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砧公園をお散歩しつつ丸ごと1日アート巡り。世田谷美術館

小田急線の千歳船橋駅から、あるいは世田谷線の田園調布駅から東急バス。用賀駅からは20分くらいお散歩しながら行ける。
見えてくるのは緑豊かな東京都立砧公園。
世田谷美術館は、ここにある。

木々の生い茂る道を進んだ先に美術館がある。

1万7千点のコレクションを誇るこの館は、開館以来長く、世田谷にゆかりのある作家を紹介しているところにもこだわりが感じられる。
また、著名作家に限らず、正式な美術教育を受けていない人びとが手がけた「フォーク・アート」「アール・ブリュット」「アウトサイダー・アート」といったジャンルも国内では先駆的に収集したらしい。

老若男女さまざまな人が訪れる広々とした公園、すがすがしい草木の緑。そんな開放感とおおらかさは、そんな美術館の歴史とマッチする気がした。

美術館の入り口が見えてくる。

エントランスは天井が高い大きな空間で、細い通路を進むと展示室の入り口がある。
窓越しには公園の木々を吹き抜ける、緑の風を感じるようだった。
佇まいはしゃんとしつつ、区民の憩いの場としての温かみが感じられる。


こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界

展示室

1階展示室では幅広いジャンルを扱う企画展、2階展示室では収蔵品展を開いている。

夏休みシーズンは公園へ遊びに来るファミリー層が多くなる。
そんな中、子どもたちに人気の「こぐまちゃん」は、夏の展覧会のテーマにはぴったり。
小さなお子様を連れたご家族も楽しめるように、期間限定のベビールーム設置やぬり絵のプレゼントなど、さまざまな工夫が凝らされているのも嬉しいはず。

かわいらしいこぐまちゃんのフォトスポット

1つの絵本ができるまでの工程やこだわり、おもしろさがわかる展覧会。
大人でも童心に帰って楽しめる良い企画だった。


ミュージアムショップ

ショップには世田谷美術館のオリジナルグッズから展覧会にちなんだアイテムまで、さまざまな商品が並ぶ。

所蔵品にアンリ・ルソーの作品があることから、「ルソーキャンディ」「動く!ルソー人形」のような個性的な商品もある。
他とは一味違うミュージアムグッズを手に入れたい人におすすめしたい。

カフェ・レストラン

セタビが誇るお洒落なレストラン「ル・ジャルダン」は、広い窓から砧公園の景色を眺めながらランチやスイーツを味わえるフレンチレストラン。

コース料理やアフタヌーンティーで彩る優雅なひととき。
緑溢れる公園でのんびりお茶したい日には格別だ。

好きなケーキをコーヒーまたは紅茶とセットにできる

もっと気軽にお茶したいなら「SeTaBi Café(セタビ カフェ)」がおすすめ。
飲み物やケーキを手軽に味わえるから、もっとカジュアルにカフェタイムを楽しみたい人はこちらのほうがいいかもしれない。
お天気が良ければ外のテラスも気持ちがいい。

セタビカフェのテラス席
ソフトクリームも販売している。

年間パスポート

よく遊びに来る人は「世田谷美術館 友の会」に入ってみよう。
世田谷美術館だけでなく、下記で紹介する分館の展覧会も1年間無料になる。友の会の主催イベントや会報誌、ショップやカフェのの割引サービスもあってかなり充実している。

詳しい情報は友の会ホームページを見てみよう。

他には約2,000冊の蔵書があるアートライブラリーや、世田谷区民が使える区民ギャラリーもあり、見どころの豊富な施設だ。

3つの分館

世田谷美術館には、近隣に3つの分館がある。

宮本三郎記念美術館

宮本三郎は、20世紀に活躍した日本の洋画家。
西洋美術を参照しながらも、日本人としてのアイデンティティを意識した作品が印象に残る。

清川泰次記念ギャラリー

20世紀に活躍し2000年に没した清川泰次は、独自の抽象表現を追求した日本の画家。
清川のアトリエ兼自宅を改装したアートスペースには区民ギャラリーが併設され、世田谷区民の創作活動を発表する場にもなっているのだとか。

向井潤吉アトリエ館

戦後40年にわたって、伝統的な草屋根の民家を描き続けた向井。
失われていく風景を目に留めて、彼は何を思ったのだろう。

アトリエ館は古民家のような佇まいで、画家の暮らしの息遣いが伝わってくるような心持ちになる。
四季の移ろいとともに表情を変える庭や、ミュージアムグッズも見どころだ。

おわりに

まばゆい緑と心地よい日差しに思いを馳せて、思い立った日には公園に散歩しに行こう。
そぞろ歩きがてら、アートにも触れれば心はいっそう豊かになるはず。

世田谷美術館は、そんな深呼吸の時間をくれるミュージアムです。

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世田谷美術館
〒157-0075 東京都世田谷区砧公園1−2
TEL:03-3415-6011
公式ホームページ


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