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剣城かえで
2024年1月29日 21:52
私を怖がる皆々 私を追い払い勝とうとする 恐ろしいものだと泣く 或いは汚いものだと嘘を言う なのにも拘わらず万策尽きると酷いことを言う 最も煌びやかで何よりも荊(あざ)やかな私に向かって 迎えに来い どうか苦しみ無いように 涙も息もなく言うのだ あなたはうつくしい 私に最早言葉はなく 私を貶す者の終わりに 彼らの終わりに通りがかったら 私は誰かの死を迎え送った後に そ
2024年1月27日 22:07
もしも世界から奇跡が消えたら、最初に何がしたいだろうか。 肌寒い夜の下で、私は妹の顔を見ていた。 私がそう尋ねると、妹は私の肩に肩を寄せた。 妹が、奇跡の類いを信じてはいないことを、私はよく知っていた。 私は漠然と杳(とお)くにいる尊い何かを信じている。この子はそんな私に寛容なだけで、何かを信じてはいなかった。 私は奇跡なんて、信じていない。 でも、奇跡は、世界からなくならない、きっ
2024年1月17日 16:13
自分の恋から、恋が分からない女。 恋ではなくて、異性が好きな女。 まともに狂ったことがない女。 何も盗られたことがない女。 本当に卑しい男から、声を掛けられたことがない女。 他の誰かを助けるために、手を差し伸べたことがない女。 いやらしい男から声を掛けられることに悦び、自分は常に手を取ってもらうべき女だと信じてる。 月の所為にして。月の所為にして。 一番にはならない女。 だけれ
2024年1月13日 16:46
片思いが痛くて、異常を感じていた。苦しみではなく、痛みだったから。その相手が、私だけが一方的に惨めになる場面でだけ、輝いていたから。 片思い、一人恋。苦しんだ一人恋だけで学んだ愛だけで、恋の痛みを癒やしていた。痛みに生まれた想いに慰められることを、おかしいと思ったんだ。正しさが私を守っていないことに気づいたんだ。呪いで出来た恋から、誰も私を守らない恐怖を。 仕組まれていた恋だった。相手は悪魔