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北の空を眺めた1年間
この記事は、私が名古屋から北海道に想いを馳せた1年間の記録です。
出会い
ちょうど1年前、2022年9月4日。
私は「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022」の特集番組の見逃し配信をTVerで流し見していました。
高校時代に欅坂46のファンだった私の目当てはもちろん番組MCの長濱ねるさんです。
08.23放送「ねる、取材行ってきます」より
— ねるる(ꈍ﹃ ꈍ❀)未定 (@nemui_mitei) August 24, 2022
※Tver、FOD配信あり
※BS再放送あり:08.27(土)26:00~27:00#ねる取材 #タイトル未定 #TIF2022 pic.twitter.com/P78qNW4E06
先週、TIFの番組を流し見してたら1分弱くらい?映ったパフォーマンスが衝撃的に美しかった #タイトル未定。
— るい (@rui_kyz) September 11, 2022
気になって聴いてみたら、北海道の雄大な自然を思い起こさせるメロディと歌声に泣きそうになる…
来週、名古屋に来てくれるみたいなので行ってみる☺︎https://t.co/MAkLMvZQiT
流し見なんて、1年後どころか下手したら1週間後にはもう内容を覚えていないものですよね。
でも、心を震えさせるその歌声とそのときの自分の感情は、今でも鮮明に思い出せます。
のちに彼女たちが北海道のグループだと知ったときは、妙に納得しました。
ちなみにこの『鼓動』の作曲者、TRIPLANEの江畑兵衛さんも北海道出身です。
その圧倒的な歌唱力を武器に、クリエイターユニット「otsumami」のフィーチャリングボーカル「mikan」としても活動している冨樫優花さん。
当初は、音楽的にはもちろん、SNSなどで見せる感性を含めて彼女への興味が大きかったです(現在は箱推し)。
いつか / タイトル未定
— 冨樫優花 (@Title_Yuuka) June 11, 2020
時々、自分が分からなくなってしまう度聴き直している曲。
この道で始まったばかりの私を応援してくれている方へ
感謝の気持ちを込めて歌いました。
“ 燃えるようなあの気持ちは
どうか消えませんように ” pic.twitter.com/QddR4GXZaw
(前略)SEKAI NO OWARIさんには大きな影響を受けていると思います。ボーカルのFukaseさんの過去を勝手ながら自分と重ねていた部分があって、バンドのコンセプトやメッセージに共感しました
影響を受けたアーティストとしてSEKAI NO OWARIを挙げていたことや、同世代であることから、私もまた優花さんを自分と重ねていました。
きっとこの人の唄は今の自分に寄り添ってくれる、そう思いました。
このときから現在まで、タイトル未定のパフォーマンスには目頭が熱くなります。これは未だに上手く言語化できない不思議な感情です。
アイドル界そんなに詳しくないですけど、ライブがあるたびにタイムラインが「泣いた」って感想で埋め尽くされるグループ、そうそういないんじゃないですかね#タイトル未定
— るい (@rui_kyz) June 4, 2023
#TIF2023 Day3#タイトル未定 SMILE GARDEN
— るい📛Zepp Sapporo (@rui_kyz) August 6, 2023
終わってからしばらく、涙と震えと鳥肌が止まらなかった。これなんていう感情なんだろ。去年のTIFで知ってから約1年間で、自分にとってこんなにもかけがえのない存在になっていたんだなって再確認できた3日間でした。
タイトル未定。一見すると奇を衒ったようなこの名前は、グループのコンセプト「何者かになろうとしなくていい。何者でもない今を大切に。」を端的に表現していることをのちに知り、運営のセンスも良さそうだなと感じました。
現実的な話、メンバーや楽曲がどれだけ魅力的でも、運営やライブ現場の雰囲気が肌に合わないと推し活を続けることはしんどいものだと思います。
ガンバレるかな
まだ定まっていない、足りない、未完成であるということを表現している。20歳前後の将来に対しての、何者にならなくてはいけないという不安になる気持ちの葛藤。また何者にでもなれるという希望を込めてこのグループ名をつけました。
私がタイトル未定に出会ったのは、まさに20歳のタイミング。
専門学校を卒業して社会人1年目。自分で選んだ道だけれど、本当にこのままでいいのか悩んでいた時期でした。
最適解とは正しい答えを探す事じゃなくて、
どんなに最悪の状況でも
自分の選んだ答えを信じ続けてあげる事だって。
タイトル未定の世界に触れるうちに、私は少しずつ、より深く自分と向き合うようになります。この出会いを、より意味あるものにしたかったのかもしれません。それが彼女たちから受け取った想いに対して恩返しになるのかなと今は思っています。
もしもいつか、《本気で頑張る事》が出来たのなら沢山応援させてね。私は誰かの勇気になりたくてアイドルやってるんで✌🏿逢い続けて貰う為にステージに立ち続けている訳では無いのでね、本当の意味でのアイドルになりたいんだ
