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"自殺志願者のシェアハウス"がテーマの劇伴を作っていたら、従兄弟が自死した。
息を飲み込んだ。
「◯◯が自殺した」と連絡があったのは、
真昼間、kasa.のミーティング中だった。
通知音とともに、目を疑う文章がPCに表示された。
そばにいた山下が、反射的にそれを見てしまったんだろう。「何か優先することがあるなら、いいよ」と、声をかけてくれたのを覚えている。
母の日の午後だった。
たった8ヶ月違いの、姉弟くらいの存在。背が高く、痩せ細った身体は父親ゆずり。ヘラヘラ笑う
夏雲
波紋に映る空が
あの日を思い出させる
遠くへ
ずっと遠くへ行った
茹だるように日陰へ駆け込んで
先ほど買った冷たいアイスを分けて食べた
泣いているようにも見えたその頬に
ふわりと風が吹く
ああ、遠くへ行っちゃうんだなあ
頬を撫でた風がその温もりを帯びて
どこまでいくんだろうなあ
私の知らない街
知る由もない街
アイスで冷えた唇が
「夏だね」
そう呟いた