漢字を正しく覚えられてる? ~「まちがえ草」のススメ~
1.はじめに
「うちの子、何度書いても漢字を覚えられなくて困っているんです。 」
「漢字小テスト、いつも惜しいところで間違えて満点とれない~!!」
こんな言葉よく聞きませんか?
小学校の定番宿題、漢字ドリル、漢字ノート。
宿題として日々取り組んでいるのにも関わらず、
どうして彼らは漢字を正しく覚えきることができないのでしょうか。
そしてどうすれば細かなところまで確実に覚えることができるのでしょうか。
今日はそんな漢字ノートを有効に使う方法について、一つ提案したいと思います!
2.そもそも何のために漢字ノートの宿題があるのか
漢字ノートの宿題って、ずーっとありませんか?
私もかつては1日にページを1年間続けたものです。(疑いもせずよくやってたなと今になって思います笑)
そんな私はようやく大人になって、
漢字を覚えるだけなら、漢字ノートに字を書くトレーニングじゃなくてもよくない?
と思ったわけです。
ではなぜ字を書き続ける漢字ノートの宿題があるんだろう?と私なりに考えてみました。
①漢字を手で覚えるため
もちろんまずはこれですね。
練習あるのみで、ひたすら同じ字を書き続けることで、手が形を覚えてくれるというものです。
小学生のころの私はこれに頼り切りだったなと感じます。
ひたすら書くことで字形を覚え、”頭より先に身体(手)が動く”という状態なわけですね。笑
ところが…!!!
漢字ノートをチェックしていると、字を間違えていることに気づかず、間違った字のままたくさん練習している子が多くいたのです!
これでは、正しい漢字を覚えるどころか、間違った漢字を身体にインプットしていることになってしまいます。当然、テストで正しい漢字を書くことなどできるはずもありません。
②自分の間違えそうなポイントを書いて苦手をつぶすため
漢字を覚えられないと嘆く子の大半は、なんとなく似ているけれど細部が違うというミスをしているのではないでしょうか。
さらに、その間違った漢字をたくさん練習するので、何度も同じ間違えを繰り返します。
逆に、正しく書ける漢字は、他の場所で出てきても大抵正しく書くことができるのではないでしょうか。
そう思うと、正しく書ける漢字を何度も練習するより、間違えそうな漢字を見つけてそこだけ徹底して書くほうが効率がよいということが分かります。
自由に使える漢字ノートで、この方法を使わない手はありませんね。
漢字ノートは自分の間違えそうなポイントを書いて苦手をつぶすために使えるというわけです。
では、どのようにして間違えそうな漢字を見つけ、練習すればよいのでしょうか。間違えそう…まちがえそう…
3.「まちがえ草」のススメ
勘のいい方はお気づきでしたね?笑
これは、”まちがえそう”と読みます。
まちがえ草は、自分の間違えそうな部分を先に見つけ、これは間違いでこれは正しいと書いておく方法です。
①まちがえ草の種まき
最初はこんな感じでした。
後ろの黒板に「まちがえ草」を描き、
1の位置に、間違えた漢字と正しい漢字を書き、どの部分が違うか書き入れた紙を貼るだけです。
すると子どもたちは知らない"芽"に興味津々。
「なにこれ!!俺もやりたい!!」
「2〜4の位置に作って貼っていいよ。」と言うと、いそいそと作りはじめました。
②まちがえ草の繁殖方法
まちがえ草の書き方がクラスに浸透し、「私も書きたかった!」という言葉が出てきたところで、
「これ漢字ノートに書いていいよ。漢字ノートは自分が間違えそうな漢字を、自分が覚えやすい方法で書けばいいものだよ。1マス1文字にこだわる必要もないよ。」
と伝えました。
ある日の子どものノートを再現したものがこちらです。
(再現のため、見やすいようにペン書きしています。)
Aくんのノートは、上半分は漢字を練習し、下半分に「まちがえ草」を作っています。漢字が苦手なAくん、実はこの方法を始めてから、これまで半分程度しか取れなかった小テストで8~9割は当たり前、時には満点を取る日もでてきました。
範囲が決まった小テストとはいえ、ものすごい成長です。
Bさんは、左上の日付の横に小さく「まちがえ草」を書いています。小さく1つ書くという方法ですが、Bさんはコツコツと毎日続け、着実に力をつけています。
Cさんは、小テストは8~9割の日が多く、惜しくも満点が取れない日が続いていました。普段の練習の最後に、間違えそうな漢字を大きく書くことを続け、今では小テスト満点の常連。夏休み前後に行った範囲の広い漢字テストでも満点を取ることまでできたのです!
③「まちがえ草」応用編
このようなノートを掲示していると、
漢字ノートってこんなに自由でいいんだ!と気づき、自分なりに工夫する子が出てきます。
・目標や振り返りを書く子。
・覚えやすいように字の作りや意味を調べて書く子。
・「まちがえ草」の上に「花んぺき(完璧)」の花を咲かせる子。
など様々です。
「花んぺき」の花を咲かせてきたときには、子どもたちの発想って面白い!と感心してしまいました。
漢字ノートは漢字を覚えるためだけでなく、自分で自分が成長するための方法を考えて取り組む学習ができる自己選択・自己決定ができるノートになったのです。この力は、社会に出て役立つ力ですよね。
4.おわりに
どうでしたか?
この記事を書こうと思った理由の一つは、尊敬する先輩に「まちがえ草」を紹介したところ、算数の授業で取り入れてくださり、大好評だったよと連絡が来たからなんです。
「まちがえ草」は応用が効くんですね。
ちなみに、「まちがえ草」を始めてから、間違えそうな部分を子ども自身がチェックしてくるので、漢字ノートのチェックが格段に楽になりました。笑
夏休み明け、ぜひ取り入れてみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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