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【他府県の方向け】大阪府公立高校受験 入試制度・出題傾向

皆さん、こんにちは、類塾オンライン教室の山本です。

本日は、大阪府の大阪府公立高校受験 入試制度・出題傾向(国語と英語)についてお話していきたいと思います。
今回の記事は、高校から大阪府に引っ越される方他府県から大阪の受験勉強をしたいという方を対象に書いております。専門用語などは最小限にし、類塾の蓄積された入試データをもとに作成いたしました。


1.大阪府公立高校入試の現状

 最近のデータによると、大阪府の公立中学校の卒業生数が徐々に減少しています。これに伴い、2025年度以降、公立高校の生徒数も毎年減少すると予測されています。これは大きな変化の兆しですが、この背景には何があるのでしょうか?

 まず、公立高校の入試制度が大きく変わりました。以前は、生徒たちが前期と後期のダブル受験を行っていましたが、2016年以降、後期選抜のみに一本化されました。これにより、入試プロセスがシンプルになり、生徒や保護者の負担も減少しました。

 また、同時に私立高校の授業料無償化が拡充されることにより、公立高校への志願者が更に減少し、現在、私立高校への関心が高まっております。特に、私立高校の入試は公立よりも早い2月上旬に実施されており、多くの生徒や保護者が早期に進路を決定し、安心を求めています。

 その結果、公立高校での競争率は一部の人気校を除き、全体的に低下しています。例えば、文理学科やトップ校では依然として競争率が高いものの、多くの学校では定員を満たすことができずにいるという現状なのです。


 大阪府教育庁は、このような状況を受けて、入試制度の見直しを進めています。2024年度からは、段階的に私立高校の授業料を完全に無償化する計画があり、これが導入されれば、私学への志願者はさらに増加する可能性が高いです。そして、2026年度からは新しい入試制度が導入される予定で、これにより生徒や保護者の多様なニーズにより良く応えられることを目指しています。

 ちなみに、よく「他府県から大阪の受験をするのは不利なんじゃないか?」というご相談を受けますが、現在の制度上そのようなことは「ない」と言えます。
 なぜなら、2016(平成28)年度入試より、調査書が10段階の「相対評価」から、5段階の「絶対評価」に変更になったからです。それまでは、各学校内で相対的に評価しておりましたが、大阪府内だけでも地域によっての学力差があり、相対評価が難しくなってきました。そこで絶対評価への変更になり、どこのエリアに住んでいようと適切な合否が出るように改革が進みました。
 ですので、「他府県から大阪の受験をするのは不利なんじゃないか?」という不安な声もありますが、愛知県の内申5は大阪府の内申5であり、秋田県での内申5も同様になります。

2.一方、大阪私立高校の入試の現状は?


 2024(令和6)年度の大阪府私立高等学校の入試では前年より300人ほど多い外部募集人員約2.4万人に対して延べ志願者数は専願(私立受験のみ)約1.8万人(1768人増)、併願(公立と私立を併用)4.6万人(2664人減)と専願が大きく増加しました。
 全体の専願率は31.5%ですが、近年、専願比率を高めようとする私立高校の動きが顕著でしたが、各校の取り組みによって明暗が分かれた形となっています。
 こうした状況の中、興國、大阪学院、大阪産業大附属、四條畷学園、清教学園、履正社、浪速、桃山学院のように定員を100名以上も超えた入学がある一方、定員の半分を満たすことができない高校もあり、学校ごとの募集状況の違いはさらに大きくなっています。

3.大阪府公立高校入試選抜 入試制度概要

〇特別入学者選抜と一般入学者選抜の2つ

大阪府公立高校の入試は、原則、特別入学者選抜(特別選抜)と一般入学者選抜(一般選抜・一般入試)の2つがあります。各々の高校・学科で、どちらかの制度を採用しており、受験機会は1回です。
 特別選抜はデザイン、音楽、体育、芸能などに関する様々な特殊な学科などで行われます。全体の公立高校の8%なので、一般選抜のほうが一般的です。

