20220621 「久保さんは僕を許さない」という漫画がとにかく好きだから語っていい?
「久保さんは僕を許さない」という漫画をご存知だろうか。
知らない人は人生の80%を損しているぞ。読んでくれ。
そんなわけで「久保さんは僕を許さない」という作品がめちゃくちゃ好きだってことを書き留めたい。
Web連載分の内容にも微妙にくらいは触れる。
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どういう作品?
久保さんは僕を許さないという漫画は雪森寧々先生による作品であり、
目の前にいても声をかけられたりしない限り家族でもその存在を認知できないことがあるほど存在感がないモブ気質の主人公・白石純太くん、
そんな白石くんを普通に見つけることが出来る特殊能力を持つヒロインのスーパー美少女・久保渚咲さん。
このふたりの、恋愛にはまだ至らないけどその領域まではあと1歩、というめちゃくちゃおいしい段階がずっと続く、甘くてもどかしいラブ未満コメ作品。
2022年5月18日に9巻が発売、
先日アニメ化も発表された。めでてぇ。
■白石くんについて。
白石くんがどのくらい存在感がないかというと、
卒アルの集合写真に映っているのに欠席と思われて右上に合成されたり、
コンビニのレジに商品を置いても目の前にいることに気づかれず「戻してってことかな?」と店員に勘違いされたり、
授業に出席したあとに先生に「出席してました」と申告しないと欠席扱いになりかけたり、
見つけられたときには二度見どころか五度見されたり、
ティッシュ配りの人の目の前で変なポーズを取っても結局「ティッシュください」って言うまでティッシュをもらえなかったりするくらい。
そんな感じなので久保さんと出会うまでは友達といえる友達はあんまりおらず、
またモブ顔なのもあるけど、ひとりで笑ってたりすると怖いからということであんまり表情を出さなくなったという男子。
その反動で、彼を普通に見つけられる久保さんと隣の席になって初めて話しかけられたときにはビビり散らかして、「意図的に声をかけられることがなかった」という理由で声が裏返ったりしたし、
作中の進級とクラス替えのあと、1年生のときから白石くんと仲良くしたいと思っていたけど彼を見つけられなかった須藤くんと仲良くなってからも、話しかけられるときはちょっとびくびくしていた。
しかしながら白石くん、親御さんの育て方も良かったのだろうし本人の育ち方もまた良かったのか、とても優しくて良い子に育ってくれた。嬉しい。
存在感がないとはいっても、しゃっくりで音を立てたりスーパーの店内で派手に転んだり授業中に椅子の上に立つなどの奇行に走ったりすると目線を引くため、
もし白石くんが悪い子に育ってしまった場合、目立たないことをいいことに悪事を働いたり、目線を引きたいがために他人への迷惑を厭わない滅茶苦茶なことをする迷惑YouTuberみたいな人間になっていた可能性だって正直なくもないと思う。
でも彼はちょっと歳の離れた弟の誠太くんと一緒に遊んであげたりアイスのやりとりをしたりおつかいを見守るようなとても良いお兄ちゃんだし、
荷物持ちで手伝うためにお母さんと一緒にスーパーに行ったり、袋詰めが得意だったりするし、
久保さんと出会ってふたりで出かけることになった際にはちゃんと久保さんを家まで送ってあげたりもするし、
久保さんが初めてのコーヒーを飲みたいと言って無理して白石くんと同じブラックで飲もうとしたときには、自分が甘いコーヒーが苦手でもミルクと砂糖を入れて同じのを飲もうと言ってあげたりする。
久保さんがほぼ初めての友達って言っていいくらいなのに、女の子の友達に対しての気遣いが紳士的で、そもそも家族と仲が良い時点でいい子。
とあるエピソードでも、
白石くんならばれないだろうし、それを不快に思う可能性があるかもしれない人たちからは快く許可が降りていて、それでもほんの少しだけ良くないかな?という程度のことに対しても「誰も見ていなくてもちゃんとしていたいんだ」と久保さんに語るシーンがあって、
白石くんの人間性が垣間見えるし、本当に何をどうしたらこんないい子が育ってしまうんだろうか。
そもそも、友達と言える人はいなかったかもしれないけど、クラスや学校での白石くんの扱いは、彼を見つけられたときは「今日いいことあるかも」「白石くん見つけた!ガチャ引こう!」といった感じで、
一口にレアキャラとは言っても見つけたくもないタイプのレアキャラもいると思うのだけど、存在感はなくとも白石くんがちゃんと品行方正に過ごしていることがわかっているからこそレアキャラ白石くんを見つけたときが「今日はついているかも」というプラスの印象になるんだと思う。
そして可愛い。
「表情が変わらない」と前述したけど完全に無表情というわけではなく、
久保さんと一緒に映画を見た際には「映画を見ているときにはすごく表情が変わる」と言われており、「映画を見ているときは笑っていても変じゃないから」という理由を語っていたりする。
そしてそのデートの帰り道、いろいろとドキドキシーンがあったことを思い返し、ひとりで顔を真っ赤にして「僕…大丈夫だったよな…?」と動揺を隠せていたかを心配するシーンがある。
赤面する男子は良いものである。可愛い。
久保さん並の美少女が仲良く接してくれるので惚れるなというのがそもそも無理があるのだけど、
それでもどうも微妙に掴みどころのない白石くんも、久保さんに対しての意識は特別であることが窺える。可愛い。
あと思春期の男子なのでえっちなことにもちょっと興味があるし、でも前のめりにはなれない。可愛い。
