政令指定都市めぐり【第4回】

第1回から第3回までの記事を読んでいただいた方なら、今日は、北九州市だなと予想していたのではないだろうか。

当たりである。

山陽新幹線で西へ西へと移動する場合、「のぞみ」に乗ると、たいていは、広島駅の次は小倉駅に停車する。

その小倉駅は、北九州市にある。

広島県のお隣の山口県をすっ飛ばして、関門海峡を渡ってしまうから、山口県民は、たまには停まれよなと思うだろう。

だからではないが、広島と小倉の間では、「のぞみ」は徳山駅に停車することもある。

さて、小倉駅に降り立つ前に、新幹線の中で感じてほしいのは、竣工当時は日本最長だった「新関門トンネル」の長さである。

新関門トンネルは、全長18キロの長さである。しかし、新関門トンネルが1975年に開通して、その後に全長53キロの青函トンネルが27年の歳月を経て1988年に開通すると、日本一の座を降りることになった。

ところで、関門海峡ってそんなに幅広かったっけ?と不思議に思う方もいるだろう。

実は、新関門トンネルは、海底部は880メートルしかなく、ほとんど地上のトンネルなのである。青函トンネルは、海底部が23キロもある。

イマイチ実感できない人は、地図上で新関門トンネルのルートを確認するとよいだろう。

そして、「新関門トンネル」という名前から分かるように、北九州市には、昔からある「関門トンネル」が存在する。

この関門トンネルこそ、日本最古の海底トンネルであり、1941年から1944年にかけて、今の在来線が走る上下区間が完成した。

この時代は、ちょうど太平洋戦争の最中であり、九州と本州をつなぐ物資や人員輸送には、貴重な移動ルートであった。

そして、戦時中に空爆で破壊される恐れもあったからこそ、1キロにも満たない海峡に鉄橋を架けることはせず、海底トンネルを掘ることを選択したわけである。

詳しく知りたい人は、門司(もじ)区にある「関門トンネル記念館」や「九州鉄道記念館」に行くとよいだろう。

北九州市には、門司区のほか、小倉北区・小倉南区・八幡東区・八幡西区・若松区・戸畑(とばた)区の7つの行政区がある。

小倉駅は、小倉北区にあり、同じ区内に有名な小倉城もある。小倉駅から徒歩20分である。

八幡東区には、明治時代に栄えた官営八幡製鉄所など、明治遺産が残っている。

また、同じく明治から昭和期にかけての「門司港レトロ」なる建築物も、門司区で楽しめる。

小倉駅からは、昭和60年に開通した「北九州モノレール」が、小倉北区と南区を結ぶ全長8キロを走っている。

これも、国内初の「都市モノレール」として有名である。「都市モノレール」の定義については、興味がある方はぜひ調べてみてください。









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