見出し画像

自己効力感のある子を育てたい④〜小学校教員としてできること〜

1.はじめに

前回からだいぶと時間が経ってしまい、すみません!
前回までは、自己効力感を育む方法とその理由を解説しました。(マガジンとしてもまとめてあるので、ぜひ見てくださいね!)

今回からは、自己効力感を育む具体的な実践を紹介していきます!

2.宿題で育む! vsやる気のない子

①宿題をやりたくない原因は?

「宿題出しましょう。」
「やだー。めんどい!やりたくない!」
あーーーあるある!うちにもいます、こんな子!
…と思った方も多いのではないでしょうか。

きっと一度は誰もが経験する道なのではないかと思います。(学校だけでなく、家庭でも同じような現象が見られるとか…笑)

子どもが宿題をやりたくない理由は複数考えられますよね。
例えば…
・問題が簡単すぎて楽しくない。
・難しくて解けない。
・宿題をしても自分にメリットがない。
・そんなことよりゲームしたい。

他にも宿題をやりたくない原因は様々ですが、多かれ少なかれ、宿題をすることによって得られるメリットを知らないことが大きく関わってくると私は思っています。

②メリットを知る重要性

だって大人でもそうじゃないですか?笑

「あの書類作っといて。」「電話はいち早くとって。」
(…おいおい、私だって忙しいんだ!やりたいことあるんだ!それやって何のメリットが私にあるんだーーーーー!!!!)と心の中で叫びながら笑顔を張り付けて「わかりました!」と言うではありませんか!笑

歳とって偉そうにしていても、中身はそんなに変わりませんね。

でも私は!と言いたい人がいますね。分かります。
「私は宿題の重要性を話しています。勉強頑張ればいい大学にいけるのよ、とか、テストでいい点とれるのよ、とか。」

なるほど。では再び大人verで考えてみましょう。
「電話はいち早くとって。電話取ることがあなたの将来のためになるのよ。」
(…うるさーーーい!んなこと分かってるけど、他の人でもいいやん!なぜ!?なぜ私だけに言ってくる?自分がやりたくないだけじゃないの!?)

そうなんです。メリットって、本人が本当にいいことがある!と思わなければメリットにならないのです。

じゃあどうすれば…?と思った方。とっても簡単な方法があるんです。

③「ありがとう!」「すごい!」「さすが!」の効果

「電話はいち早くとって。」
「(しぶしぶ)わかりました。」→電話対応
「早くて助かったよ。ありがとう!」「さすが○○さん!」
こう言われて嫌な人はなかなかいないはずです。

宿題も同様です。
子どもができたことを大いに褒めればよいのです。

実態は様々。宿題の丁寧さを褒めるもよし。継続をほめるもよし。

そして、やる気のない子に一番効果的だった実践がこちらです。↓

④低いハードルをクリアすることでできるを実感!

ある学校では、週に1度小テストを行い、そこに向けて宿題で勉強を行うことにしていました。Aくんはいつも10問の漢字テストで正解できるのは1・2問。もちろん宿題はほとんど出しません。

そこで、担任は「漢字ドリルを見ていいから一度書き写しておいで」と伝えます。しぶしぶ書き写したAくんは担任に見せに来ます。そこで担任は紙を折り返し、「覚えてて見ずに書けるものある?」と聞きます。Aくんは「これなら書ける。」と1問書きます。「わあすごい!もう覚えちゃったんだね!」と担任が褒めると、Aくんは「これも書けるし、多分これも。」と次々に漢字を書き始めたのです。

当たり前ですが、最初から全部は書けません。最初より書けるようになればいいのです。そこを担任は大いに褒めたのです。

この経験がきっとAくんが「自分にもできるかも。」と思った瞬間だったのでしょう。Aくんは次回の小テストでは「おれ今日自信ある!」と言い、点数を上げ、その後は徐々に満点を連発するようになったのです。

宿題も出すようになりました。
きっと、
・自分ができるようになるためであり、
・その過程の努力を認めてもらえるものであるから
でしょう。
今までほとんど出していなかったAくんですから、「やりたくない」に負けてしまう日もありました。

しかし、「昨日の自分よりもできた!」という経験が、宿題に対するやる気をアップさせたのです。昨日の自分よりちょっとだけできたという経験が、確実に自己効力感を上げるものなのだと実感した瞬間でした。

3.おわりに

今回は宿題を例に挙げました。

宿題をすることがゴールではありませんが、宿題を通して生きる上で必要な自己効力感を育むことが可能であると考えられる実践だったのではないでしょうか。

ぜひ参考にしてみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?