へらへらとサボる

コピー機の近くが定位置で毎日を過ごす
隣の席は空いていて
その向こうに毎朝生あくびをする人がいる
その人はサボる癖がある人だ

毎朝、退屈そうに打ち合わせに出ては
誰かが話をしている時は
サボりのため息を出し
面倒だなという落ち着きのない呼吸をする

この人は手を抜く事を考える事が多い
何かを頼まれるともっと効率よくといいながら
効率という言葉を使いながら
楽に簡単にできる方法を考え出して

最終的にはこうした方が効率がいいと思ってと
いいながら大事な部分を手抜きして
その手抜きした部分の必要性を理解していないから
手抜きした部分の必要性を教えてもらった時に

やっと効率の間違いに気が付く
そしてその重要な説明を聞きながら
「へ～～」「へ～～～」とそうだったのかの
返答反応が軽い

そのやりとりは自分の所まで聞こえて来て
その「へ～～～」を聞きながら
この人は絶対理解して無いだろと
感じてしまう

こんなやりとりが
幾度も繰り返され
その内にこの人には簡単な事しか
頼まれなくなり

机に座っては　生あくびを繰り返している
そしてこの何か月もそれを続けてきた結果
この人はこの簡単な事しか頼まれない環境に
慣れて抜け出せなくなった

数日前
少し面倒な事を頼まれていた
それは以前はよくやっていた事だった
最近は別の人がやっていた

その別の人の事は
この生あくびをする人は嫌いだ
その嫌いな人が忙しいので
この生あくびをする人に頼む事になった

生あくびの人は重たく事を頼まれていた
腹をくくったのかと思ったら
何かやりたくないというアクションを
したようだ

それが月曜日の事だった
火曜日
生あくびの人は体が重たそうに席にいる
水曜日

何かやりたくないというアクションに
進展があったようだ
まわりが生あくびの人に事を頼むのを
諦めたらしい

生あくびの人はお昼前には
元気にサボり
午後にはお菓子をボリボリと音を立てて
祝福で小腹を満たしていた

とても楽しそうに誰かと話をしている
来年もこの楽な環境で居られたらという
露骨な会話が聞こえてきた
へらへらと笑いが止まらないようだ

もうこの人は無理だろうと思った
へらへらと自分の思い通りにいく
この環境がこの人をサボらせてしまう
周りはもうこの人に簡単な事しか頼まない

毎朝、生あくびを繰り返す人は
この先どうなるのだろうか
それを決めるのは
一体だれなんだろうか

これからも
この生あくびの人から
目が離せない
色々と何かが起こりそうな

そんな楽しみがある
こんな楽しみ方をできるのは
自分が
この生あくびの人と無関係だから

できる
無関係で良かった
そんな人が周りには
沢山いる