想いを乗せて、今日もまた
空港内、非日常の空気、外国人の旅行者、浮足立った人たち
週に1回、国内の出張があるのが常だった
慣れているはずの空間を、いつも緊張しながら歩いていた
お母さんに連絡するときは、口先だけで
「もう慣れたもんだよ、空港に着くのなんか30分前だし」
と言っていた
その日は札幌に向かっていた
いつもと違うのは、ひとりきりのバースデーになってしまうのを覚悟しながら歩いていたことだ
神奈川県にいられたら家族と楽しく過ごせたのに
窓側で景色を撮影する
外で手を降ってくれる整備士の方々が見える
滑走路に向かう道、回転した機体
晴天が眩しくて、思わず目を細める
到着した滑走路では、どんどん速度が早くなっていく
緊張とともに、グッと圧力がかかり、一気に機体が上昇する
この瞬間に、自分の気持ちもグッと上げて、目的地へと想いを馳せる
飛行機とは似ても似つかぬ、この身体に込められた想いは、已己巳己、飛行機そのものだった
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