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2021年新作テレビドラマ放浪記

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2021年のテレビドラマの感想記録です。
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2021年8月の記事一覧

「うきわ〜友達以上、不倫未満〜(第4話)」妄想の中に見る、本心と虚い

このドラマ、普通の不倫ドラマみたいにスリリングに事が展開しないところが面白く、それがリアリティに繋がっているのかもしれない。 先週、個室で食事をすることになった、森山直太朗と門脇麦。このまま、更なる展開を迎えるのかと思ったら、そんなことはなく、森山直太朗が、妻の西田尚美のことに関して、過去を吐露する流れに。いわゆる、妊活がうまくいかないで、夫が勧めた陶芸教室で、不倫相手を見つけてしまうという、皮肉な流れを坦々と語る森山。そして、それを聴く門脇と、そこに色気もフェロモンもなく

「TOKYO MER~走る緊急救命室~(第9話)」人の過去でレッテルを貼るということが、いまだにドラマになるという虚しさ

このドラマは、総じて言えば、医療ドラマではなく、政治ドラマだということなのだろう。人の命を守る組織を作ること、そしてその組織が活躍することは政治的な力をしめすということだ。ここの都知事である石田ゆり子は、自分の命と引き換えに置き土産を残したかったということなのだろう。 そういう、ある面から見たらスタンドプレーは、敵にしたら「潰すしかない」。私たち国民は、昨今、常にこういう、自分の生活には関係ない戦争の結果として苦渋しか味わっていない気がする。だから、ドラマくらいは、そこのと

「漂着者 ep,4&5」ロシアの地下組織と象が歩く屋敷と預言者と…。

先週もあまりことが進まず、わかったことは、シシド・カフカと野間口徹が繋がっているということ。そして、斎藤工は、その組織の側にいたのだろうということ。今回はその斎藤をシシドが預言者様と呼び、白石麻衣がシシドは大昔の斎藤の婚約者だったのではないかと言い出す。 もう、ここ2回の物語に、混沌以外の何もない。そして、連れ去られた子供たちはシシドのいる邸宅に監禁され、どうもロシアに運ばれようとしていたらしい。シシドが斎藤に見せる石碑には、子供たちの足形がとられていた。警察でなくても、も

「#家族募集します(第5話)」笑顔になれれば、家族になれる?

1時間、「にじやフェス」に参加できた感じであった。本当に今年の夏もこんなイベントはできない日本である。日々、私たちの笑顔が少なくなってきている気がする。本当にこのドラマのように思いっきり喜怒哀楽を表現して良い世の中に1日でも早く戻ることを祈るばかり。 先週の橋本じゅんの娘が家出してきたところからの続き。にじやの家族たちはどうするか考える。そして重岡が強行突破とばかり、橋本の仕事場に行って話す。聴くと、母親が突然海外に行ってしまい、自分が娘を育てることになるが、どうしていいか

「推しの王子様(第7話)」告白、そして別れ、涙。お決まりの転換点。さあ、どのようにまとめるか?

今週は、渡邊圭佑の描いたキャラデザインがプレゼンを通ってしまう。もう、十分に独り立ちできるという描き方である。先週も書いたか、この成長の速度は理解できない。マンガでもこうはしないのではないか?何か、元のテイストを残しておかないと、渡邊らしさの演技も全くなくなってしまう感じ。 今回はプレゼンを前にして、なぜに彼がホームレスのような状態になっていたかという過去の話が描かれる。渡邊が学ランで出てくるのだが、これがまだ十分にイケるのがすごい。しかし、この親が失敗した話を聴いても、彼

「ハコヅメ~たたかう!交番女子~(第6話)」警察官という職業と普通の女子的なものの葛藤

どんな職業でもそうだろうが、飛び越えていかなければいけない事がある。今回は、警官というものの大変さ、意識の厳しさ的なものをドラマから感じさせられた。なかなか良い話だった。 まずは、戸田恵梨香と永野芽郁のコンビがアイコンタクトでなんでも通じるようになっていることを事件の現場の中で表現していく。女の子同士でこういう事ができる様になるという表現は結構珍しい気がする。そういう意味で新鮮であった。そして、この流れの中で、永野がなかなか警官として意識がしっかりできてきたことが視聴者に示

「彼女はキレイだった(第7話)」全てが謎解きされて、不幸が撒き散らかされる瞬間

1時間かけて、小芝風花は逃げ回り、中島健人は真実に向かって追いかけるという展開。ドラマ的には単純な内容をそれなりに濃く描いていくのは韓流ドラマのうまさでもある。そういう意味で特に日本的にアレンジする必要もない部分でもある。そして、よく描かれる恋の残酷さみたいなものが傍に重く残るようにされているところがミソなのだろう。 そういう意味で、上の写真の到達点に伴って、二人の優しい犠牲者が出るわけだ。その二人が小芝の掛け替えのない友人というところがこの話の肝なのだ。多分、自分が幸せに