— 阿部葉菜 (@Title_Hana) December 1, 2020
踏切沿いの帰り道で
いつかの主題歌が流れていた
「ガンバレるかな 綺麗事ばかりじゃなくて」
遠い空に五つ星 薄い光に照らされては
覚えているあの日の鼓動
ガンバレるかな。頑張れるかどうか、情熱をそそげるものに出会えるか、自分の居場所を見つけられるかは運によるところが大きいと思います。
誰だって頑張れるんならそうしたい。
頑張れないことが苦しい。
頑張れる場所が欲しい。
しかし残酷にも、それでも進んでいなければ、その運を掴むチャンスも来ない。
いつ「その時」が来てもいいように準備しておきたい。
そんなとき必要なのが、道標となるもの。
自分にとってのそれは、出会ったあの日の心臓の高鳴りでした。
私はその鼓動を信じて生きていたいです。
嘘のない場所
普遍的な思いに寄り添い、高いレベルで表現する。
正直、こういうアイドルやアーティストが珍しいわけではないと思います。
じゃあ、なぜこんなにもタイトル未定のメッセージは深く伝わるのか。
それはメンバーそれぞれからさりげなく感じる人間味、そしてそれが自分の延長線上にいる存在なんだと感じさせてくれるからだと思うんです。
芸能人などメディアを通して見る人間は、ステージの上やカメラの前はもちろん、それ以外の場でも、少なからずその職業を演じているはずです。アイドルなんて特にそうでしょう。
そんな中、彼女たちは活動をする中での葛藤をファンに見せてくれることがあります。
グループの楽曲や世界観を、ステージ上だけでなくアイドル活動を通して体現している。歌詞に嘘をついていない。
コンセプトや楽曲を理解した上で活動しているからこそ、その表現は多くの人に深く伝わるのでしょう。
詩か、コンセプトのおかげがアイドルをやっていると言うよりかは人生に向き合ってる感じが楽しい!可愛いだけのアイドルなんてつまらないもんね!
— 阿部葉菜 (@Title_Hana) September 21, 2020
歌が上手い人とか声が良い人ってアイドル界だけじゃなくて世の中に死ぬほどいるから、私は 「歌詞に嘘をつかない」 で戦っていこうと思う。これからの私の姿、見ていて!
— 阿部葉菜 (@Title_Hana) April 25, 2023
ストイックな彼女たちですから、楽曲の主人公に対して特に深く向き合うことになる『薄明光線』『溺れる』等を披露した後は、次の楽曲にその世界観を引きずってしまうことがあります。タイトル未定は、それがライブの醍醐味になっているように思います。
北海道で生きるということ
タイトル未定はなぜ北海道を拠点にできているのでしょうか。経営的に考えれば首都圏で活動していたほうが良さそうですよね。
アイドル文化が栄えているとは言えない北海道のコロナ禍で活動を続けてこれたこと、拠点でないのに毎回の遠征で東京にたくさんの人が集まってくれること、当たり前じゃなくて奇跡です。ありがとう、もっと頑張ります。
— ついま(松井広大) (@tsuima210) October 7, 2021
東京のアイドル市場は需要と供給のバランスが崩壊しているから。というビジネス的な視点は置いておき、それを可能にしているのはメンバーのモチベーションです。
彼女たちの活動を追っていると、北海道を盛り上げたいという想いが伝わってくることが多々あります。
北海道出身の3人はもちろん、タイトル未定のために埼玉県から引っ越した阿部葉菜さんもそうです。
こちらの記事も参照してみてください。
いつか、北海道を舞台にした映画を作りたい。大自然の中で生まれた感情と共に舞い踊るの。脚本を書きたいし、主題歌の制作をしたい。何年かかってでも絶対に叶えたい夢のひとつです 😌
— 冨樫優花 (@Title_Yuuka) July 14, 2022
東京など遠征先でのライブで「北海道からやってきました。タイトル未定です」と自己紹介しているところを見ると、北海道を背負っている感じがしてジーンときてしまいます。
0回目のライブ
存在を知ってから約2週間で、北海道のアイドルに愛知県で会える機会があるなんて持ってますよね。
アイドルといえばメディアアイドルしか知らなかった私は、慣れない空間にドキドキしながら入場したことを覚えています。
DUBRISE❗️エーイト✌️
— タイトル未定 (@MiteiTitle) September 18, 2022
名古屋の皆さんありがとう👋#タイトル未定#ヌュアンス#衛星とカラテア1411kmの旅 pic.twitter.com/B3fBQn4vvA
2週間前に知ったばかりの実力派4人組、タイトル未定。
— るぃ (@rui_kyz) September 18, 2022
以来、仕事中ずっと聴いているほど楽曲も歌声も狂おしく好きなんだけども、ちょうど名古屋に来てくれたので行ってみた。以下感想(一部)#タイトル未定 #冨樫優花 #阿部葉菜 #川本空 #谷乃愛 #DUBRISE8 pic.twitter.com/4ghzX7zCyB
ライブアイドルに関して無知だった当時の私は特典会というものをよく知らず、ライブ終了後すぐに帰ってしまいました...…
越冬
2023年1月にも名古屋に来てくれたり、2月にはグループにとって大切なZepp Sapporoでのワンマンライブもあったりしたのですが、私は行きませんでした。