〇押さえてほしい【併願】【専願】について

 私立高校には、「併願」と「専願」の2つの受験方法があります。「専願」は、その私立高校に合格したら必ず入学すると約束して受験するもので、合格した場合には、ほかの高校は受験できません。
 一方、「併願」は、その私立高校に合格しても、公立高校などの結果を待ってから進学するかどうかを決めることができる受験方法です。公立高校が第一志望で私立高校を受験する場合は、「併願」で受験することになります。
 中学3年生の1月以降、三者面談(三者懇談)で私立併願校を決定していきます。中学校における実力テストや内申点などを参考に中学校の先生や塾の先生と、どの併願校にすべきかを確認しましょう。

〇入試時期は?

 まず受験者は少ないですが特別選抜は私立高校入試終わりの2月の中旬です。また一般選抜は3月中旬となります。特別選抜の方が一般選抜よりも早い時期に実施されますが、特別選抜入試合格後に一般選抜を受験することはできません。

つまり、併願の場合は、
2月初旬:私立入試
2月中旬:特別選抜
or3月中旬:一般選抜

という流れですね。

〇学力検査


 国語・数学・英語の問題については、一般選抜で3種類が作成され、各高校ではそのいずれかを選択して出題されます。後ほど各科目の特徴を記載します。

基本の受験は一般選抜を見てください。

〇英語外部検定スコアでの点数保障


 外部検定テストのスコア等が下記レベル以上の場合、出願時にスコア等を証明する証明書の写しを提出すれば、以下の点数と学力検査の点数とを比較し、高い方の点数が英語の学力考査の成績となります。

大阪府の公立入試のために英検2級を取得する人が多いのは、これが理由です。

 大阪府公立高校の学力検査英語では、2017年度入試より一般選抜については満点の90点に、受験者が出願時に提出した証明書の写しに応じた読み替え率をかけ合わせて換算した点数(最低保障する得点)と、当日受験した英語の学力検査の点数を比較し、高い方の点数を当該受験者の英語の学力検査の成績としています。
 2023年3月に行われた公立高校入試においては、全日制受験者41898人のうち、英語資格を活用したものがおよそ10%。これを学科別にみると、入試難度の高い文理学科が10校全体で59.9%と突出しています。
 最も比率の高い北野(95.4%)を筆頭に、天王寺(84.8%)、茨木(83.2%)、三国丘(75.9%)、大手前(63.5%)と続きます。普通科では春日丘が40.2%と高津(45.1%)、四條畷(44.7%)に並ぶ水準となっています。
 国際文化科を設置する千里は33.5%、住吉が27.8%、箕面のグローバル科では15.7%と、志望する学科が英語等に特色のあるコースであること以上に、入試難度の高さゆえに活用できる資格を事前にとっておき、入試準備を残りの教科にあてられるなどの理由から英検などの資格を取っているものと思われます。
 私立高校においても、清風高校、四天王寺、関西大倉では、公立高校と同様に英検準1級の場合で100点、2級で80点を当日受験した英語の試験成績と比較して高い方の得点を学力検査の成績としています。

〇出願時に「自己申告書」の提出が必要


 あらかじめ教育委員会が提示するテーマ「あなたは、中学校等の生活(あるいはこれまでの人生)でどんな経験をし、何を学びましたか。また、それを高等学校でどのように活かしたいと思いますか。できるだけ具体的に記述してください。」について記述し、出願時に提出します。点数化はされず、字数の制限もありませんが、1200~1400字程度が目安です。ボーダーゾーンでの判定で各学校が定めるアドミッションポリシーに合致しているかが判断されます。

