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復讐者のメロディ あらすじ感想など

※この記事は映画の結末に触れていますのでご了承ください

アマプラでたまたま配信されていたので視聴

原題/A Bluebird In My Heart
制作年/2018
制作国/ベルギー/フランス
内容時間(字幕版)/90分
ジャンル/ドラマ

あらすじ
無口な元受刑者の男ダニーがモーテルで、シングルマザーとその娘クララと出会う。どこかダニーへ親近感を覚えたクララは、ダニーと徐々に心を通じ合わせるようになり、平穏な日々を過ごしていた。ある日、クララが何者かに暴行されると、ダニーは自身の内なる邪悪と対峙することとなる。

まずのっけから原題である[A Bluebird In My Heart]のタイトルコールで始まるわけですが映画あるある邦題ダサすぎ問題
[復讐者のメロディ]と謳ってありながらメロディ的要素は皆無で(そもそもメロディ的要素とは何なのか)復讐者という点についても物語中盤から復讐の要素は出てきますがこの映画の本質ではないと感じました。
アマプラではサスペンス/アクションのジャンルになっていましたがヒューマン・ドラマ的な要素が強いです。

ベルギー/フランスの共作映画ということでいわゆるアメリカ映画とは画角だったり間の感じだったり異なる点が多いです。
(うまく言葉には出来ませんが)
のっけからフランス語の会話シーンがでてきたり作風はかなり独特な印象です。
登場人物のセリフも少なめで淡々と映像で魅せる演出が好みでした。

主人公であるダニーは元受刑者(というより仮釈放状態?)でとあるモーテルへ生活の居住を移すところから物語は始まります。

いかにも何かやらかしてました感が漂いまくりの男ですが寡黙で他人とは距離を置くタイプの男です。(後に中華屋の店長にも言い当てられる)
元受刑者に服役していた理由を聞くのはご法度のようで結局最後までダニーが何の罪で収監されていたのかは謎のままでした。
後の復讐パートを見るに突発的に人を殺してしまったとみるのが妥当と感じました。
因みにダニーが作中でモーテルの部屋の鍵をくるくる回すシーンが何度か挿入されますがただの癖なのか作中何かを象徴したものなのかは分からず。
モーテルの修繕をこなしたり中華料理屋での皿洗いバイトもせっせとこなす職人おじさん。

ダニーの住むモーテル管理人のシングルマザー(名前は?)とクララと出会います。

最初から立てるクララさんです
オープニングでかなり長い尺を使ってクララのシーンを映しているようにどちらかといえばダニーというよりクララの物語でもあります。
好奇心旺盛で一人の時は平気でタバコを吸ったりハーブ吸ったりダニーのビールを隠れて飲んだりもはやただの悪ガキです。
とはいえクララの父親も刑務所へ収監されており父親のいない寂しさからこのような行動につながっているのかと感じ取れます。
(素行が悪いわけではないので不良少女ではない)
ダニーに対しても興味津々で初日から朝食時に話しかけたりランチをねだったり明らかに父親要素を求めている。
とはいえ実の父親を英雄視しており刑務所から戻ってくることを心待ちにしている。

普通の家族の食事風景
面倒くさがりながらも何やかんや付き合うダニーおじさん

そして管理人のクララ母ことシングルマザーさん(名前は???)

wikiで調べても名前がでてこない上に映画を見返しても名前を呼ぶシーンが無いため(見つけられてないだけかもしれないけど)シングルマザーさん(正式名称)です。

ダニーに対して当初多少なりとも警戒しておりクララとダニーが二人で食事に行ったことに対して咎めるシーンもありましたが家の修繕をダニーに依頼したり夕食後にワイン振る舞ってたりクララの父親について話していたり何やかんや打ち解けている。


中盤にてふとしたことからクララは父親が戻らないことを母親から聞かされ自暴自棄に。
どうしようもなくなりモーテルを飛び出しつつもダニーに助けを求めたのか外の窓越しに部屋をノックしますがダニーは夜もせっせとモーテルの修繕作業中で気づきません。(完全に職人)

そこへタイミングよくクララの元へ怪しい男が車で参上しヤクを勧めてくのにのるわけですが(冒頭でもクララへハーブか何かを勧めている)
案の定騙されクララはレイプされます。
クララが逃げ出したところへ颯爽とダニーおじさん登場ですが怪しい男は拳銃所持していたためやむなく逃がすことに。

