんでした。
 ちなみに、供花は生花部門であらかじめ水を入れてきますので、水を足していて漏れたということはあり得ません。


その3 1人のときだけ響くラップ音

 事務所とは別のところにある式場で、1人で仕事をしていた時のことです。

 今はやっていませんが、当時は「1番新しい式場を1日開放して、そこで葬儀相談を行う」ということをやっていました。
 しかし、相談に訪れるお客さんが来ることは稀でした。
 それもそのはずで、どこにも告知を出していなかったからです。
 そりゃ、来るわけないでしょ!
 なんでもっと大規模に告知出さないの!?

 なので、その時はお客さんが来ない限り、かなり暇でした。
 個人的には、居心地の良くない事務所を離れて1人で過ごせるので、かなり嬉しい時間ではありました。
 お客さんが来るかもしれないので、待機しつつも基本的にはそれ以外のことをして過ごしていました。

 そうやって式場で1人で過ごしたり、仕事をしていますと、どこからともなくラップ音が聞こえてくることがありました。

 最初は「家鳴りみたいなものだろう」と大して気にも留めていませんでした。
 僕の父親は建築士の免許を持っていまして、父親からそういうことが起こることがあると、聞いたことがあったためです。

 しかし、何度も不規則に響いてきますと、だんだん気になってきます。
 それもなぜか、僕1人だけで式場にいる間しか聞こえてこず、先輩や上司やお客さんが来ると鳴り止むためでした。

 気にしないようにしていましたが、どうしても気になって仕方がなくなります。
 そしていよいよ無視ができなくなると、僕は自分1人しかいない時に、式場内で虚空に向かって怒鳴りました。

「おい! うるさいぞ!!」

 もちろん、半分冗談です。
 これでラップ音が治まったりするわけないだろうと、思っていました。

 ところがどっこい、本当にラップ音が聞こえなくなりました。

 あれ? 静かになった……?
 まさかこの式場、何か目に見えない何かがいるのか……!?

 少しだけ背筋が寒くなりつつも、静かになったことを確かに感じた瞬間でもありました。

 ちなみにこのラップ音、1回怒鳴っても、またしばらくすると聞こえてくるようになりました。
 そして最後には、僕が暮らしているアパートの部屋でも、夜11時を過ぎると聞こえるようになってきました。
 何か連れてきちゃったのかとも思いましたが、それもしばらくすると聞こえなくなりました。


 以上が、葬儀社社員の僕が実際に体験した「理屈や科学でどうしても説明できない不思議なこと」3選でした。

 作り話や誇張だと思う人も居るかもしれません。
 しかしこれらは作り話ではなく、全て実際に起きたことです。そして誇張も一切入れておりません。
 僕が実際に体験した出来事を、そのまま書いてあります。


 信じるか信じないかは、あなた次第です。


 それではっ!

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