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個展を終えて。豊かさと、これからのものづくりについて考える。

ルイヌノマガジン助っ人のミカちゃんによる個展レポート、見ていただいたでしょうか!

客観的に自分のやったことを読むって、新たな気づきがありますね。嬉しい言葉がちりばめられてて、なにより、力になるな!ミカちゃん、ありがとう〜〜。

今回は私ルイによる、個展の振り返り。作家として、個展を終えてぐるぐると考えていることを記してみます。

混沌とした昨年の活動から、新しい挑戦へ

じーっとしてる期間があると、反動でパワーがグッと出る。そんな周期を繰り返している私です。“じーっと期間” は力を溜めているのだな、とポジティブに思うことにしています。

そんな、じーっとしていた昨年を経て、今年は6年ぶりの個展が決まりまして。久しぶりに自分のなかの「ものづくりはいいな〜!」という感覚を研ぎ澄ませるために、年明けからインプットアウトプットを繰り返していました。すごく好調な今年のスタートでした。

商品づくりと、作品づくり

商品づくりではない作品づくりは、過去の自分を掘り起こすよう。その感覚を取り戻すのは大変ではあるのですが、とてもとても楽しかった。

それは、お客様目線から作り出す「売れるもの」ではなく、自分がいいと思う「自分が作りたいもの」を作ること。

そんな心持ちで、今回作品を作れた気がしました。過去もそうやって作品を作ってきましたが、それが結果として、ルイヌノというブランドの世界観をあげてくれたなぁと思うとすごく誇らしいし、そうだ、こんな風にものづくりをすればよかったんじゃん!と思い出したような感覚です。

でもその反面、めちゃくちゃ、自分主体なもの(作品)だから、受け入れてもらえるか不安で緊張したし、作品に対する対価(評価)として「お金」が動くことへの違和感があった。

この2つが、個展で作品をお披露目したときの正直な気持ちです。じゃあ、個展をするってどんなことなんでしょう?何が目標なんでしょう?

個展の目的と、数字(お金)のこと

ギャラリーオーナーからは、このくらい頑張ろうねと数字があったけれど、正直、それは私にとって大きなプレッシャーでした。売り上げをあげなきゃいけないというプレッシャー…… その数字を越えれなかったら、成功とは言えないの?

もともと何をするにも目的を持っていたい私は、個展を迎えるにあたってどうなったら「これが成功だ!」といえるのか、悶々としていました。そんな私に友人が言ってくれた言葉があります。

「ルイさん、出会いと出会い直しだよ!」

これがとてもしっくりきたんです。そうだよ!それだ!と。ありがとう、友よ!

個展期間中はいろんな人が足を運んでくださって。だいすきな恩師、なかなか会えていなかった友人、お世話になった会社の上司、加工工場の方々、そしてルイヌノファンのみなさん。私が作ったストールが並ぶ空間でおしゃべりをしている。その時間を「私にとってのご褒美にしよう」と思い、在廊していました。

たくさんの方とお話しできて、本当に嬉しかった!

「人と人との場づくり」ができたようで、それが何よりも嬉しいと感じている自分がいました。

ルイヌノの作品を前に、みなさんに楽しい時間を提供できたのではないかな。そして、「あぁ、がんばってるな、ルイ!」そんな風に思ってもらえたかな。そう、それが私の作品への評価なのだとも思いました。

ですが…… ですが、ですよ。

個展のためにバッチリ5ヶ月間準備していた私の時間と、もちろんギャラリーへの対価は「お金」というものにしていかないと、私とオーナーは豊かにならない。お金のプレッシャーは縛りのように思えたけれど、“楽しい場所を作れて、よかったよかった” では終われない感覚。自分の作品に対してみなさんの大切な「お金」が支払われることは、身を削るようなことだな…… とさえ感じたのも正直なところでした。

豊かさとは一体なんでしょうか

私にとって、心地のいい仕事の仕方、いや、生き方ってなんなのかしら?と個展を終えて、ぐるぐると自問自答しています。

今までは、作る(芸術・美)ということが中心課題だった私。自分の作るモノに対して、私はみなさんからお金を受け取っています。私がストールをバンバン売ってブランドを広げていけば、「お金」は多く得られるだろうけれど、気持ちの「豊かさ」にはなりませんよね? 自分の時間も気持ちも削られます。

私は「ものを作って売ること」で社会と繋がっています。私の労働だけでなく、素材や加工に携わる人の労働も生まれています。それはとてもとても貴重なことであり、もっと大切に作っていくべきだと改めて思いました。ひとつひとつ、慎重にしていきたいと。

だからこそ、今までのように売れそうな数を予想して作って販売する形ではなく、欲しいと言ってくれる方のために作る、そんな姿勢に正していきたいのです。これが正しいものづくりの姿勢であってほしい。

人と人の喜びのために、人にも、あらゆる素材、つまるところ自然にも、無理をせずに豊かに生きていきたい。壮大なことではありますが、これが本来、ものを生み出すことの覚悟であるべきじゃないかしら?と思いました。

これからはもっと広い視野で、まずは私の子どもたち・大切な仲間にとって、そして社会にとって「豊かになる」ってどんなことなのか。そんなことを意識して、これからの活動、行動を選択していきたいなと感じた、個展振り返りなのでした。

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