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依存症と毒母

今回は、高知知子さんの『だいじょうぶ!依存症』という本の中の
『毒母と呼ばれる母親』というコラムが有り、
私が是非お伝えしたいことがありますのでご紹介します。

私達人間の思考も感覚もすべて、
脳の神経細胞で管理されており、
この配置は、だいたい5歳くらいまでに決まってしまいます。

同じように、行動パターンも5歳位までの経験によって固定されると言われています。

例えば、
お金や将来の心配ばかりして抑うつになっている方が、話をしているうちに、
これは自分自身が心配してると思っていたけれど、
実は、小さい頃に母親から聞いていた言葉を思い出して不安になっていただけだった。
なんていう事が実際あったりします。

じっくり冷静に分析すれば、
そこまでお金の心配をする状況ではないのに、
自分でも気づかないうちに、
小さい頃に聞いていた母の言葉を、
自分の『意識』であると思い込んでしまっていたのです。

こうした母子関係において、脳科学者の中野信子さんの、興味深い話があります。

「頭の悪いマウス」同士をかけ合わせますと、
高確率で「頭の悪いマウス」が生まれるそうです。
そしてこの先天的に「頭の悪いマウス」を、
そのままその親に育てさせると、
次の世代も「頭の悪いマウス」が生まれてきてしまいます。
しかし、
その「頭の悪いマウス」を「頭の良いマウスに」に育てさせると、
先天的に「頭の悪いマウス」も「頭の良いマウス」になるのだそうです。

しかも、これは「頭の良い父親」に育てさせても起こりません。

つまり「頭の良い母親」のみに起こる現象だそうです。

このマウスの実験結果のように、
例えはマウスですが、
子供は父親より母親の影響を大変強く受けます。

それが子供のうちに意識として脳に固定され、
大人になってからさまざまな影響を及ぼしていくと考えられています。

依存症になってしまう人の中には、
厳しい幼少期や、虐待等を経験してきた人がたくさんいます。
そして大人になってからも、
それらの体験や記憶を乗り越えられずにいる人がたくさんいます。

それが、問題に向き合わなかった親の、
またその親から引き継がれ、
私達の子供にまで影響を及ぼす世代連鎖にもながっているわけです。

私は、両親から虐待は受けていませんが、
幼少期から母親に甘えた記憶は無く、
遊んでもらった記憶も少ないです。
母はいつも仕事で忙しく、イライラしていました。甘えられる状況ではなかったと子供ながら思って、
諦めていたのかもしれません。


あの頃
もっと抱き締めて欲しかった。
もっと遊んで欲しかった。
もっと一緒に居たかった。
もっと母の笑顔が見たかった。

その積もり積もった寂しさや思いが
思春期になって、
満たされない気持ちだったり、
将来の夢も持てず常に空虚感みたいなモノがあり、そのポッカリ空いた心の穴を何かで埋めたくて、
私の脳は
その穴埋めをしてくれるモノを探して探して、
とうとうみつけてしまった。

それが、過食症やリストカット 買い物依存 アルコール、ゲームやネット依存 というように表れていたのではないかと思っています。

依存性や精神疾患は、99,8%が母親の影響だという方もいます。


私はこれを聞いて、安心しました。
私がこんな症状になったのは、
私のせいじゃないんだと、
母親の影響なんだと、
過去の奥深い所に戻ると納得出来ました。

症状が出て酷い時には、
今更だけど母に子供の頃の事を言っては、
責めて毎日泣いてました。

困った母は、
自分自身に問題があったんだとようやく気づき、
カウンセリングを受けにいろんな所に通い、
母自身が変わっていきました。

私に対する言動も態度も優しくなり、
過食してる私を責めなくなりました。
過食してる私もそうじゃない私も全て受け入れてくれました。

これが私が本当に埋めたかったモノの正体
『母の愛』です。
全てを受け入れてくれる『無償の愛』です。
愛されてるという実感です。

私は精神的に楽になり、
少しずつ自分を愛せるようになり、
家に居るのが心地よくなり、
徐々に回復していきました。

そんな訳で今は、母を責めるつもりはありません。
母も子供の頃、
訳あって自分の母親には一切甘えられなかった事や、私の父も全く母に協力的ではなかったので、
そのイライラで私達子供達に優しく出来なかったのも理解出来ます。

私が自殺未遂をして精神科に入院した時、
母が「あなたが小さい頃、寂しい思いをさせて本当に申し訳なかった。」と謝ってくれました。
涙が出ました。
そして徐々にですが、母を許す事が出来ました。
母を許せたら、自分の事も許せるようになってました。

今、幼少期の息子を育てながら、たまに10年後20年後を想像します。
私は母親で、裏を返せば毒母にもなってしまう。

でもこの子には、私と同じ思いを、絶対させたくない。
生きている事が辛いなんて、思って欲しくない。

ワクワクしながら毎日を生きて欲しいと願っています。

それには、
私という母親がこの子にいつも笑顔で接してあげる事、
一緒の時間を共有し、遊び、抱き締めてあげる事が大切だと思っています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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