見出し画像

同期の男の子 摂食障害の私 体験記⑫

同期の男の子Tくんと一緒に帰った日、駅前のレストランで一緒に夕飯を食べる事になった。
普段はぶっきらぼうな感じのTくんだが、私といるときは何故か優しくて、わかりやすい人だった。
それが、私にはくすぐったい感じで面白かった。

レストランでメニューを頼み、待っていると
彼「○○さんて、その目元が良いよね~」
「俺なんかさぁ、●●だから」
「ジャニーズ系みたな顔になりたかったなあ」
私「………」

どう答えて良いのやら。

私は、別にアイドルの様な顔でもなければ自分の顔に全く自信がなかったから、誉められる事に慣れてなくて、むずがゆい感じがした。
またTくんも、自分の顔にコンプレックスがあるのか、ずっとそんな話しばかりしていた。

ちょっと退屈だった。

頼んだメニューが来て、二人共食べ始めると

「これ、なんか美味しくないなあ」
「なんだよ!こんなちょっとしか無いのかよ。」

気持ちは分かるが、私はそんな愚痴を聞きたくない。

普通に夕飯を誰かと一緒に食べて、他愛もない会話をして、それだけで良かった。
でも、Tくんは終始文句ばかり言っていた。
私は全然料理が美味しくなかった。

この人とは、一緒に食事なんかしたくないと思った。
私の中で楽しめると思った食事が台無しに終わった。

別の日には、デートに誘われた。
正直行くのを考えたが、私なんかを誘ってくれてるTくんに申し訳ないので行く事にした。

駅の改札で待ち合わせをして、一緒に電車に乗った。
彼は私の姿を見て

「何でこんかピッタリとしたの着てんの?」
「!」
私は顔から火が出そうになった。

今の私はちょっと太めだから仕方ないじゃん!
何て事言うのよ!
あ~もうこの人やだ~
デリカシーというのを知らなすぎだ…
と内心私は嘆いた。

自分の思った事をズバリ言うTくんに、ついていけないと思った。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?