この時期の私はタイトル未定に限らず色々なエンターテイメントから距離を置いていました。冬になると体調が優れず精神的にも苦しい日々が続いてしまいます。
そんな私を繋ぎ止めてくれていたのが、Mirrativにて行われた川本空さんのゲーム配信やラジオ配信でした。
終始ほんわかとした雰囲気で進行していくのですが、持ち前の知識とユーモアを活かしつつ政治や労働問題などにも触れていました。(笑)
柄にもなく仕事でイライラしちゃってたんだけど、#ちくわANN のアーカイブ聴いてたら浄化された(´∀`)
— るい📛Zepp Sapporo (@rui_kyz) April 12, 2023
空ちゃんはアイドル活動と学業を両立しており、遠征の飛行機も1人だけ別便ということもあります。忙しいはずですが、様々な形でファンを楽しませてくれます。
遠征で一人だけ広島のホテルだったとき#タイトル未定 #川本空 #プリプリちくわ pic.twitter.com/eiUtJ7MUMm
— 川本空 (@Title_Sora) October 10, 2023
今の私にとってタイトル未定はエンターテイメントの域を超え、生活に寄り添ってくれています。
だからもう、どんなに長い冬が来ても大丈夫な気がします。
余白
タイトル未定が大切にし、共感を集めているのがグループのコンセプト。それをステージで継時的に体現しているのが谷乃愛さんだと思います。
タイトル未定に加入する前からアイドル活動の経験があり、歌唱やダンス、トークなどを高いレベルでこなしています。
しかし数ヶ月前の映像を振り替えると確かな成長に気付き、「あのとき葛藤し乗り越えていたのかな」なんて思うことがあります。
スーパーアイドルとか万能ガールという肩書きがあって、初見では完成された存在という印象を持つ。
— るい📛Zepp Sapporo (@rui_kyz) May 31, 2023
でも実は葛藤しながら日々成長している等身大の彼女。
唄を届け続けてくれて、
日々を照らしてくれて、
有難う。#谷乃愛 #タイトル未定#TIF2023 #TIF2023PR大使#TIFの顔を目指します https://t.co/Nbp3Td4QT6 pic.twitter.com/3GwfzCE9ag
努力は隠すのが美徳という風潮もありますが、少なくともタイトル未定のコンセプトにおいては隠すでも見せるでもなく努力を感じさせるほうが合っているように思います。
それくらいの余白が、彼女たちの活動にはあります。
タイトル未定が期間レギュラーを務めたラジオ番組では「谷乃愛の日本語教室」と題したコーナーで、自身が苦手とする日本語力で番組を盛り上げていました。
周りをよく見て自分に何が求められているかを瞬時に判断できる乃愛ちゃん。
評価されるべきなのは臆することなく発言するその姿勢です。これも一つのプロ意識なんだと思います。
夢の力
一方、パフォーマンス以外でもグループのコンセプトを体現しているのが阿部葉菜さんだと思います。
彼女は夢や目標をよく公言します。
たぶんさ、『おっきすぎるかな〜!』みたいな夢掲げてたらいつの間にか色々小さい目標って達成してると思うんだよね。だから私は少し大袈裟に夢を語らせて貰ってます、きっとこれからもそうする
— 阿部葉菜 (@Title_Hana) December 10, 2020
あんなに絶望してた日々が遠いや、あの頃の自分に夢は叶うんだよ、夢があって良かったねって今なら胸張って言えるな、いつもありがとう。毎日が楽しいです。
— 阿部葉菜 (@Title_Hana) April 28, 2023
今もハッキリと言える。ここが私の居場所です! https://t.co/jX9gn5vUIX
— 阿部葉菜 (@Title_Hana) July 31, 2023
居場所を見つけるまでに色々な経験をしてきた彼女はきっと、夢を持ち目標を立てること、そしてそれを口にすることの大切さを知っているのでしょう。
タイトル未定は夢を持つこと口に出すことの大切さを歌うだけでも素敵なのに、それを行動で結果で教えてくれる https://t.co/kMCDQGrfEy
— るい (@rui_kyz) April 21, 2023
コンセプトの体現は、タイトル未定にストーリー性をもたらし、ファンが推し続ける理由にもなり得ます。
9ヶ月目のはじめまして
2023年6月、また名古屋に来てくれることになりました。
全国版シングル『花 / 栞』リリース期間の活躍を見てタイトル未定にさらに深くハマっていた私は、躊躇なく会いに行きました。
【NAGOYA TOURIST】
— るい📛Zepp Sapporo (@rui_kyz) June 25, 2023
23.06.24 @ Erectric Lady Land
どの瞬間を切り取っても写真映えする。ルックスはもちろん、後ろで踊っている(配信だと映らない)部分も集中して世界観を創り上げている。
歌唱力とキャッチーな振付は、フロアを自分たちの空間にするのに大きな役割を果たしていた。#タイトル未定 pic.twitter.com/n3b0DyBC4Z
そしてこの日は初めて特典会に参加しました。
元々人と話すのが得意ではない人間が、好きな人との初対面で上手く話せるわけもなく......
