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台湾のグラフィックデザイナーは政治を参与するのはなぜか?

日本では、よく「若者が政治に関心がない」という話やニュースなどが聞いたことがあります。私は今日本人20人がいるシェアハウスに住んでいるので、シェアハウスの人から確かに日本人は政治の話しないのを教えてもらいました。しかし、コロナによる日常生活が危機を受けて、SNSで若者の間に政治への関心が高まっている気がします。一方で、いつもSNSや日常会話の中でも政治について議論している台湾人は、日本人から見るとまさかの「政治マニア」なのではないでしょうか(笑)台湾で一番使われているSNSのフェイスブックでは、毎日のトレンドに必ず政治の話題が入ってあります。特に、政治に関するネタやミームを作ってたくさんシェアするのが台湾人の独特な好みなのかもしれません。今年の総統選挙の投票率は75%くらいで、ほどんとの台湾国民が投票を参与したことを達成しました。

今回はこういう社会の雰囲気は台湾のデザインとどのような関係あるのか、台湾のデザイナーたちが政治について何を考えているのか、いろいろ分析しようと思います。

1.台湾人は基本的に政治を話さなければなりません

第二次世界戦争後、中華民国政府(国民党)は中国共産党との内戦で負け、日本の統治から離れた台湾に上陸してきました。その頃の現地にいた「台湾人」(本省人)と合わせて今の台湾になります。そして、台湾はいろいろな事件を経ち、自由の民主主義へ向かって歩い、民進党など国民党以外の政党もだんだん立ち上げられました。今の自由である台湾は先人たちが血と命をかけて守ってきた宝島とも言えます。

一方で、台湾現地の発展にもかかわらず、中国共産党は台湾を統治領地として「一国両制(一つの中国の中で、二つの制度がある)」と思い込んできます。中国政府は国際的な場合で「台湾」を国としてを認めないという姿勢で、裏で表で様々な行動によって台湾の主権を脅しています。しかし、国立政治大学選挙研究中心の調査により、2019年に行う全国民のアイデンティティについて、自らが「台湾人」だと思っている人は六割に近いことが分かります。そして、その状況をこういう風に想像してみれば、もっと台湾人の気持ちが共感できると思います。通っている学校で隣のクラスメイトは、自分に強い「好意」が持つが、自分はその好意に答えられないです。それで、彼はどんどんせめてきます。どこに行っても彼は連れてきたり、勝手に体を触ってきたり、怒るとカッターナイフを持って他のクラスメイトに自分が「俺の人だから、余計なことするな!」と叫びます。というのはもはや「いじめ」なんですね。それに対して、自らの安全や生活を守るために、台湾人は基本的に政治に対する関心及び危機感を持たないといけないですね。

2.デザインは社会問題を解決する、文化を担うための専門である

こういう台湾人の集団的な不安はある程度の社会問題と思われています。そこで、台湾のデザイナーはデザインの力で突き込んできました。一番直接な方法は、政治に参与するということです。一般的に、デザイナーは政治において鮮明な立場を表明しないですよね。デザイナーは作品を公的に発表するので、注目されるというところは芸能人と一緒だと考えられます。しかし、政治はもはや社会的な問題である台湾の場合は、もし全てのデザイナーがそれを避けると、問題を解決すべきというデザインの本質に背馳します。さらに、デザイン先進国になるために努力している台湾で、政府のデザイン及びアートに関する支援政策はまた整ってないです。そこで、政治に関わることで、デザイナーはもっと、もっと自分の権利を守られるのではないでしょうか。

3.台湾選挙についていろいろ斬新なデザイン

まずは今年の総統選挙に関するデザインを紹介しようと思います。ちなみに、日本の議員内閣制と異なり、台湾は直接民主制で国民たちが総統を選ぶので、毎度総統選挙の前に台湾人がワクワクしている雰囲気になります。

