慣れてきたころのイヤイヤ期
イギリスの夏が始まった。
暗くて寒い天気に食らい泥のように病んだ冬が過ぎ、サマータイムがやってきた。
あの闇の数ヶ月が嘘みたいに、真っ青な空がお目見えし、今は夜22時くらいまで空が明るい。そのため、21時過ぎても窓の外から近所の子供が庭で遊んでる声が聞こえてくる。
サマータイムのロンドンは、晴天の日差しに起こされ気持ちよい朝を迎えられたと思っていたら、正午には土砂降りになり、かと思えば10分後には止み、ピーカン晴れになりまた曇るというような、落ち着きのない天気が常である。
都会の目まぐるしさが天気にまで比例するのかとうんざりもしたが、6月を過ぎると安定して晴れる日も続き、芝生の公園が街なかに点在するため、日が沈むまでそこら中に人が寝転がっている。
かくいうここ数ヶ月の私はというと、
エキストラとして映像作品に出てみたり、
日本に一時帰国したり、イギリス以外のヨーロッパに旅行に行ってみたりしていた。少し羅列しただけでも目まぐるしい。
今絶賛心の余裕を失っている。充実した日々なのに、心が潤うどころか尖り散らかしている。
休みを取っても解消されにくい理由の一つに住まい環境がある。
イギリスは家賃が高いため、他人と一つの家をシェアして暮らすのが基本だが、それがじわじわこたえている。寝ている時に物音がするとすぐに目が覚めてしまう性分なのと、一つしかないトイレ、お風呂、キッチンを6人くらいでシェアしているので順番待ちは当たり前。みんな、期限が決まったビザで滞在していることが多々あるので人の回転も早く、入居者によってフラット内の雰囲気もかなり変わる。
とにかく鈍感に、気にしなければ快適に過ごせることもあるとは思うが、誰にも干渉されない、オフになれるはずの家で、気心知れてない他人と会うとどうしてもスイッチを入れてしまう。多分いま、不用意な言葉をかけられると、言葉のナイフで刺し違えてしまうかもしれない。
だったら引っ越せば良いんだけど、立地が割と気に入っているのと、知り合いからの紹介物件でない限り、ロンドンの物件探しは博打な面があるためHP(ヒットポイント)を要する。
ダラダラぐちぐちとここまで書いてきたが、メンタルのモードがダラダラぐちぐちとしているからしょうがない。しょうがないことを許されたいのかもしれない。そういう気持ちが文章に滲んでる。知らん。
時間を無駄にしないようにと思って懸命に生きてみたり、1日にやれるだけのことをやろうと思って忙しく予定を詰めてみたりすると、毎日が秒で過ぎていく。時間が溶けていく。時間の経過を感じられない。
色々やったはずなのに記憶に残ってないこともしばしばある。
心に余裕がないことは、時間を無駄にしていないことになってんのかな。逆に消費してるだけでは、フードファイターみたいに食っては排便してるだけではと思ってきた。
無駄にしないって難しい。
無駄なことをすることが、なにかを大切にしてることにもなるのかも。
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