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「妻、小学生になる。」毎田暖乃の圧巻の演技にゾンビが似合う堤真一がどうファイトするのか?

子役だから扱いは小さくなっているが、これ毎田暖乃主役でしょ。そして、その難役を見事にこなしている。というか、このドラマの空気を司っている感じはもはや奇跡的。作り手も、ここまでのものが作れると思わなかったのではないだろうか?日本に女優がいないとかなんとか言うバカ老人は多いが、そんなもの知ったことではない。彼女は天才というか、まさしく女優さんですよ!!!小学生の演技でこんなの見たことないよね。

確かに朝ドラ「おちょやん」での二役をこなす姿も圧巻でしたが、この娘はなんでこんなに大人の演技ができてしまうの?石田ゆり子と顔形は違っても、ちゃんと生き代わりに見えてくるものね。彼女が存在するだけでこのドラマはすごい評価になるのでしょうな。面白い!

原作は村田椰融原作のコミック。脚本、大島里美。コミックだからこそ、書ける世界でもある。それを実写として作品にするには「こんなものできない」という反応が少なからずあるはず。ましてや小学生とオヤジが夫婦という設定。まずは、その異次元に視聴者を引き込む必要がある。

まずは、ゾンビ化した、堤真一とその娘、蒔田彩珠の紹介シーンから。はっきり言って、こういうゾンビ演技が堤真一はとてもうまい。元来、コメディが嫌いではないタイプだと思うからできる技なのだろう。この日常になんの意欲もなく、ただ、コンビニ使って生きてる人間、実際に結構な数いるのだろうなと思うとことがあるし、それはこういうことだよねというそのままが演じられている。そして、妻が死ぬ前も自分で何もできない夫であったわけで、こうなるのは宿命。こういう生活力のない男って今の世の中50%以上いますよね。それをうまく表現する堤はさすがである。

そんなところに、毎田がやってくる。「10年前に死んだ時に生まれ変わった」と言って。だから、今は10歳。でも、記憶は生まれ変わる前のものが残っている。世の中では、前世の記憶は死んだ時に全てなくなると言われるが、神様のバグで残ることもあるのだろう。ここでは、10歳になってその記憶が蘇ったということになっているが、それこそ、そんなことがあってもいいだろうと思う最近の私である。もう、現実が信じられない毎日ですので…。

まあ、そこからは最初にも書いたように毎田の演技でこのドラマは全て成立している感じである。堤と蒔田を信じさせる、最後のケーキとお弁当はなかなかすごいプレゼント。そう、苦痛の日常が一転する感じを見事に描いていた。さあ、ここから何が起きるかは興味深い。

ということで、最後には、毎田の母である吉田羊も出てきたし、堤が「18歳になったら結婚しよう」と突然のプロポーズ。さらに異次元モードに入っていく。なかなか楽しめそうな金曜ドラマである。

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