見出し画像

ワークライフバランスとは③

<過去のストーリーはこちら>
ワークライフバランスとは①
ワークライフバランスとは②

今日は平日。いつも通り朝6時前に起床し。朝の支度をする。日課になっている白湯を飲み、メイクをきちっとする。ただいつもと違うのは。

9時時点での所在地が自宅で、2人の子どもと一緒にいることだ。

流行病のおかげで2人が通っている保育園は休園になった。当初2日後までとされていた休園期間は、少しずつ延びるだろう。先週もそうやって延長された。こんな時、子どもを見るのはいつだって母である私の役目だ。嫌なわけじゃないし納得して引き受けている。夫と比較した時の年収額は全く違うから、私が休んだ方がコスパがいい。

納得できていないのは、自分の働き方なのだ。

働いている会社では基本的に在宅勤務は認められていない。子どものそばを離れられないとなると、必然的に休暇を取得することになる。有休はこの1ヶ月で10日は使ったのではないか。

その間の業務は基本的に別担当者が割り当てられた。しかしながら、全てを振り分けられた訳ではない。どうしても自分の対応が必要な案件に関しては、自宅から行うことになった。繰り返すが、有休を取得している。

急遽対応依頼が入る。

電話でのやり取りののち、Webミーティングに切り替わる。

いつ声がかかるかわからないから(そのほとんどが「今繋いでいいか」の一言から始まる)、休みとはいえ対応できるようにノーメイクではいられない。

子どもたちは、新しく引っ越したマンションの遊び場で遊ばせつつ、目の届く場所にPCをセッティングしミーティングに参加する。おもちゃの少ない家の中では飽きてしまい、神妙な面持ちで参加するミーティングに子供たちがひょっこり参戦してしまう。場所を変えるだけで労力は半減した。

本意ではない有休取得とはいえ、長期にわたる休みに申し訳なさがある。在宅でできるのであれば対応したいと社長や人事部にも声を発した。でも受け入れられなかった。社長と人事部責任者の普段の会話を思い出す。

「在宅勤務なんて、ぜったいサボるでしょ」

基本的に会社で在宅勤務が認められていないのは、上層部のこうした本音があるからだ。私は楽してサボるために在宅勤務をしたいと思われているのだろうか。そう思うと、これ以上在宅勤務をしたいと交渉する気持ちもどんどん萎えていった

「休みだから」と断ればいいものを、仕事への責任感から快く引き受けている…ように振る舞う。心の中では「休みなのになんで私が」という暗く重たい本音が沸々と湧いている。行動と思いが全く反対の方向を向いている。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?