■久保さんについて。
存在感がなさすぎる白石くんを見つける特殊能力持ちの超絶美少女久保さん。胸はA寄りのBカップ。ちょっと気にしている。
胸の大小やあるいはそれ以外に関わらず、本人がコンプレックスとしているものやそれを気にしている様子に対して外野が「可愛い」を押しつけるのは正直あんまりよろしくないことだと思うのだけど、
でも白石くんに「胸の大きい子が好きなの?」って照れながら訊くところは正直可愛い。
超絶美少女ながらあまりに雰囲気が聖域すぎたせいか恋愛経験はなく、
女子同士のスカートめくりくらいの悪戯の対象にさえされないので性的な話、それを彷彿とする話も苦手。
そんな育ち方なので久保さんから白石くんに向けての矢印はどう見ても恋なのだけど未だに無自覚。なんてこったい。
でも自分から白石くんに対して恋愛ネタを振ってからかったりはするちょっと謎の思考回路を持ち合わせている。どういうこった。
学校においては白石くんを普通に見つけることが出来るのは彼女だけなのだけど、
実は久保家の血が何かを成しているようで、久保さんのお姉さんの明菜さん、従姉妹の沙貴ちゃんやそのお父さんも普通に白石くんを見ることが出来るし、しかも美男美女しかおらん。
彼女の親友で白石くんとは同中だったタマの卒アルを読んでいて、映っているのに合成されているという白石くんの惨状から「存在感がない」と訊いていたのに自分は普通に見つけられたことから始まり、
確かに目立たないタイプとは思いつつもそれにしたって自分は普通に見つけられる彼が他の人には全然見つけられないことや、どんなことがあっても全然表情が変わらなかったりする白石くんに興味を抱いていた折、席替えでたまたま隣になったところから交流することになる。
この頃は白石くんに対してちょっと小悪魔。今は恋愛ごとに対して鈍感すぎてド天然。初期特有のキャラ振れ。
何でも出来て成績優秀で運動も出来るスーパーマンお姉さんへのコンプレックスもあって、
成績は学年でもトップクラスでしかも運動もそこそこ出来るスーパーガール、という状態をあくまで本人が頑張って作り上げている努力家。
タマと3人組の親友で、かつ幼馴染ゆえに彼女の努力を知っている葉月には「私の目から見た渚咲は明菜さんより魅力的だから」と言われてめちゃくちゃ恥ずかしがる。可愛い。
そしてとても表情豊か。とにかく表情がころころ変わる。全然表情が変わらない白石くんとの対比もあるが、
笑顔ひとつ取っても、満面の笑みや、無邪気に笑う顔だったり、白石くんをからかうときの悪戯っぽい笑み、ちょっと照れた笑い方だったり、とにかくいろんな笑い方があるし、喜怒哀楽に対する表情の豊富さがすごい。
そして赤面するときは国が傾くレベルで可愛い。
先述のとおり性的な事柄やハプニングに弱いので、年頃の女子としては至極普通ではあるが意中の男子の白石くんに下着を見られたとき、見られたと知ったときの赤面と照れ顔はもちろん、
個人的には白石くんをからかおうと思って仕掛けた悪戯で、白石くんが思ったより男の子らしいところを見せたりとかの想定外のところで自分がダメージ食らってめちゃくちゃ顔を赤らめているのがとても良い。とってもとっても良い。
また子供っぽいところがあって、白石くんがブラックコーヒーを飲んでいるのを見て「大人だ!」と目を輝かせて自分もブラックで飲みたがったり、
結局それは苦くて飲めないのだけど「白石くんと同じのがいい」といって無理して飲もうとしたり、
コンビニのコーヒーマシン的なやつを頼んだことがなかったので、白石くんについてきてもらって挑戦してみたり、
お姉さんや、葉月やタマにからかわれたときにはぷんすこ怒ったりする。
あとお姉さんにはちょっと口が悪くなったりするところも等身大の女の子っぽくて可愛らしい。
設定上は正直オタク受け狙いのあざといの塊みたいな女の子と取られるところもあると思うし、自分も露骨に男性向けのそういう露骨なキャラが苦手で切ってきた作品があるのだけど、
人それぞれのラインはあると思うが個人的には久保さんは狙いすぎ・やりすぎのボーダーラインをちょうどよく超えていないので、自然で純粋な「可愛い」の範疇に収まっていると感じられるのが作者さんのキャラメイクの妙技だと思う。天才的。
■白石くんと久保さんについて。
白石くんが今まであんまり友達がいなかったということがなかったのもあって、基本的には久保さんから何かしらの形でコミュニケーションを取りに行くことが多く、
白石くんはあとあとのエピソードで落ち込んでいる久保さんに楽しい話をしてあげられないことを自省して、久保さんを始めとした友達のことをもっと知りたいと思うシーンもある。
あとは住んでいる場所が意外と近かったらしくて、仲良くなってからは外で不意に出会って久保さんから話しかけることも多々。
基本的には久保さんがからかって白石くんが戸惑ったり恥ずかしがったり照れたりするのを見て満足する感じのものが多いけど、
白石くんがたまに、もといわりと頻繁に、無自覚に反射ダメージを与えて久保さんも赤面したりする。これについては久保さんが攻撃力全振りで防御力皆無な節はあるが。
とはいえお互いいい子だし気になり合っている仲なので、赤面不可避の嬉し恥ずかしコミュニケーションを抜きにして普通に仲良しの友人として微笑ましい会話も多い。
久保さんから話しかけてこないと白石くんは自分が何か悪いことをしたかと心配になったり、
あまり表情が変わらない白石くんの感情の機微を久保さんだけが読み取っていたり、
前述の須藤くん、葉月、タマの5人で仲良しグループになってからも、白石くんと久保さんの間に漂うほんわか空気感に3人が微笑ましい気持ちになったりする。