〇学力点と内申点の判定比率


 各高校では、あらかじめ次の5タイプからいずれかを選択。学力検査、調査書評定の比率を高校ごとに定め、合否判定のための総合点が算出されます。

一般的な一般選抜を色分けしております。一般的には難易度の高い高校ほどタイプⅠに近いです。

〇合否判定

一般選抜(特別選抜は割愛)
1) 総合点の高い順に募集人員の110%に相当する者をⅠ群とする。
2) Ⅰ群において、総合点の高い者から募集人員の90%に相当するものを合格とする。
3) 残りのⅡ群(ボーダーゾーン)の中から、自己申告書及び調査書中の活動/行動の記録を資料として、その高等学校のアドミッションポリシーに極めて合致する者を優先的に合格とする。
4) 3)による合格者が募集人員を満たさない場合は、総合点の高いものから順に募集人員を満たすよう合格者を決定する。


4.各科目を知ろう!~高校によって異なる問題パターン(A問題、B問題、C問題)~

 公立高校の受験科目は5教科(英・数・国・理・社)です。理科と社会は共通問題ですが、英語・数学・国語に関しては3種類の難易度(A・B・C)の中から、各高校が問題を指定します。Aが基礎、Bが標準、Cが発展、という位置付けです。当然難関校はC問題を選定します。

 年度によって、問題パターンが変更される場合がありますので、志望校を定める際に、必ずこちらを確認をしましょう。

 他府県からの受験の際に、特に早めの対策が必要なのが「国語」と「英語」です。

〇国語は作文が入る


 国語は必ず作文が入ってきます。配点はA~Cによって若干異なると言われておりますが、18点~20点となります。90点配点の国語のうち20点はかなり大きな配点となります。更に50分の授業で10分も時間が取れないので、日頃から作文の「お題の読み込み→構成→記述→読み直し」のスピードを上げて練習することが必要です。
 類塾生は作文の授業を通じて、毎年かなり得点の高い作文を書いてくれますので、ぜひご安心ください。


基本の受験は一般選抜を見てください。

〇英語は時間との勝負!


 英語はB問題であれば、一般的な対策で十分点数が取れていきますが、C問題は注意が必要です。C問題は時間との勝負になるからです。
 英語のC問題は、文法問題、長文問題、自由英作の問題があります。かなり盛り沢山。問題の難易度が高いことはもちろんのこと、一番の課題は『時間』です。問題の量の多さに比べて時間は30分(筆記)とかなり短く、手を止めて考える時間はほとんどないと言えるでしょう。英語長文の速読・読解が必要となります。
 
またリスニングも設問が英語で放送されます。配点は、全体の3分の1を占めるため絶対にはずせません。文理学科を受ける生徒があらかじめ英検2級を取得するのも納得です。

 他の教科の傾向と対策・類塾オンライン教室での受験指導については後日、違うブログで書かせていただきます。

5.最後に~他府県から大阪受験される方へ~


 上記で見ていただいたように、大阪府の入試制度は少し複雑で、いったい何を知っておくべきなのか、困っている保護者の方も多いのが実情です。
 ただ、結局は「努力の方向を間違えないで、受験勉強をコツコツやり続けられるか」が全てになります。
 細かい入試制度(学力点と内申点の判定比率やABC問題等)はありますが、大きくまとめると「中学3年生だけ頑張るのではなく、中学1、2年生からの日頃の勉強姿勢も見ますよ~」ということです。
 大阪府以外からの受験生は、なかなかネットを見ても状況が分からず、何をすればいいのか、悩むこともあるかと思いますが、受験に関する情報の中で「…知らなかった…!」と後悔することがないように、必要な制度をその都度お伝えさせていただき、その子に合わせた受験戦略を一緒に築きながら、受験をサポートさせていただきます。

 他府県からの大阪受験で関西NO.1の実績がある類塾オンライン教室だからこそ、受験に関することで、些細な悩み・不安などがありましたら、お気軽にご相談ください。


 今回は、大阪府の入試の変遷・具体的な各学校(公立・私立)データ・各教科の勉強法は割愛させていただきました。もう少し知りたいという方は、「ウィニングチャート(Winning Chart)」という無料テキストをお配りしております。

 気になる方は資料請求の際に一度おっしゃってください。生徒さまのご状況に合わせて無料配布・ご説明をさせていただきます。

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