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「PICU 小児集中治療室 (第7話)」家族の病気に対する向き合い方みたいな・・・。

ここに来て、吉沢亮がしっかり成長し、周囲の信頼も得られるようになっている描き方が、なかなか見事である気がする。一気にそうなるというよりも、患者と向き合ううちにそうなっていくという描き方が見ていて心地よい。そして、吉沢亮自体が、こういう役にピッタリだったりするのであろう。

そして、高杉真宙の医師としての帰還。仲良しの3人が一緒の場所で働くという構図は、ある意味ドラマ的だが、なかなか微笑ましく羨ましい。そして、高杉が再出発の中で、木村文乃が声をかけるシーンが印象的だった。そう、PICUの医師たちの間にもギスギス感がなくなり成長が見られる。昨今は職場がブラックだとかよくいうが、こういうドラマでのチームワークの見せ方が職場を変えていくこともあるかな?と思ったりした。

そして、先週、心臓移植をすると決めた男の子の状況はあまり思わしくない。子供の心臓自体がそんなに出るものではないのだろう。その待つ間に感染症にかかるとは・・・。実際に現状にパンデミックでは、そういうことは多々あるのだろう。命を救うということは本当に難しいと思ったりもさせる。

また、救急車で運ばれてきた女の子が、虐待されていたことを察知し、動く医師たち。こんなことも昨今では多くあるのだろう。たぶん、ドラマはいろんな実話からヒントを得ていると思う。日本の小児医療に関してもっと知りたくなってきた私である。

大体、小さい子供たちが、ベッドの上で管をつけられている状況はかなり悲壮感がある。普通の医療ドラマとは違い、彼らは死を迎えるためにそこにいるのではなく、未来の夢を叶えるためにそこにいる。そういう意味でも医師たちは、最悪の事態は考えたくないだろうが、そこまで考えて命を救おうとする。その気持ち的なものが、吉沢、他の役者たちに表現されていることで、ドラマは救われ、描きたいテーマをしっかり視聴者に訴えている。

そして、今回の後半は、これも前回から引きずっていた、吉沢の母役である、大竹しのぶの膵臓癌の話である。仕事で疲労している吉沢に、新たな不安が襲ってくるわけだ。そして、彼自身が頭の中がぐちゃぐちゃになってきていることをセリフで吐いている。医師の覚悟みたいなものを試されている感じなのだろう。見ていて辛いところではあるが、この苦難をどう乗り越えていくのかが、このドラマの最後の大きな見せ所の一つなのかもしれない。

ドラマのバックには、北海道の大自然的なものがあるわけで、その時間のゆっくりさがまだ救いなのかもしれないと思うところがある。都会の小児科ではもっと悲惨な光景があるかもしれないと思うと辛い部分もあるし、子供にフォーカスを当てることで、未来の不穏さが浮き彫りになるところは、もっと緊張感を持って受け取るべきところであろう。そんなことを思った、ここまでである。

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