久保さんの無自覚さと白石くんの気遣い方がすごいので、ふたりの関係は友達以上恋人未満というよりはまだ友達の範囲が妥当だと思っているのだけど、
それでもただ友達と表現するにはふたりの関係はもっと特別なものだと思うので、なんか妥当な言葉がないもんか。
また、作品自体に露骨に性的な描写というのはあんまりないけど、めちゃくちゃ爽やかな青春の中でほんのり微かに劣情をくすぐってくるくらいの薄い香りは漂っていて、
白石くんが車が跳ねた泥を思いきり被って、でも家に入れないときに久保さんが自宅に誘ってシャワーを貸すエピソードで、白石くんが普段久保さんもそこで湯浴みしているはずの浴場で「まずいなぁ……」と考えるところだったり、
逆に白石くんの家に久保さんが遊びに行った際には白石くんのベッドに座る久保さんを見て白石くんが固まったり、そのあと白石くんが飲み物を取りに行っていなくなったときにベッドに転がる久保さんだったり、
白石くんの髪が意外としっかりしている、という話から久保さんの髪を白石くんが触るシーンや、
寝る前の下着もつけていないラフな格好で白石くんの前に出てしまったシーンなど。
わりと踏み込んだ描写もときどき出てくるのだけど、
基本的には爽やかに甘いソーダ味みたいな青春の中に、薄皮10枚剥いだら何かが見えてきそうなくらいの雰囲気で漂うピンク色がなんともいえず絶妙で雅で趣深い。
初期は白石くんが「透明人間 プレイ」を検索していたのを見て久保さんがからかうシーンなんかがあるがたぶん初期特有の黒歴史
ふたりの関係は外側から見てもかなり親しく思われていて、
酒の勢いと可愛い妹への揶揄が半分かもしれないがお姉さんは花見のときのふたりのやりとりを見て「お嫁さん?」と言ったり、妹が泣くようなことがあったときについて「もしものときは頼むぞ少年」と託していたりするし、
葉月とタマ、特に葉月は泣いている久保さんを白石くんに任せたり、久保さんがさらっと白石くんの家に行ったことがあるという発言をしたときには「ツッコんでいいの?」と考えていたりするし、
白石くんのお母さんも、自分の息子が最近学校が楽しそうなことの理由を久保さんに見出して嬉しそうにするなどしている。
そしてこの記事を書いている現在、
ちょっと前から高まっていた久保さん熱の勢いで、単行本派なのに読んでしまったWeb連載分のepisode 110で白石くん目線での久保さんとの出会いが描かれたのだけど、
あまりに心の臓を狙い撃ってくる内容だったので一度死んでおいた。
■作品全体の雰囲気について。
久保さんと白石くんというメインキャラクターふたりが常に中心にいて、その関係性が主体の作品なのでふたりの話からたっぷりどっぷりしたが、そもそもどういう作品やねんという話。
まず、この作品を象徴するキーワードとして「青春」は外せないと思っている。
とはいえ一口に「青春」と言っても、このワードは辞書に書いている内容以上にもっと曖昧で広く包括的な意味を持っていて、
甘酸っぱい恋愛もそのひとつではあるけど、学校のイベントや部活で友達と一緒に全力を注ぐことだったり、学校は関係ないところで友達とバンドを組んでみたり、たぶんだけどダンスとかする人もいると思うし、
なんとはなしに過ごす人でも、なんの変哲もない日常で友達と交わすどうでもいい話が何より楽しかったりするだろうし、
なんだったら20を超えてからキャラクターたちと共にきっと青春が聞こえるような声優さんたちもいるし、そんな人たちに影響を受けて青春まっしぐら!?な人たちもいるし、
解散ライブで「cali≠gariが青春でした!」って言う人たちもいるし、
あるいはそんな青春時代にありながら省エネ主義に基づいて放棄しようとするも「わたし、気になります!」と言われて巻き込まれ、客観的に見ればこの上なく青春を過ごす省エネ主義者なんかもいる。
閑話休題。
「青春したい それはきっと誰もが思うこと」
「だけども僕では叶わない」
という白石くんのモノローグで始まり、
目立たないを越えて存在感がなさすぎる故に青春を謳歌することを諦めていた白石くんの前に、彗星のごとく現れた久保さんという存在によって変化した日常を描く本作。
基本的には久保さんと白石くんの友達以上恋人未満のさらに未満くらいでくっつきそうでくっつかない、ちょっとくっつくかと思いきややっぱりくっつかないくらいの甘くてもどかしいふたりの恋愛模様は間違いなくとても青春だと思う。
だけどそれ以外でも久保さんと出会ってから白石くんが過ごす日常は、ちょっと視点を引き目にして見ると、
須藤くんという友達が出来て、久保さん経由で葉月とタマとも友達になって、きっかけは主に体育祭から5人でひとつのグループになってみんなで全力でイベントを楽しむようになってきて、
久保さんとのふたりの関係も当然青春なんだけど、その周りにいる人たちとも過ごすようになった白石くんのひとコマひとコマは眩しいくらいにただただ青春で、
そんな日々の中で、誰より白石くん自身がそれを嬉しそうにしてくれるのがおじさんおばさんとしては嬉しくてしょうがない。
「青春したい それはきっと誰もが思うこと」というモノローグは白石くん自身に「青春したい」という気持ちがあるから出てくるもので、
でも著しく存在感がないという体質のせいでそれを諦めようとしていた白石くんが、ありふれているようでいて、でも彼にとってとても特別な青春を送っていくのを見守れる楽しさ、プライスレス。
そして、こういう目線で見ていると白石くんのお母さんとか先生のように、
青春を精一杯に生きる若人を見守ってあげる大人の立場への共感がすごくなってくる。自分自身の青春は遠の昔に通り過ぎたから……