その後中華料理屋でいつもの様に働いていたダニーですがたまたま客として来ているレイプ犯を発見(偶然が出来すぎている)
犯人はダニーに気づいていない。

ダニーは葛藤しますが結局仕事を途中放棄しレイプ犯が退店後に車へ乗り込むのを見計らって襲いかかります。
不意打ちのため一方的に打ちのめされるレイプ犯。
殴り×8回、蹴り×17回をかまし明らかにオーバーキル。
この過剰すぎる暴力的な面がアマプラあらすじにもあったダニーの邪悪な場面なのかもしれませんが結局クララのために行っている上にレイプ犯の死に様は詳しく映らなかったので(原型が無くなっているくらいボロボロなのかもしれないけれど)邪悪とは違うかなと。あくまでダニーおじさんはプッツンしたら怖いよっていうことです。
過剰な暴力でいけばヒストリーオブバイオレンスのほうがひどい

ジーザスジョーイ

ダニーおじさん【ヤッチマッタナー!】な心境でレイプ犯を車ごと焼却し証拠隠滅を図りますが(ホームレスからちゃっかり見られている、そして車を燃やす直前にダニーはヤクを見つけるがなにも見なかったことにしている。そしてちゃっかりレイプ犯の拳銃をくすねる。)、警察が嗅ぎつけモーテルにも事情聴取に。ダニーの犯行のことは警察にバレませんでしたが母親が問い詰めるとダニーは観念(というより率先して)真実を話します。

クララに口止めされていたとはいえ実の母親に娘がレイプされたことを隠すなんて非常識であり犯人は殺すのではなく警察に突き出すべきだったということで母親急にヒステリックになり(ダニーの服を撒き散らすシーンは少し笑った)ダニーを追い出そうとしますがダニーは何とかなだめます。(母親が異常に暴れるので逆にダニーが母親を暴行しているようにも映る)

何やかんやクララも立ち直りますが(ドレッド気味ヘアーになっているが)レイプ後不安になっているのかすっかり信頼しきっているダニーにエイズ検査の同伴を頼むシーンがありますがここでもエイズ結果が出るまでの間クララの表情をアップにした長いカットシーンがあり常にクララの心境にスポットを当てているのが印象的です。(結果は陰性でクララも安堵の表情)

その後ダニーの生活も落ち着き(ちゃっかり中華屋の店長とデキている)
平和な日常が訪れると思いきやそんなことはなくダニーのバイト先に急に現れる怪しい男2人追加。(レイプ犯焼却現場を見ていたホームレスに告げ口されている)
ダニーが殺したレイプ犯の所持していたヤクは男達の取引用だったようで燃やしてしまった分のヤクの代金を払えとダニーを問い詰めますがダニーがしらばっくれると男が先手必勝でパンチをお見舞いしてきます。
しかし案の定ダニーがオーバーキル気味で(今回はキルしてませんが)男達を返り討ちに。

また男達は襲ってくるであろうことを予期したのか拳銃を装備し何かを決意したようなダニーおじさん。

とある夜クララとダニーおじさんは二人会話をします。
お互い親子のような信頼感をもっていることは自覚しているようですがダニーは[思い通りにならない相手もいる。だが愛情は変わらない]と一言
(ダニー自身かクララの父親のことか)
するとタイミングよく謎の襲撃犯がモーテルを銃撃してきます。
何故か三流強盗のようなマスクをしていますがどうやらバイト先を襲ってきた男達のようです。(バレバレですが)
クララとダニー二人避難しますが何やかんややはりダニーが男達を返りうちにします。(今度はちゃんと殺します。)
特に一人は目潰し、部位噛みちぎりとオーバーキルもいいとこ。

お前ら人間じゃねえ!!

ついでにオーバーキルのライブ映像をどうぞ
https://youtu.be/EDB0dUWZUK8


三人も殺してしまった以上ダニーは警察が来る前に逃亡を図りますがクララ号泣。
しかし[泣くな もう子供じゃないだろ]
とまるで父親のようなセリフを言い残しモーテルを去ります。

パトカーのサイレン音も近づきダニーおじさん絶対絶命でしたが
間一髪なんと母親が車で駆けつけてくれました。

人知れず遠い平原へダニーを送り届け(寒いのでコートを渡すという手厚い扱い)
ダニーおじさんは一人旅立ちます。

クララさん父親を憎んでいるといいながら最後は結局感動の再会してたりダニーおじさんとの思い出描写が特にないので結局ダニーが損しただけにも見えなくはないですけどクララが成長したということで結局クララ成長物語の映画でしたということです。

残虐描写はあれどそれを映像で映しているシーンはほぼないのでサスペンスというよりほっこりドラマ系映画でした。
セリフではなく画で魅せるという場面が多く派手ではないですが劇中音楽も最小限でわちゃわちゃしてなく装飾しすぎないところに何となくフランス的オシャレを感じました。(語彙力の無さ)

サクッと観れるタイプの映画ですのでおすすめです。

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