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え?100万超え?子犬の価格高騰化に伴うリスクと気をつけてほしいこと〜ルンカのえげつない話。

こんにちは、犬雑貨ルンカの戸田です。昨日、知人から「タイニープードルの子犬がほしい」と相談を受けました。そこで、ブリーダーとの交流があるペットショップの店長に聞いてみたところ、「色や性別、サイズにもよるが、100万円の予算はないと」と返事。コロナの自粛生活の影響で子犬を迎える家庭が急増し、子犬の値段が高騰しているのは知っていたけれど、そこまでとは…。これを読んでいる人は「別に今から買うわけじゃないし!」って無関係だと思っていませんか?これがまたペットブームになれば、あなたがトラブルに巻き込まれる可能性も!

100万円ってもしかしたら、妥当なの?

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仕事柄、子犬を繁殖しているブリーダーさんとの交流があります。どの人も、その犬種、その犬種を取り巻く文化までも愛し、健康で良質な子犬を輩出することに心血注いでいます。その人たちの共通点は「兼業」であること。自動車工場の経営者や医療関係、ペット関係の仕事をしています。大御所女優・名取裕子さんもトップブリーダーとして有名ですよね。つまり、他に収入を得ています。ブリーダーだけの収入だけでは生活できないのでしょうか?

ブリーダーって儲からないの?!

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犬の出産(ブリーディング)には、下記の費用がかかります。

・種付け料(交配料)3万〜、犬種や血統によっては10万円以上

・妊婦健診 3000円〜/回

・出産 5万円〜、帝王切開の場合 10万円くらい

※病院によります。

つまり、高額だと20万円以上の費用がかかります。もし、5匹生まれると1匹4万円。

犬は年に何回も出産できません。また、出産できるのも適齢期があります。しかし、その犬たちを飼育し続けなければなりません。その費用もまたブリーダーが請け負います。なので、4万円で生まれて、30万円で売れたとして、生活にゆとりができるような潤沢な利益にはなりません。

ブリーダーの転落

最近では「保護犬」と言う言葉を散見します。保護犬とは、様々な事情で飼い主がおらず、団体が保護しているものです。かつては、野良犬が産んだ子犬であったり、飼い主の事情で手放された犬が多かったのですが、今では「ブリーダー崩壊」によるものが増えています。劣悪な環境で犬を飼育し、無理な繁殖を繰り返す悪質なブリーダー。しかし、最初から悪質だった人ばかりではないと思います。

というのは、私が昔、子犬を飼おうと訪れたブリーダーさんがいました。そこが一番、私が欲しかった犬種の子犬が安かったからです。特に普通の人でした。違うところでを子犬を飼うことになったので、それ以来の交流はありませんでした。しかし、その数年後。ブリーダー崩壊として、TVのニュースに取り上げられていました。ペットブームで人気犬種の移り変わりで人気がなくなった犬種のメスを「在庫」として抱えたのは、のちにブリーダー関係者から聞きました。

(無理な繁殖とは、母犬の負担だけでなく交配の知識が乏しく、遺伝欠陥を持つ子犬が生じてしまうことも含みます)

ブリーダーをパピーミルにしてしまうのか?

他に収入源があれば、良質なブリーダーでい続けられたのかもしれません。そう思うと、子犬の値段は100万円でも仕方ないのかなと思うこともあります。

子犬の高騰化に伴うリスク

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これは可能性の話です。

・素人繁殖をしようとする人間が増える可能性

・盗難しようとする人間が増える可能性

・高価な子犬が売れ残ること(今後の相場によっては、廃業せざるを得ない業者も出てくるかもしれません)

皆さんに気をつけてほしいこと

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・子犬を迎えようとするときは、周りの犬を飼っている人にも相談してみてください。いいご縁があるかもしれません。

・無免許の人が自家繁殖した犬を購入するのは、危険です。法律に抵触する他、遺伝疾患を持っているリスクもあります。(きちんとしたブリーダーは、遺伝疾患が出ないように交配しています)

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・散歩中に買い物やトイレなどで係留したまま、目を離さないでください。高騰化によって、転売を目論む人間、もしくは買えなくて凶行に及ぶ人間が出てくる可能性があります。

実際に起きた札幌のフレブル連れ去り事件

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2006年、札幌市で起きた事件です。買い物中に外に繋いでいたフレンチブルドッグの百代ちゃんが連れ去られました。飼い主さんや周囲の仲間の協力もあって、連れ去った人間の元にたどり着くも、マンション6階のベランダから落とされてしまいました。知らない人に連れ去られ、怖い思いをしたであろう百代ちゃん。飼い主さんのもとに戻って欲しかった…。リアルタイムでこの情報を見ていたのですが、今もその衝撃は忘れられないでいます。

その犯人の動機はわかりません。フレンチブルドッグは高価な犬です。もしかしたら、どうしても欲しくて出来心だったのかもしれません。しかし、許されることではありません。

この飼い主さんもどれほど、自分を責めただろうと思います。飼い主さんはブログのなかで「私と百代のようにならないで。愛犬を守って」と呼びかけています。皆さんの教訓になってくれたら、それは百代ちゃんの命を輝かせられることになります。

▼百代ちゃん事件が綴られているブログ

最後に

この子犬高騰化は、ペットブームの再来の可能性があります。その一方で犠牲になった命があります。ペットブームは私たちに、施設のペット同伴可能にしたり、災害の同伴避難の世論を動かしたりと様々な恩恵があります。しかし、その前に一歩立ち止まり、すでに犬を飼っている私たちができることを一緒に考えてくれたら、幸いです。


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