まぁ言うて自分は学生の時分にはいろんな面でそれなりに青春を謳歌できたと思うのでいわゆる青春コンプレックスを刺激されることはないけど、逆にそこに地雷を抱えている人は読むとつらいかもしれない。
そしてやっぱりふたりの微笑ましい関係。というか普通にメイン要素だが。
未だに無自覚ながらとにかく気になってしょうがない白石くんにちょっかいを出し続け、そして「私、気になります!」の彼女のごとく白石くんを青春のステージに引っ張り上げるる久保さん、
大事なところで思考の中身をさらけ出さないが、読者的にはたまに「もしかして……?」と思うところがなくもない、久保さんを「友達」だと思っている白石くん。
たぶんほんのちょっと背中を押したら、どっちかが少し踏み込んだら変わってしまいそうなギリギリの関係性を保ちながら、9巻分の時間を経た上でより仲良くなっている様子を見ると見守りおじさんは仏の顔になってしまう。
ときどき来る特定のエピソードを除けば「心温まる」とはまた少し違う作品という気がしているのだけど、
いろんな登場人物の優しさで溢れている世界が現代社会に疲れた庶民の心を癒やしてくれるのもまた魅力。
白石くんと久保さんのふたりの間にある感情はもちろんのこと、ふたりを見守る周囲の友達や大人もそうだし、
「白石くんの日頃の行いがいいから」というのもあるとは思うけど、白石くんを悪意で捉えないクラスメイトたちとかの本当の意味でのモブたちも優しい子たち。おじさん嬉しい。
そしてWeb連載分の話では白石くんがクラスでめちゃくちゃ好意的に注目されるお話まで。おじさん泣いちゃう。
個人的に白石くんと久保さんのデート回で久保さんに絡んできた悪そうな人たち、ふたりの間にある甘酸っぱい空気を察知して「応援してるぜコノヤロー!」って言いながら去っていくのも好き。
■サブキャラクターについて。
メインキャラは上述の白石くんと久保さんだけど、物語というものはメインキャラで成立するというものでもなく、この作品にも当然サブキャラクターがいる。
ここまでの話でけっこう出てきているけど、
久保さんのお姉さんの明菜さん、従姉妹の沙貴ちゃん、
白石くんの弟の誠太とお母さん、
白石くんの友達の須藤くん、久保さんの親友の葉月とタマ、
5人のクラスの担任の先生などなど。
明菜さんはふたりの関係についてはわりと好意的で、先述のとおり「妹を白石くんに任せる」(広義)と発言したこともあるし、「お嫁さん」発言もしているし、久保さんに対してほぼ白石くん前提のからかいをかけたりなど。
沙貴ちゃんは久保さんへの憧れが強い女の子なので、白石くんが久保さんの彼氏じゃないし仲良くもないと知って嬉しそうにしたり、でも間接的に白石くんが久保さんを可愛いと言ったことを知ってめちゃくちゃ照れた久保さんを見て以来、白石くんをライバル視している。
ふたりの関係の本質には勘づいているあたり、本人たちより鋭いと思う。
根は素直ないい子だと思うので、なんかまた白石くんと仲良くなるエピソード欲しいっすね。
白石くんのお母さんはなんか出てくるたびにちょっと泣きそうになる心温まるエピソードを作り上げるお方。
本人の気質もあってあまり学校を楽しいと思えなかった白石くんが、久保さんと出会ってから「学校が楽しい」と言ったことや、友達と遊びに行く白石くんを見て嬉しそうにしたりと優しい親御さんで、
白石くんが擦れずに育ったのはこの御仁のお陰だと思う。ありがとうございます。
須藤くんは久保さんとはたまたま同じグループになっている感がまだあるので、どちらかといえば白石くんの友人、ついでにタマの幼馴染。
1年のときは白石くんや久保さんとは別クラで、かつ白石くんと同じ環境委員で、上手に花を育てている白石くんにコツを聞きたかったんだけど1年間白石くんを見つけられなかったという、意外と真面目で白石くん発見力は低めの爽やか方向音痴イケメン男子。
なんだかめちゃくちゃ白石くんのことが好きらしく、久保さんと白石くんが仲良しなことを積極的に羨ましがるところが微笑ましい。
ふたりの関係をどう思っているのかがよくわからないけど、見てると和むとは思っている。
葉月とタマは久保さんの友人で、葉月は小学校からの幼馴染だけどタマと久保さんはわからん。
葉月はたぶん女の子にモテるタイプで、広告でよく見るのとは違うちゃんとしたサバサバ系女子。でも友達を面と向かって褒めたりするときはうっすら照れる。可愛い。
タマは友達想いのバカキャラ元気系。須藤くんとは幼馴染で、白石くんとも小中どっちかで同じ学校だったらしい。最初は白石くんと久保さんが釣り合うと思ってなかったらしいが最近はそうでもなさそう。
久保さんが白石くんのことを無自覚に好いているのは勘づいていながらも積極的にくっつけたいわけでもなく、久保さんのペースで自然に進展していくのを見守ってあげたりなんだりする方々。
クラスの担任の雲仙先生。
デフォルメ気味のちっちゃいおじいちゃん先生で、本編では担任であることと、1年のときは白石くんと須藤くん、2年では白石くんと久保さんが所属する環境委員の顧問でもあり、ぶっちゃけそれ以外の出番はあんまりない。
だけど7巻の書き下ろしにて雲仙先生がフィーチャリングされたエピソードがあり、
本編では何度か白石くんを見失っているシーンはあるものの1年のときの白石くんの環境委員の仕事を褒めてくれたりとちゃんと生徒を見てくれる先生であることはそれだけでもわかるのだけど、
そんな彼の白石くんを始めとした生徒みんなへの思いやりの深さがより伝わってくるエピソードとなっている。
個人的には白石くんのお母さんと並んで涙腺に来る話にする御仁。仙人だと思う。
