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「PICU 小児集中治療室 スペシャル2024」小児救急の物語は、今回も命の大切さを教えてくれた。

2年ぶりのスペシャル。やはり、今回も多くのことを考えさせられるドラマになっていた。そして主人公の吉沢亮の成長した姿がしっかりと見られたことが嬉しかった。で、今回も最後には乳幼児の死で幕引き。そう、木村文乃がいうように、皆が患者に対し真剣に向かう中で、救われない命があることを明確に伝え、だからこそ、命というものの大切さを訴える感じ。ある意味、残酷だが、すごくパワーを感じるドラマだと私は思っている。そして、最後に、今は亡き、大竹しのぶの母親が吉沢に向かって「先に死ぬなよ」というシーン。とても印象的であり、そこにかぶさってくる中島みゆきの歌を聴いたらもうたまらないですよね。ぜひ、シーズン2作って欲しいドラマです!

今回は、最初からドクタージェットの登場。ここで、高杉真宙が稚内にいることがわかる。そこに吉沢が飛ぶ。よく知ったものの連携。ドラマ的にはなかなか勢いのある初動。この段階で吉沢が落ち着いて事にあたっているのがわかる。そのことでドラマに引き込まれる感じ。

そして、PICUには研修医が二人やってくる。東大出のエリートの小林虎之介と、やはり上から目線の武田玲奈。働き方改革をしても、下のこういう上を見下すような感じは今もあるのだろう。ここで、人を育てることに対しても考える吉沢がいるのだが、そんなことを悠長に勉強することより先に患者が入ってくる。

今回のドラマの中心ではないが、とても印象的なのは、母親がわからないままに産み捨てられた乳幼児の話。昔でいう捨て子。病院で産んでないことで健康状態は最悪。その子をなんとか救おうとする吉沢たちのチーム。そして、彼女の名前の病院でつける。こういう場合は、一旦戸籍をその名前で登録するのだろうか?この子、悲しくも最後に死に至るわけだが、戸籍がないと火葬もままならないのだろうからね。その辺りが気になったが、最後に、亡くなったこの子を抱きしめて「生まれてきてくれてありがとう」と言う吉沢の姿は美しかった。

そして、研修医を入れたことで、いろんな問題が生じる。小林は、吉沢が投薬を控えてるという強い薬を患者に与え苦しませてしまう。それでも、彼は吉沢には馴染もうとしなかった。この二人の関係が、最後には意外にスッと和解してしまうのは、時間のせいもあるが勿体無い気もした。この小林虎之介という役者。誰かと思えば、「下剋上球児」のキャッチャー。まあ、今一つ印象に弱い感じ。背もあまり高くないから、俳優として伸びるかはもう一つわからないところ。まあ、こういうある意味ヒール役は、若い役者がやると紋切型になってしまいますよね。

で、もう一人の武田玲奈。最近は、一時期ほど露出がない。そして、やはりヒール役。安田顕がなんとかチームに馴染ませようとすると、それをパワハラ、セクハラと訴えるという強者。昨今は、本当にこんなことがいろんなところで怒ってるのでしょうね。まあ、この辺りは「不適切にもほどがある」で描いたことと似たようなことなのだが、医療現場でそんな問題が起きていたら、患者はたまったものでありませんよね。

そして、前シリーズで心臓移植を待っていた少年はまだその手術にたどり着けていないようだ。ここで、彼女の稲垣来泉の大人になった姿が見たかったが、それがなくて残念。2年経って、さらに大人になってますよね、きっと。

あと、他のドラマの歌手活動で忙しかったからか、県知事の菊池凛子には顔を出して欲しかったですね。そして、現在の小児医療について少し意見が聞きたかった。

とはいえ、多くの病気の子供たちの姿に向き合うPICUのチームの姿は今回も感動ものだった。最後には、生田絵梨花の娘に対する苛立ちみたいなものも出てきたりして、この現場が、子供を持った者たちには身近な現場であり、この現場があって、子供達に未来を継承できるということが見えてきたりもする。

ドクタージェットの常駐もまだですしね、本当に、シーズン2、待っております!

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