私の秋のお話など
私の秋のお話など
誰が聞きたいとお思いでしょう。
それでも
ほんの少しだけ話しておきたいのです。
強き女性がおりました。
私は彼女を傷つけたいと、そう思いました。
どうしてそう思ったか。
いまでもはっきりとはわかりません。
きっと大切だったのでしょう。
それでいて
普通への憧れだったのかも知れません。
小学二年で首吊りの遊びを
していたような男ですから
私の考えることは今ひとつ
よくわかりません。
あの夜、私はとある言葉を待ちました。
しかし彼女は静かに涙を流しました。
それは初めて見る涙でした。
彼女は泣きながら笑うと
私を捨ててと言いました。
その顔と秋の香りがあまりに美しくて。
私には呪うことしかできなかったのです。
これもまた
私にとっての或る白夜の記憶でございます。
/ルリニコクみみみ
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