このサブキャラクターの項目は先生の話が書きたくて作ったまである。
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このエピソードが好き
具体的にどのエピソードが好きなのよ?という話。
ネタバレを気にする作風でもないと思うけどめっちゃ内容に触れる。
■episode.008 朝支度と何もない日
1巻収録。久保さんの朝支度のお話。
この頃までの久保さんはわりと小悪魔風味だったのだけど、
今日の髪型を悩むところとか、お姉さんのヘアミストをつけるかどうかで「いい匂いって思ってくれるかな」と悩んでいるところとか、初登場のお姉さんにからかわれてぷんすこする様子とか、
それまでの久保さんのイメージとはなかなか変わって小悪魔というより普通に可愛い女の子になっていて可愛い。
そしてこのエピソードの引きが好きで、オチというほどのオチがあるわけじゃないのだけど、
ヘアミストは結局つけてきて、白石くんが登校してくるのを待ち伏せて偶然っぽく挨拶して、なんの反応もない白石くんに対して「…やっぱり気づかないか~」と思って振り返る傍ら、
白石くんの無言の「……」だけのコマで気づいたか……?と思わせつつまったく明言はせず、「なんでもない」で締めるところ、とても味わい深くて良き。
この漫画は本当にこういう沈黙で味を出す終わり方が多くてとてもいい。
このくらいから小悪魔久保さんが普通に素直で等身大で可愛い久保さんになってくる。
■episode.019 DNAとあこがれ
2巻。
存在感がないので、落とし物をしたときに落としたものには気づかれるんだけど落とし主の自分は見失われることが多い白石くんが珍しく落とし物を教えてもらったと思ったら、久保さんの従妹の沙貴ちゃんだったのと、あとエロ本を立ち読みしようとしていたときに注意された本屋の店員さんが久保さんの実姉の明菜さんだと知る話。
白石くんは沙貴ちゃんが久保さんに似ていると思った、
白石くんは沙貴ちゃんを可愛いと思った、
白石くんは久保さんを可愛いと思っている、
の三段論法を明菜さんが仕掛ける回。
そして久保さんが「白石くんが久保さんを可愛いと思っている」ということを知って久保さんがめっちゃくちゃ照れる。
可愛い。
■episode.023 雨の日と帰り道
傘を忘れた白石くんと折り畳み傘を持ってきた久保さん、
久保さんの提案で、存在感のない白石くんが久保さんと一緒の傘に入って気づかれるかどうか試そうというエピソード。
建前で相合い傘ということに気づいてなかった白石くんが思考停止して、なるべく人通りの少ない道を通ってずっとふたりきりの帰り道になったのでそれについて話すときがとても良いのだけど、
最後に明菜さんが陰ながらふたりの後ろ姿を見かけるシーンがあって、そのときの傘を持つ白石くんの久保さん側への傘の傾け方がとても「お前ってやつは……!」となる。
相合い傘で傘を傾けてなんとやらってシーンわりと定番ではあるんだけど、客観的にその相合い傘をするふたりを見るのって意外とあんまりない気がするのと、付き合っていないしお互い気にしあっていたとしてもまだ全然友達だからくっつくわけもなく、この微妙な距離感がまたいい。
■episode.033 委員会と花壇
3巻。
進級して新しく委員を選ぶということで、白石くんと久保さんがめでたく一緒に環境委員になる回。
丁寧に花壇の世話をして咲いて嬉しそうにする白石くんが健気で可愛いのと、
咲いた花を見て喜ぶ女子生徒の存在でこの世界の人に心が綺麗な人しかおらんことに癒やされるのと、
そんな様子を見て嬉しそうにしていた去年の白石くんを思い返した久保さんのニコニコ笑顔が可愛い。
あと特に気にかけていた節はあるかもしれないけど、先生が去年の白石くんの環境委員の仕事を褒めるのがとってもとっても良い。
■episode.040 ~ episode.043
4巻収録。
episode.040 劇場版と満員電車
episode.041 ナンパと上映時間
episode.042 無糖と砂糖
episode.043 映画館と表情筋
白石くんが好きな漫画の映画が公開されるということで、前に白石くんからその本を借りた久保さんと映画デートに行くついでにいろいろ遊んだりする回。
白石くんが前に好きだって言っていたポニーテールにしてきた久保さんが可愛い。
そして電車に乗ったはいいものの満員電車すぎて図らずも白石くんが久保さんに壁ドンする形になるのがepisode.040。
めちゃくちゃ危うい体勢になっているのだけど、そんな中でも久保さんには必死に触れないように気遣う白石くんがとても紳士的。いい男になるで……
白石くんが隣にいることに気づかれずに久保さんがナンパされるepisode.041。
チャラ男たちに彼氏と勘違いされかけて、久保さんの美少女具合と白石くんののっぺり作画の差に一瞬疑問を持たれるのだけど、久保さんが咄嗟に「彼氏です!」と言ってお互いに戸惑い照れる甘酸っぱい空気にチャラ男さんたちも去っていく。
その去っていくときの「応援してるぜコノヤロウッ」「ヒュウ!あまずっぺー!」が好き。
こういう安易にナンパと助けるみたいな感じの展開はあんまり好きじゃないんだけど、なんだかんだ応援しながら去っていくチャラ男さんたちが普通にいい陽キャで和んだ。
そして映画の上映時間を選ぶくだりで、からかうつもりで「帰りが遅くなったら白石くんに送っていってもらう」という久保さんに対してすごく当然の顔で「それはそのつもりだったけど」って言う白石くんがとても紳士的。素敵!応援してるぜコノヤロウッ!