「うきわ〜友達以上、不倫未満〜(第3話)」疲れ果てた末に304号室が動き出す。

前2話に比べて、夫婦のシーンや会話がすこぶる少なくなっている。そして、森山直太朗と門脇麦が青春の恋のように近づいていく。いや、妄想で出てくる砂場で遊ぶ幼児のような近づき方なのかもしれない。と思ったら、最初の秘密の場は個室の料理屋。それは、十分大人の逢瀬というところか?ドラマ全体がマイナートーンで繰り広げられる中、ラストのそこはとても煌びやかに見えたりする。そう、心の中にある、虚しさと美しさみたいなものが、映像の中に具現化されている感じはなかなか興味深く、生臭さと煌びやかさが重

「TOKYO MER~走る緊急救命室~(第8話)」人の命を守る信念と、世の中の道理に従うこと

鈴木亮平の過去が自分の口から離される。海外でテロリストの城田優の命を助けたために、テロリストの一味と誤解され、投獄されたという話。ただ、彼がテロリストだという証人もいない中で、政治的に解放され、そのままMERを任されたというもの。そこには、都知事の石田ゆり子の思惑もある。そして、彼女がMERを作った理由は今回のドラマ内では視聴者には開示されなかった。しかし、思ったよりも重い感じの秘密ではなかった。そして、それを公安が調べられないというのは何かおかしい。その辺の内情を私もよくわ

「#家族募集します(第4話)」面倒臭いことをシェアできるのが家族?

一人、自分の心の中に意固地になった木村文乃が最後に見せた笑顔は素敵だった。この人、どちらかというと表情のない様な演技が上手い人。こういう笑顔はなかなか見せないが、女優さんの笑顔は半端なく美しい。 今回は、大手建設企業に勤める橋本じゅんが娘とやってきて、住まわせてくれないか?とくるところから始まる。橋本じゅんの威圧するような顔に対して娘の顔、いや、娘の目がとても愛おしく訴えてくる。それだけでドラマに呑まれる。そう、このドラマ、子供たちの姿を見ているだけで微笑ましい。それが家族

「推しの王子様(第6話)」だんだん普通の恋物語になりつつあるのがもどかしい

先週、渡邊が、自分が比嘉とフジオカの賭けの道具にされていたことを知り、喧嘩状態。そして、時間が過ぎた結果、上の写真のように両方で頭を下げて解決という流れ。そんな時に、白石が倒れたという電話が来る。白石はビジネス上のミスをしてしまい参っていたところ。そこで、最後に白石を慰める渡邊。しかし、渡邊は優しすぎる。そこがゲームのヒーローのようにキュンとするところなのだろう。こういう優しさは色々恋の邪魔になることはわかっていてできている脚本のようだ。 ドラマは後半に入っているのだが、こ

「ハコヅメ~たたかう!交番女子~(第5話)」警官という職業の特別性と恋愛と…。

永野芽郁の流行り病感染で前2週「特別編」なるものを流さなくてはいけなかったので、久しぶりの第5話。ここが、折り返し点の様な感じの展開。 まずは、戸田恵梨香は実はロボコップだったという冗談のような本当のような話から始まり、合コンに。大体合コンとはいえ、2対2というのは、何か取り調べのような感じもする。そして、隣の部屋には、三浦翔平と山田裕貴がいるという、署と同じような空気感。うまくいくわけもなく、まあ警察官の恋愛というのはなかなか大変だということを言いたい第5話であった。

「彼女はキレイだった(第6話)」記憶の書き換えはできないという話

先週のラスト、イメチェンを図った小芝風花。今回はそのきっかけと変身を佐久間由依に手伝ってもらうところから始まる。そう、ここで小芝と佐久間の友人としての近さをまずは示すわけだ。 これが、最後の佐久間と中島が近づいていくところを小芝が見てしまうところにシンクロしているのが今回の脚本。佐久間は、小芝の思い出のパズルのを持ち出し、自分が幼馴染の愛だと証明して中島を引き止めようとする。そう、友情の破綻がここで起こるわけだが、その時にはもう中島の心は小芝に引っ張られているという流れ。こ

「うきわ〜友達以上、不倫未満〜(第2話)」アパートの仕切り越しの怪しさと、家庭の中を繕う空気

「うわき」は「うきわ」に似ていると、門脇麦本人に語らせる。そして、そんなくだらないことを考える想いから、冷えた家庭の空気感を映像の中に成立させ、外での秘密の顔がどのようにそこに侵食していくか?そう、映像の中に空気が澱んでいる感がたっぷりで深夜にこれを見せられるのはなかなか怖いことだと思う。 そして、主演の門脇と森山直太朗の、なんか世の中の、いや東京の華やかさの中についていけないような表情がまた頗るリアルである。森山のタバコを吸う姿の中に、ストレスを感じるし、門脇がその森山に