唱歌の架け橋(第27回)

昨日の『おかあさん』の歌だが、同じく中田喜直が作曲したもので、江間章子(えましょうこ)作詞のものもある。

参考までに触れておこう。(ご自身で調べていただけるとありがたい)

江間章子といえば、ピンときた人はいるはずである。

そう、『夏の思い出』の作詞をした人である。これも、中田喜直の作曲である。

季節は秋へと向かい、うだるような暑さもなくなってきたが、やはり夏はミズバショウの花が咲くような涼しいところで過ごしたいものである。

【1番】
夏が来れば思い出す
はるかな尾瀬    遠い空
霧の中に浮かび来る
やさしい陰    野の小道
ミズバショウの花が
咲いている
夢みて咲いている
水の辺(ほとり)
シャクナゲ色にたそがれる
はるかな尾瀬    遠い空
【2番】
夏が来れば思い出す
はるかな尾瀬    野の旅よ
花の中にそよそよと
揺れ揺れる浮き島よ
ミズバショウの花が
におっている
夢みてにおっている
水の辺(ほとり)
眼(まなこ)閉じれば懐かしい
はるかな尾瀬    遠い空

以上である。

ミズバショウの花は、5月末に咲くので、実は梅雨の季節が到来する直前になる。

だから、夏休みにミズバショウを見に行こうと思って行っても、花は咲いていない。(すでに終わっている)

じゃあ夏ではないじゃないか、どこが思い出になるんだと言う人がいるかもしれないが、これは、俳句の季語と同じ考え方で、昔で言う夏(=5・6・7月)である。

中田喜直の曲も、聴いていると自然と涼がやってくるようで、癒されるメロディーである。

江間章子は、中田喜直の亡くなった5年後(=2005年)に、91才で亡くなった。

惜しくもあと1日で92才の誕生日を迎えるところだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?