映画の上映まで行ったファミレスにて、コーヒーに初挑戦する久保さんの回。episode.042。
久保さんがとりあえずブラックで飲んでみても当然飲めず白石くんがミルクと砂糖を勧めるのだけど、ブラックで飲む白石くんと同じものが飲みたい、という意地で無理して飲もうとするところ、
白石くんが自分もミルクと砂糖を入れるから久保さんも同じように飲もう、と持ちかける回。
あらすじが全部なんだけど白石くんがずっと紳士的。最高。
映画を見たあと、映画を見るときはけっこう表情が変わるという白石くんの話。episode.043。
ずっと友達がいなくてひとりで笑ってたりすると周りから見ると怖い、という理由で表情を隠すのが癖になった白石くんに対して、「私と一緒にいるときは気にしなくていいのに」という久保さん。このときの笑顔が意外と見ない顔で可愛い。
そして久保さんと別れたあと、今日という日のいろんな場面を思い返して顔を真っ赤にして「僕…大丈夫…だったよな…?」と表情を隠せていたか心配する白石くん。可愛い。
白石くんがここまで大きく赤面するのはこれが初めてで、ここまでの白石くんは久保さんに対して思うところないわけがないよなぁとは思いつつもいまいち胸中が読めなかったのだけど、このシーンの「これこれ~~~~~!」という感じがすごかった。
■episode.044 白石純太
4巻。4巻多いな。
久保さんが初めて白石くんを知るまでのエピソード。
存在感がないと知らされていたのに自分はあっさり見つけられたこと、でも他の人には全然気づかれないのが面白くてずっと見て気になっていたこと、たまたま隣の席になって嬉しかったこと、そしてそのファーストコンタクトなど。
出会いのシーンというものは良いと相場が決まっているので良いに決まっている。
ここから久保さんと白石くんの関係が始まったんだなぁ……と感慨深いものになるし、今の関係に至るまでの過程的なものを彷彿とさせられる。
■episode.051 制汗シートと同じ香り
5巻。汗だくになっても存在感がないのでばれない、と思いきや唯一見つけられてしまう人に絡まれる白石くん。
前にも似たようなことがあったときは久保さんの制汗シートを白石くんが借りたのだけど、今回は白石くんの制汗スプレー的な何かを久保さんが借りて、授業中に同じ香りだねという話をする回。
今回は季節が夏になったのもあって、爽やかな初夏の風と、同じ香りっていうそこはかとないセンシティブ感のコンボが即死コンボ。
白石くんが窓際の席、久保さんがその隣、ふっと吹いた夏の風で漂ってくる白石くん香りをあの授業中久保さんはずっと感じ続けるんだなぁというなんともいえないアダルティックなあれそれがたまんねぇな!という回。
■episode.053 純太とお母さん
5巻。スーパーに買い物に行った久保さんがたまたま白石くんのお母さんと出くわす話。お母さん初登場。
「学校楽しい?」と聞いて「別に」と答えられて以来、なんとなく学校のことを聞きづらくなっていたお母さんが、白石くんのことを楽しそうに話してくれる久保さんにたぶんちょっとダメ元のつもりで久保さんに白石くんの学校の様子を聞いてみたりする回。
そして買い物からの帰り道で白石くん本人に久しぶりに「学校楽しい?」と聞いてみると……?
久保さんと白石くんの関係もそうなんだけど、お母さんの親心にじんとさせられる。
こういう優しいお話がマジでええんじゃ……
■episode.055 自主練と五人六脚
5巻。この前話にて、葉月とタマ、そして須藤くんの5人で体育祭の五人六脚に出ようとなったので、他のメンバーに迷惑をかけないようにということで白石くんと久保さんが休日に二人三脚する話。
わりと息が合ってすんなり走れたりしたのでスピードを上げてみよう、となった矢先に転びかけた久保さんを白石くんが支えるのだけど、
この瞬間の白石くんの横顔がマッッッッッッッッッッジでイケメン。140pの1コマ目!
