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「PICU 小児集中治療室 (第6話)」子供のメンタルに寄り添える医師は素晴らしい

小児科という分類があるのは、子供の未成熟な身体の特異さと、言語で通じ合えない部分があるからだろう。ある意味、小児科は、子供たちを救い未来に羽ばたかせるためにある科と言ってもいいのだろう。このドラマを観ていてその存在の大切さみたいなものは感じる。

今回の子供は、小学6年生。小児科にかかるには、最も高学年の年齢なのだろう。その彼が心臓移植を迫られ、いろんな事を考えて、「早く死にたい」となっているところから話は始まるが、ある意味、彼は大人の発想をできるからこういう手術に対する拒否反応みたいなものが出るのであろう。そして、恋人とは言えないまでも、心配する同級生の女の子がいる。

この2人を演じる、柊木陽太と稲垣来泉。共に朝ドラの子役として名演技をし続ける2人である。ここでも、彼らの演技に泣かされる部分があったりする。最後の方のしばしお別れで、2人が「好きだ」と告白するシーンは、もはや青春ドラマ的であり、彼らがもはや子役でもないことを示していた。彼らが演じたことで、この回の話は濃密であったと言っても良い。

しかし、男の子の投げやりになったメンタルを治癒するのが、「仮想修学旅行」とは、これ、普通の小児科医では考えないだろう。ある意味、医師数人のもとでバスを借りて行うなど、普通の医療ドラマでもあまり考えられない。札幌の街を東京になぞらえてのバーチャル旅行はドラマ的には秀逸だった。そして、その最後に同級生が集まって彼を声援し、彼がその中にまた戻れることを夢見させる。「病は気から」とはよく言われるが、子供なら尚更だろうなと思った次第。

今回は、吉沢亮が他の医師たちから褒められることになる。一つの成長を感じさせる回であった。そして、ここからがこのドラマの本番なのだろう。木村文乃とのやりとりも以前とは変わってきたし、吉沢の同級生の高杉真宙も、多分、この病院で働くことになるのではないか。この辺はご都合主義的なものも感じるが、観ている方としては、若者たちが一緒になって成長していくのは心地よい。

そんな中で、大竹しのぶの膵臓癌が本当に悪くなっているようだ。彼女は死ぬ確率が高い気がする。生田絵梨花のお腹が大きいのは、生命の誕生をそこで伝えようという伏線的なものを感じるが、それと同時に死があるのかもしれない。

考えれば、子供が入院する場合、そこで様々な生き死にみたいなものを観てしまうかもしれないし、その中で彼らの未熟な免疫力もあげなければならない、そう考えると、小児科というのは本当に難しい部分があるのだなと思ったりする。今回の心臓移植の話でも、子供の心臓はなかなか無いのが現実であろう。そういう部分はドラマの中で話には出ているが、もう一つその可能性みたいなものが私には見えてこなかった。費用の問題もあるし、ドラマで描かける範囲内で、もう少しそのあたりセミドキュメント的に入れていただきたい気もした。しかし、吉沢亮の小児科医は似合っていますね。

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