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ひみつの花畑
みなさま、こんばんは。
先日、クリームソーダでノスタルジーに浸ったせいか
急に、思い出したことがありました。
子どもの頃、親戚の家へ遊びに行った時のことです。
私は当然ながら、大人の話に入っていけず、つまらないので、
一人でふらりと、近所を探検に出かけたことがありました。
親戚の家は、坂の途中にありました。
「この先には何があるんだろう?」
「坂の一番上は、どうなっているんだろう?」
好奇心旺盛な私は、ワクワクしながら坂道を歩いて行きました。
坂の上には、小さな小屋のようなものがありました。
その小屋の前を通り、左にある小さな道をさらに歩いて行くと、
それは、それは、とてもきれいな花畑がありました。
花畑は、果てしなく広がっていました。
花畑のわきには、小さな川のように、水がちょろちょろと流れていました。
色とりどりの花々。
時折、可愛い鳥のさえずりも、聞こえてきました。
別世界へ来た私は、お姫様になったような気分になって、
きれいな花畑の間を、優雅にゆっくり歩いたり、
川の水に手をつけて、パシャパシャと動かし、
キラキラ輝く水しぶきを見るのが嬉しくて、
自由にのびのびと、過ごしました。
私は、とっておきのお気に入りの場所を見つけて、ご機嫌で帰宅しました。
それから、その親戚の家に遊びに行った時は、何度か、
一人であの花畑へ行って、過ごしていました。
ある日、親戚の近所の子どもたちと一緒に、遊ぶことになりました。
近所の子どもたちは、「坂の上へ行って遊ぼう!」と言いました。
「きっと、あの花畑へ行くんだろうな。」と、
ワクワクしながら着いて行きました。
いつものように、坂道を歩き、目印の坂の上の小さな小屋の前を通って…。
「えっ?」
「道が、ない…。」
左にある小さな道のその先が、ありません。
「あれ??」
そこには、花畑も、小さな川のようなものも、ありませんでした。
なんと、行き止まりだったのです。
小屋の辺りには、原っぱのような、畑のようなものがあり、
後は、家が数軒建っていました。
お気に入りの美しい場所が、跡形もなく消えていたのです…。
私は近所の子どもたちに、中には、坂の上の家に住んでいる子どももいましたので、この辺りに花畑はないかと尋ねてみましたが、
「そんなのないよ。」という、みんなのつれない返事でした。
私はとても不思議に思いました…。 信じられませんでした…。
そして、とてもがっかりしました。
その後もまた何度か、親戚の近所の子どもたちと一緒に、坂の上で遊びましたが、あの花畑はどこにも見つかりませんでした。
それからは、親戚の家に遊びに行っても、坂の上にはもう行かなくなりました。
私は、花畑のことは誰にも言わず、心の中にそっとしまっておきました。
そしていつしか…。私の記憶からも、消えて行きました…。
あの花畑は、私だけしか行けない、ひみつの花畑だったのかもしれません。
それはきっと、当時病弱だった私に、神さまか仏さまが、
心身ともに健康になれるような、やすらぎの場を
与えてくださったのかもしれません…。
過去を振り返ることは、ネガティブなことのように言われることが多いですが、必ずしもそうではありませんね。
今回、幼い頃を思い出し、これまでの自分を振り返ってみると、
何か聖なる力に癒され、生かされてきたことに、改めて気づきました。
私が花に心惹かれる理由も、わかったように思いました💗
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
💗感謝💗 天海瑠璃
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