普段の白石くんってやっぱモブ感を出すためにのっぺり感がすごくて、作中の世界基準でいうとたぶん悪くもないんだろうけど特別良いわけでもない薄さの極みみたいな顔なのだろうと思うんだけど、
転びそうになった久保さんを助けているというシチュエーションも相まって、横顔が本当に本当にかっこいい。マジでただのイケメンになってしまった。性格はもちろんずっとイケメンなのだけど顔までかっこよくなっちゃった。向かうところ敵なし。
そんな白石くんにときめく久保さんがまた可愛い。
最後、お互いにその瞬間のことを思い返して「やっぱり男の子なんだなあ」 とまた赤面する久保さんと、無言で赤面する白石くんがどっちも可愛い。
なんだよもおおおおお!またかよおおおおお!ってなる。
■episode.057 全力と悔恨、episode.058 競争と青春
巻は変わって6巻。体育祭本番。
このエピソードがたぶん全話通して一番好き。
5人6脚の結果は一旦置いといて、久保さんが出場した借り人競争で久保さんが白石くんを引っ張って走るワンシーンがあるのだけど、
そのときに久保さんが言う「見つけた!」のセリフが本当に本当にとても好き。
久保さんが白石くんを「見つけた」ことがこの物語の始まりで、
この体育祭を通して白石くんは改めて自分の過ごしている日々が「青春」であることを自覚して、
この作品の始まり「青春したい それはきっと誰もが思うこと だけども僕では叶わない」というモノローグを改めて回収して、
「でも」「これはきっと誰が見ても 紛れもない青春の1ページだ」と続ける第1話の回収がとても綺麗。
■episode.060 部屋と二人
6巻、白石くんの家に遊びに来た久保さんと部屋で勉強する白石くん。
オブラート15枚を挟んだセンシティブ回。
男の子の部屋に入るのが初めてな久保さんがちょっとはしゃいで白石くんのベッドに座るワンシーン、微々々々々々々々々々々々々々々々々々々くらいでちょっとえっち。
思春期男子は自分の部屋に女子がいるだけでちょっと意識しちゃうしベッドに座られた日にはそりゃだいぶ意識しちゃうもので、直接的な描写なんて一切これっぽっちもマジでまったくないのに奥ゆかしくセンシティブ。芸術作品ですよこれは。
久保さんが帰ったあとの部屋で座り込む白石くんの気持ちもわかる。「さっきまで女子が部屋にいた痕跡がある」ってだいぶ心乱れるもの。
漫画だからわからやすく描写されていないだけでたぶん残り香もあるし、なんだったらそれが一番生々しい
このくらいの奥に引っ込んだ悩ましさ加減がとても好きなのと、なんか自分の青春時代を追体験している節もあって共感がすごいエピソード。
■episode.066 距離感と友達
6巻最後のエピソード。白石くんと久保さんを除く体育祭メンバーで白石くんと久保さんと林間学校の班の話をする回。
正直に言うとこの1話の構成は漫画的に上手いわけでもないと思うし、この作品自体がわりとその傾向はあるがその集約ってくらいにはセリフ回しがかなり説明的かつクサイのだけど、
それでもこういうシチュエーションが果てしなく好き。
堀さんと宮村くんで、宮村が風邪を引いた回の作者さんのコメントで「本人の知らないところでさわさわしてる時に友情を感じます」というものがあって、ほんとこのまんま。
普通に過ごしてきた学生にとっては友達のラインってそんなに高いわけじゃないけど白石くんにとってのそのラインはすごく高いもので、
そんな白石くんをはっきり「友達」って言ってくれることや、ラストに白石くんから言葉にしてくれるのを待つ優しさがとても温かい。ヌクモリティ。
■episode.071 不甲斐なさと心強さ
愛しさとせつなさと。7巻、林間学校編。
泣くほど怖いのが苦手な久保さんが肝試しで迷ったところを白石くんに助けられて、無事テントに辿り着く回。
久保さんが白石くんをどう思っているのかとか、不器用なりに気遣おうとする白石くんの優しさもとても好きなのだけど、
女子のテントに入るのは良くない、ということで久保さんと一緒にテントに入ったりしない白石くんのいいところが出るのがめっちゃ良い。
自分の存在感のなさを逆転して楽しむような見方が出来てもその体質で苦労がないわけはなくて、それでも
「誰も見ていなくてもちゃんとしていたいんだ」
っていう考え方が出来るのは人間が出来すぎている。
■episode.077 夏とスカートの中
7巻、ちょっとえっち回。
何とは言わんけど見られたときの久保さんの赤面顔が史上最強に可愛い。女子高生は基本的に短パンは履いたほうがいいと思う。
■extra episode. 雲仙先生
7巻の書き下ろしエピソード。常に極端にデフォルメされている白石くんや久保さんたちのクラスの担任・雲仙先生のお話。
いつ読んでもちょっと泣きそうになる。先生の鑑。
■episode.025 マウントと仲良しの定義、episode.083 海の家と久保さん問題
3巻のepisode.025、8巻のepisode.083。
前者は白石くんがたまたま出くわした重そうな荷物を持った沙貴ちゃんと出くわす回。後者は沙貴ちゃんのご両親、久保さんにとっては叔父さん叔母さんにあたる方々が経営する海の家にお手伝いに行く回。
随分と離れたエピソードだけど、沙貴ちゃんが出てくること以外にも共通項として「白石くんが久保さんの名前を呼ぶ」というお話。