▲ 日本のタイポグラフィに関する本や情報を通訳して台湾で出版する葉忠宜(Yeh Chungyi)さんは、台湾主権を訴える民進党の総統候補者「蔡英文」(選挙番号は三番でした)に応援するために、デザインした旗です。▲

▲そのデザインをTシャツまで発展されました。一番目のイメージはグラフィックデザイナーの李君慈(Li Jyunc-cih)さんで、二番目のイメージはデザイン業界で活躍しているデザイナーやクリエイターたちです。▲

▲グラフィックデザイナーたちがコラボして「#GraphicDesignForDemocracy2020」(2020年民主のためのグラフィックデザイン)というハッシュタグを作りました。そのタグをクリックすると、様々な作品が載せてあります。▲

また、台湾の一番知名度高いグラフィックデザイナーの聶永真(アーロン・ニエ)さんは蔡英文総統の2016年の選挙メインビジュアルデザインを手掛けました。

▲そのメインビジュアルを元に、アニメーションに発展させました。(アニメーションは台湾アニメーションデザイン事務所の白輻射影像Whitelight Motionが制作しました。)▲

実は、聶永真(アーロン・ニエ)さんは総統選挙のデザインの前から、いろいろな議題を参与してきます。例えば、「Democracy at 4 am(夜明けの民主)」という「ニューヨーク・タイムズ」紙に広告が掲載されたプロジェクトがあります。2014年、当時与党の国民党の議員たちは、あえて議会で混乱をもたらし、台湾と中国の間にサービス市場を開放する「サービス貿易協定(兩岸服務貿易協議)」を可決されたと一方的に発表しました。それに対するデモが行われ、300名を超える学生が議会に入り、会場を23日間くらい占拠しました。それは「ひまわり学生運動(太陽花運動)」と呼ばれ、そして、デモの状況を即時に世界に発信するために、現地のメディアの設置から公式ウェブサイトやこのニューヨーク・タイムズの広告まで、素早く立ち上げられました。

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▲「Morning without YOU is a dwindled dawn(あなたのいない朝はまっくらな夜明け)」というアメリカの詩人のエミリー・ディキンソンの名言を引用し、載せてある写真は現場で警察の放水砲に攻撃された学生たちの様子です。「ひまわり学生運動」の情報を広くて発信しました。▲

「ひまわり学生運動」の6年後、コロナの爆発にもかかわらず、中国の圧力によってWHOに排除された台湾は、WHOのテドロス事務局長の「台湾から人種差別的攻撃を受けた」という根拠のない発言に中傷されました。聶永真(アーロン・ニエ)さんはもう一度「ひまわり学生運動」のチームと手を組み、クラウドファンディングで資金を集まり、「世界と一緒にコロナを闘って立ち向かいたい」という台湾の民意を世界に発信するためにニューヨーク・タイムズに「WHO can help? Taiwan.」という全面広告を出した。

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▲WHOのロゴカラーの青色を使い、コピライティングで機関名の「WHO」と英語の「誰」との二重意味を兼ねさせます。上の入り口から下の出口は、コロナの対策が早くて整った台湾は世界の役に立っている姿勢をとり、世界と手を組んでコロナ禍からの出口になれるという決心が示しています。▲

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▲広告と一緒に出た特設のウェブサイトです。コロナが爆発前後のタイムラインも掲載されます。▲

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▲原始データは自由にオープンダウンロードできるので、いろいろなバージョン出てきました。▲

2016と2020年蔡英文総統の就任記念グッズも、聶永真(アーロン・ニエ)さんがデザインしました。

▲2016年、総統就任記念の限定台湾ビールです。ピクセルの総統や様々な国民たちと並んで、国民と同じ線に立てるというイメージが可愛いですね。▲

▲2020年、総統就任記念の台湾ビールはアルミ缶の形で限定発売しました。前回のピクセルのデザインを元に、多様な価値観を含まられるオープンな政府の役を、花火の打ち上げるように矢印やカラフルな幾何図形のデザインで伝います。▲

