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必読書リストを作って潰すこと:「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」

仕事とはアウトプットであり、アウトプットを良くするためには、インプットとして勉強が必要と、近藤康太郎さんの「Work is Life 宇宙一チャラい仕事論」という本に書いてあった。

「現代社会に生きる、ほとんどすべての職業人にとってのインプット、つまり〈勉強〉とは読むことだ。なかんずく、本を読むことになる。」p76

「わたしは、もうしつこく、あちこちで言ったり書いたりしているんですけれど、リストです。リストこそが、〈勉強〉としての読書に必須の道具です。」p84

つまり、良い仕事のためには隙間で勉強が必須で、勉強とは本を読むこと、必読書リストを作り、それを潰すこと。

それによって「違う世界を知る。自分とは違う、世界のとらえ方を学ぶ。つまり、ベクトルを変えるんです。」p86、と。


「世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」

今回読んだ永井孝尚さんの「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」は、タイトル通り、ビジネス関係の良書50冊を紹介し、それぞれの概要や主張のポイントをまとめた本だ。

この本を読んで、紹介された50冊の内容を理解するのは不可能だし、エッセンスすらわかるのはほぼ無理ではと思う。こんな本があって、だいたいこんな雰囲気なんだなって分かるだけだ。


ただ何かを勉強しようと思った時に、必読書リストというのは重要だ。その業界にある程度詳しくて信頼できそうな人が作ったリストはとくに。


例えば、新本格ミステリを読んで、新本格ミステリを好きな人と深く語り合いたいたいと思った時に、綾辻行人や京極夏彦や島田荘司や有栖川有栖なんかは、好きか嫌いとか、どの程度読んでるかは置いといて、とりあえず共通言語として知ってることは必須だろう。そんなかんじ。


何かについて学びたい、志を同じくする者たちが共有してる言葉や知識や有名人を知りたい、そのためにはどんな本を読んだらいいのかのとっかかりを知りたいと思った時に、この本はうってつけだろう。

本の概要

全6章に分かれている。
第1章「戦略」、第2章「顧客」と「イノベーション」、第3章「起業」と「新規事業」、第4章「マーケティング」、第5章「リーダーシップ」と「組織」、第6章「人」だ。各章に5-10冊ほどの本が挙げられている。


この本で紹介されてる本、私は全て未読だった。第6章「人」の内容は、知識としてはどこかで聞いたことがあって、ある程度は知ってるし、ある程度は説明もできそうだなという感じだった。

また、第3章で紹介されている、ピーター・ティールの「ZERO to ONE」は、買っていつか読もうと積読になってる本だった。読もう。

MBA(そこまでかは分からないけど、とりあえずビジネス系のことを勉強してる人々)はきっとこのくらいのワードや概念や事例は全部ある程度知っていて、ある程度は説明できるんだろう。


ある属性の人々の共有された基礎知識を得るためのとっかかりが分かる本、という感じだった。

逆を言えば、必読書を把握するための本でしかないので、そこから1冊でも読まないとあまり意味はなさそうだ。

セイコーマートは富士フィルムの事例や松下幸之助の話、ブルーオーシャンやパイを大きく、やらないことを決めるなど、どこかで聞いたことがある有名な話が紹介されているので、そうかこの話を詳しく知りたい時は、この本を読めばいいのね、ということ分かる。知りたいことについての本から読んだらよさそう。

これ以外の読み方としては、例えばセイコーマートの事例は複数の本で扱われていることが分かるので、同じ事例について複数視点で読みたい時はどの本とどの本を読めばいい、ということも分かる。


耕す。

近藤康太郎さんの「Work is Life 宇宙一チャラい仕事論」では、こう書いている。

「耕す。もっと深く、もっと広く。自分をカルティベート(耕作)する。自分という畑を、みのり豊かな土壌にしていく。だからこその、リストです。リストを探してきて、未読を既読に変えていく。蛍光ペンで消して、つぶしていく。制覇する。」p90


アウトプットのためには、自分を耕すことが必要で、自分のための必読書リストを用意し、読まなければならない。

MBAのことは私には未知だけど、勉強のとっかかりのリストの一つとして、「世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」は親切なんだろうと思った。概要もわかりやすいし。

この本を出発点として、あとは1冊ずつ読んでいけばいいだけだ。

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