法の下に生きる人間〈第22日〉

今日までの10年間余り、「ふるさと納税」に関する特集を組んださまざまな雑誌や、テレビのバラエティ番組を見て、実際に「ふるさと納税」を体験された方もいるだろう。

私は、一度もない。「ふるさと納税」を批判する立場ではなく、私は純粋に自分の居住自治体の住民税をきちんと払い続けようという意思があったにすぎない。

頑としてやらなかったというわけではないので、そこはご理解いただけるとうれしい。

さて、ふるさと納税がなぜオトクなのかというと、自分が寄付した金額のうち「自己負担額の2,000円を超える部分」について、控除上限額内で所得税と住民税から全額が控除される制度だからである。

上述した説明が分かりにくい人は、総務省のふるさと納税ポータルサイトに、「ふるさと納税のしくみ」の解説ページがあるので、そちらをご覧いただきたい。表やグラフで分かりやすくまとめられている。

今日は、私たちが「ふるさと納税」を行うことで、住民税負担が軽くなるのはどういうことなのかを、地方税の全体像を明示しながら解説していこう。

まず、地方税は、国税と並ぶ大きな税のまとまりである。

国税の話は、本シリーズで後日(今週ではない)、改めて触れることにする。

地方税は、何を課税対象とするかで、大きく3つに分かれている。

①所得課税、②資産課税、③消費課税の3つである。

それぞれのジャンルごとに、具体的な地方税の項目を列挙すると、次のとおりである。

【①所得課税】
住民税、事業税

【②資産課税】
不動産取得税、固定資産税、特別土地保有税、法定外普通税、事業所税、都市計画税、水利地益税、 共同施設税、宅地開発税、国民健康保険税、法定外目的税

【③消費課税】
地方消費税、地方たばこ税、ゴルフ場利用税、軽油引取税、自動車税、軽自動車税、鉱区税、狩猟税、鉱産税、入湯税

以上である。

これだけの地方税がある中で、私たちのほとんどが負担しているのが、「①所得課税」にあたる住民税であり、ほかには「②資産課税」の国民健康保険税(=国民健康保険料に同じ)と「③消費課税」の地方消費税がある。

住民税は、私たちの所得がいくらかであるかによって決まるものであり、所得が多い人ほどそれだけ多くの住民税を払っている。

高所得者がたくさん住んでいる自治体において、そういった人たちが「ふるさと納税」に走ってしまうとどういう事態になるかお分かりだろう。





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