前者は名前知らないでしょ~という煽りを受けて、後者は周りが久保さんだらけになったので「渚咲さん」と呼んでいた癖のまま本人にも呼んじゃうという流れで。
んでただ名前を呼ぶってだけなら別々でもいいのだけど、名前を呼ばれた久保さんの反応の違いがあまりに愛おしいので並列。
前者では白石くんと別れたあとにこっそり照れており、
後者はとてもいい笑顔で「…純太くん」と返したあとにめっっっっっっちゃくちゃ嬉しそうにするのだけど、
なんかこうこの3巻から8巻までの間にふたりの間にはめっちゃくちゃ沢山のことがあってそれを経て再度名前で呼ばれたときにただ照れるんじゃなくて直接名前呼びを返して嬉しそうにするのってもともと久保さんけっこう白石くんのこと気にしているんだけどそれがさらに特別な存在になっているのが垣間見えて本当に本当にとても愛おしい。
いいよね……名前呼び……今度は意識的に呼ぶのかな……また間違って呼ぶのかな……苗字呼びだったのが名前呼びに変わる瞬間のカタルシスたるや……
■episode.091 ~ episode.094
9巻。
episode.091 待ち合わせとケーキ
episode.092 プリクラとプレゼント
episode.093 帰り道とタイミング
episode.094 夜と手紙
久保さんの誕生日エピソーソで、通して9割白石くんと久保さんふたりきりの回。
もうどれが好きとかじゃなくて全部好き。ピックアップするのがもったいない。
白石くんも久保さんも全部可愛いわ!なんだろうなこの未満のふたりはさぁ!たまんねぇなぁ!最高だなぁ!
■episode.095 教室とチョークアート
9巻、夏休みの誰もいない教室でふたりきり、チョークで黒板に絵を描いて合わせてポーズを取って写真を撮って遊ぶお話。
話全体の雰囲気がめちゃくちゃ好き。
そもそも自分は高校生の恋愛と夏が狂おしく大好きなのだけど、
夏休みだから普段だったら人で溢れている教室に誰もいない非日常感と、ふたりだけでそれを独占する特別感がさらに合わさって最強。
あんまり見開きが描かれない本作だけど、このエピソードの見開きはそんな雰囲気が全部凝縮されていて眩しい。
一枚絵にしてタイトルを「青春」にして美術館に飾りたい。
■episode.099 迷子と捜索 ~ episode.100 晩夏と花火
9巻、いつメン5人で花火大会に行ったら存在感がない白石くんが人混みにはぐれてしまって、見つけられるのか不安になる一同、
そして花火大会にトラウマのある白石くんの昔話。
家族で花火大会に行って両親とはぐれて、花火が終わる頃にようやくお母さんを見つけて、自分も両親とはぐれてこわかったのにまず真っ先にお母さんが楽しみにしていた花火を見れたかどうかを心配する白石くんの優しさが震えるほど切ない。
以来おそらく意識して花火大会に行くことはなかった白石くんが高校2年生になって初めて深く繋がった友達と行く花火大会。
いろんな偶然が重なってまた同行者とはぐれてしまってトラウマを刺激される白石くん。
だけど今度はいろいろな意味で白石くんにとって特別な存在の久保さんがいるわけで。
体育祭のときに久保さんが白石くんに対して「みつけた!」と言う名シーンの再来。
このあと久保さんと一緒に走って3人と合流して5人で花火を見るまで、すべてのページが名シーン。
なんでしょうね、なんでこんな眩しいお話が描けるんでしょうか。訳がわからん。
友情も恋模様も何もかもが青春を形成していて謳歌していてあまずっぺぇあまずっぺぇ。
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終わりに
というわけで「久保さんは僕を許さない」という漫画の話をした。
もともとこういった男女や男男や女女の友達以上恋人未満の関係がとても好きで、
もっと言えば「なんでこのふたり付き合ってないの?」みたいな関係が好きで、
子供っぽい面も大人っぽい面も持ち合わせつつ人によってその比率が全然違う高校生という時期を描いた作品も好きで、
可愛い女子と可愛い男子も好きで、
恋愛やら友達関係やらで真っ向に青春を謳歌している作品も好きで、
現実の厳しさをすべて忘れさせてくれるような優しい世界観の作品が好きなので、
この「久保さんは僕を許さない」という作品は自分にとってあまりに完璧すぎて大変。
9巻の発売直後くらいから書き始めて1か月くらいかけて書いている間、
あんまり連載を追うタイプじゃなかったはずなのに本作については普通に追いかけるようになってしまったのだけど、
その間に更新されたepisode.110や学園祭周りの話が強烈すぎて毎話頭を抱えている。
冒頭に書いたとおりアニメ化も決定したし、
少しずつ距離を詰めながら、でもまだ恋にはならないふたりの関係がとてもとても好き。
永遠にこの関係を見守っていたいけど、でもはっきりと恋を自覚してからのふたりも10巻分くらい読みたいし、付き合ってからのふたりも20巻分くらい読みたいし、でもやっぱりこの関係がずっと続いてくれないものかという幸せなジレンマに陥ってしまう。
何はともあれ、連載を見ているときっともう少しで何かが変わるんじゃないかという気がしているので、
まずはそのときが来ることを期待して。
あとアニメも楽しみ!
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