しかしその日の帰り道は満足感で溢れていました。メンバー4人ともSNSで認知してくれていたことが分かったからかもしれないです。
例の動画を固定ツイートにしていることまで知ってくれていた。リアル “深淵もまたこちらを覗いている”
— るい (@rui_kyz) June 25, 2023
「あの動画が好きな人とは仲良くなれる」
やっぱり短くシンプルな言葉にも力がある。欲しい言葉をくれる。
歩くパワースポット。
note好きです。#阿部葉菜 #陽だまり園 #きょうの光合成 pic.twitter.com/u2fvKMqFIV
(阿部葉菜さん作「今日も推しが なんまらめんこい」Tシャツを着る私)
と言いつつ、SNSではメンバーに認知してもらうことはあまり重視していなくて、メンバーを褒めて自信を持ってもらうことでより良いパフォーマンスを見せてくれるのかなと考えながら発信しています。
あと、良いと思ったものには「いいね」と言っていかないと、エンタメ業界は成立しないような気もします。
推しとは対等な関係であるべきだと思ってるので、自分の(勝手な)期待に推しが応えてくれるのと同じように、推しからの期待(のようななにか)にも応えられるような推し活を目指してます。だからリツイートされることが続くと(少なくともその意味では)理想のファン像に近づけた気がして嬉しいです☺︎
— るい📛 (@rui_kyz) August 8, 2023
それから、ファンの皆さんが推し活を楽しめる情報を共有することが、タイトル未定が続いていくことに繋がるのかもしれない、とも思っています。
【タイトル未定の北海道札幌探検隊】
— るい📛Zepp Sapporo (@rui_kyz) September 1, 2023
今週末から北海道に遠征するタイトル未定ファンはもちろん、道民のみなさんも聖地巡礼の参考にしてみてください🐮https://t.co/sg8pkQ9TL1
この時期から、オンラインチェキやライブBlu-rayを購入してみたり、タイトル未定が参加するフェス「TIF」「NEO KASSEN」の配信を視聴するなど、自分なりに推し活を加速させていくことになります(お金を使うことは大切ですが、それだけが応援だとは思っていません)。
そしてこの名古屋でのライブから数日後には、9月の札幌行きの飛行機を予約していました。
2年目が始まる
文字通り名も無きローカルアイドルグループが腰の重い私を北海道に呼んだという事実は、私を知る人間からしてみればとても驚くことだと思います。
それはきっと彼女たちが、どんなに遠い場所でも、どれだけ深い暗闇だって、そのぶん強く光り続けてくれているからです。
いま2年生だとして、来年以降どんどん忙しくなるだろうから……大学いったことないから知らないけど。
— るい📛Zepp Sapporo (@rui_kyz) July 12, 2023
逢えるうちに、見られるうちに。 pic.twitter.com/UwbgaKM2lq
私がタイトル未定の作品に触れて感じることのほとんどは、私がグループのコンセプトにあるような年齢(≒メンバーと同世代)だということに起因するのかなと思っていました。
しかしSNSを見たりライブ現場に行ったりすると幅広い層に共感・支持されていることが分かります。
私はその方たちを見ていると嬉しくなります。未来の自分も、タイトル未定を必要としながら生きているイメージができるからです。
タイトル未定は、どんな人生にも寄り添ってくれると思います。
今日、2023年9月4日。
タイトル未定に出会ってちょうど1年。
彼女たちは私の人生を大きく変えてくれたし、これからもきっとそうでしょう。
そんな今までの感謝を伝えに、これからを受け取りに、明日、北海道にお邪魔します。
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