▲2020年、総統就任記念の熟年高粱(コーリャン)酒です。台湾の伝統的な陶磁器作り職人とコラボし、台湾の象徴である最も標高高い玉山(ぎょくざん)での日の出を、シンプルなグラデーションできれいに再現します。▲


▲2020年、総統就任記念のウィスキーです。同じ玉山のイメージをモチーフとします。▲

▲2020年、総統就任記念の切手です▲

4.政治をモチーフとしてデザインしたフォン

「金點設計獎(ゴールデン・ピン・アウォード)」という台湾のデザイン賞の中で、学生向けの新人賞(金點新秀獎)があります。政治に注目しているのは有名なデザイナーだけではなく、今年の新人賞で、政治をモチーフとするフォントデザイン二つが受賞されました。

一つ目は、「左體 Left Font」というフォントデザインです。左利きであるデザイナー甘薇云(Kan Wei-Yun)は、反逆の精神を元に、縦画が太く横画が細いという普通の太さと逆にして、縦画が細く横画が太いです。画と画の太さの間に鮮明な対比があるが、洗練された曲線を加え、個性があるやさしいフォントですよね。

▲「自由世代の反逆フォント」というキャッチコピーで、社会運動や主張を述べるフライヤーなどに合いそうですね。▲

▲このリンクをクリックすると、フォントの使い例や欧文デザインなど、作品のフルバージョンが載せてあります。▲

二つ目は「字遊結社 LIBERTYGRAPHY」というフォンデザインです。タイトルの「字遊」の中国語発音は「自由」と一緒で、「結社」は政治的に集会が行うという意味があります。2014年の「ひまわり学生運動」から、台湾の同性婚の実現を推進するパレードや、近年の香港民主化デモまで、主張を表すためのグラフィックデザインが求められています。

それに答え、展開されたのはパレードのための「字遊結社 LIBERTYGRAPHY」フォントデザインです。ゴシック体の仕組みに基づいて、フォントの横と縦は10:6の比率を設定されます。そして、字面の中心を左に傾い、全般的に右の画はより太い、というパレードの行列で人々が前に進むイメージが表現します。

▲フォントの画の右下に角丸を入り、理性とやさしい感性を兼ねる雰囲気が出ます。全体太くて遠いところから見ても見やすい画は、パレードやデモなどの場合で活かします。(下のポスターに「思想の自由は最高の独立なのです」が書いてあります。)▲

▲「辣台派(ラータイパイ)」という言葉は、蔡英文総統の理念に応援することを示す若者の流行語です。蔡英文総統は、中国国家主席習近平が発表した「両岸は一つ」という主張に対して、台湾の主権を強調し総統として台湾を守る強い反論で言い返しました。そして、SNS上で若者たちは、蔡英文総統が「辣台妹」という名を付けました。「辣」というのは「からい」「かっこいい」「セクシィー」「芯の強い」などの意味が含まれ、「台妹」というのは「台湾の女」「すごく台湾っぽい女子」を指します。▲

5.まとめ

例からみると、政治マニアの台湾で、最前線のデザイナーから学生までデザインの力で政治に参与していますね。常識的に敏感で話しにくい話題である政治なのに、こういう広くて注目されるのがすごく面白い現象なのではないでしょうか。

ちなみに、最近は東京都知事選挙に近づいているんですよね。初めて日本で選挙の様子を見ました。ある日、うちに近い公園の前にある選挙看板を研究している小学生二人がいました。その子たちは、「これは、まあ、いいね。」「これはよくない」って真面目に候補者たちの政策を一つ一つ打ち合わせていました。彼らに国家の未来が見えてくる、可愛くて尊敬していると思いました(笑)

ここまでご覧いただき、とっても嬉しいです!
このテーマはかなり難しいので、日本語を一生懸命頑張りましたよ(笑)
政治についてのテーマは、インディーズ音楽などにも関わっているので、いっぽい書ける気がします(笑)
では、また次の投稿!

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