歴史をたどるー小国の宿命(8)

聖武天皇は、大仏が完成する前に、皇位を自分の娘に譲っている。

それが、749年に即位した孝謙(こうけん)天皇である。

この時代に、女性天皇が4人も誕生したのは今では考えられない頻度であるが、実は、この孝謙天皇のあとは、女性天皇が江戸時代まで誕生することはなかった。

江戸時代に約850年ぶりに誕生した女性天皇は、第109代の明正(めいしょう)天皇であり、徳川家光が将軍だったときの天皇である。

今日は、女性天皇にスポットを当てて、もう少し解説しよう。

日本で初めての女性天皇は、よく知られている第33代の推古天皇である。593年から628年までの35年間在位し、歴代女性天皇では最長である。

その後、第35代の皇極(こうぎょく)天皇と第37代の斉明(さいめい)天皇が、2人目の女性天皇になるが、皇極・斉明は同一人物である。

実は、孝謙天皇もそうであるが、一度退位した後、また天皇になったので、呼び名が変わっている。ちなみに、孝謙天皇は、称徳(しょうとく)天皇として2度目の即位をしている。

3人目が持統天皇、4人目が元明天皇、5人目が元正天皇、そして6人目が孝謙天皇という順になり、江戸時代に誕生した明正天皇は7人目になる。

その後、8人目の後桜町(ごさくらまち)天皇が、第10代将軍の徳川家治の時代に誕生するが、ここで女性天皇の誕生は、現在に至るまで途絶えている。第117代の後桜町天皇は、1771年まで9年間在位したので、それから約250年、男性天皇が続いているわけである。

ちなみに、令和の天皇陛下は、第126代の天皇である。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?