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【山雅2022レビュー】vs鳥取|J3第25節

鳥取のビルドアップ山雅の守備、そして、菊井と小松の得点を増やすための改善点について、振り返る。


2022.9.18
J3 第25節

松本山雅FC
×
ガイナーレ鳥取


※第26節以降は観ていない状態でのレビューとなっています。
前回の対戦:【山雅2022レビュー】vs鳥取|J3第11節


~スタメン~

山雅(緑):5-2-1-2
鳥取(グレー):4-4-2


~試合展開~

主に鳥取のビルドアップと山雅の守備について振り返る。


鳥取の可変

鳥取は攻撃時、ボランチの一人が最終ラインに下りて、両SBが上がり、両SHが中に絞ることで、3-1-4-2のような形になることが多かった。

鳥取の可変


いつもと違う山雅の守備

この試合の山雅の基本システムは5-2-1-2であり、このシステムでは、サイドに大きなスペースができてしまう

両サイドに大きなスペースができる。

いつも通りであれば、このサイドのスペースを使われ、後手に回る展開を作られるところだが、この試合は少し違っていた

この試合は、相手のボランチの、最終ラインに下りる動きについていく形で、トップ下の菊井が前に出て行き、5-2-3のような守備陣形になっていた

バランスを取る形で、FWのルカオと小松は、少しサイドに開くようになっていた。

菊井が上がり、ルカオと小松が少しサイドへ。

これにより山雅は、無防備にサイドから攻め込まれる、という状況をある程度防ぐことができていた(あくまで、「ある程度」だが)。


山雅の泣き所

サイドが少し手厚くなったとは言え、山雅の弱点はそれだけではない。

5-2-3のような形になっても、ボランチの二人でピッチの中央をカバーしなければいけない、という部分は変わっていない。

ボランチの二人が守らなければいけない範囲が非常に広い。


鳥取の理想的な攻撃

鳥取のビルドアップがうまくいった、6:53~のシーンを振り返る。

世瀬がボールを拾ったところから、鳥取の左サイドに展開する。

山雅の選手たちもボールサイドへスライドする。

そこから、もう一度サイドチェンジを行い、フリーの世瀬がパスを受け、シュート。
山雅のボランチ佐藤は必死にスライドするが、間に合わない。

このように、サイドチェンジを絡めていくことができれば、山雅のボランチをうまく動かし、チャンスを作ることができていた。


山雅のビルドアップ

山雅のビルドアップの際は、中央の佐藤・パウリーニョ・菊井が適宜ポジションを取り、それに合わせて周りも動く、という感じになっている。

ただ、毎回のように選手たちのポジショニングが変わっているので、自由で変幻自在、というよりは、単に秩序がない、というように見える。

そんな中でも、初先発となった中山はうまくやっていたと思う。
右WBでの出場となったが、うまくポジショニングを取りながら、攻撃に関わることができていた。

状況に応じて中に立ち位置を取ることができていたし、中で受けてからドリブルで運んだりスルーパスを狙ったりと、違いを作り出すこともできていた。
この点は、他のWBにはない、中山の魅力だと感じた。


~試合結果~

松本山雅FC    2
11' 小松  29' ルカオ
ガイナーレ鳥取 1
51' オウンゴール

~ハイライト~


~小松と菊井の得点を増やしたい~

25節終了時点で、得点数は小松が5点、菊井に関しては、なんと1点。
チームへの貢献の形は得点だけではないけれども、やはり少なすぎる。

得点数を増やすために、改善できるところがあるのではないか。


修正したい菊井の立ち位置

その一つが、クロスの際の、菊井のポジショニングである。
もっとゴール前に飛び込んでいってほしい、と感じる。

例えば、5:23のシーン。
選手たちの立ち位置は以下の通り。

5:23のシーン
右サイドでルカオがボールを持って仕掛けている場面。

菊井は相手ゴールからだいぶ離れている。

小松は、鳥取のCB増谷にしっかりマークされている。
ここから、小松は増谷の前に走り込むが、当然、増谷もついて来る。
このシーンではクロスは上がらなかったが、もし上がっていたとしても、増谷は小松に身体を当てることによって、小松にいい体勢でシュートを打たせないようにしていただろう。
この状況では、小松が得点することは難しい。

この場面で、菊井にはゴール前に入ってきてほしかった。

もし、菊井が増谷の前に走り込んでいた場合、CB増谷は菊井を見ないといけなくなる。

増谷が菊井に対応せざるを得ない。

すると、小松がゴール前でフリーになる。

もし、今回のシーンのように、小松が増谷の前に走っていった場合、増谷は小松についていくので、ゴールの正面にスペースができる。
そこに菊井が走り込み、クロスが上がれば、菊井はフリーでシュートを打てる。

小松がニアに走った場合、菊井がゴール前に入っていけば、フリーでクロスを受けることができる。

いずれの場合にせよ、小松か菊井のどちらかが、エリア内でフリーになることができる。

菊井が少し引いた位置にいるのは、こぼれ球を拾ってミドルシュートを狙いたいのだろう。
実際、菊井はミドルが上手い。

ただ、そこは味方のボランチに任せて、菊井自身はゴール前に飛び込んでいってほしい。
そうすることで、小松を助けることにもなるし、菊井自身の得点チャンスも増えるはずである。


クロスの精度が悪いのか

外山や下川が、クロスの精度を反省するようなコメントを目にすることがある。

ただ、実際にはクロス自体は悪くないどころか、質の高いクロスを上げているシーンは結構多い。

もちろん、質は高ければ高いほど良いので、改善しなければと思うことは素晴らしい。

ただ、今の山雅で問題なのはクロスの質ではなく、ゴール前への人数のかけ方、もっと言えば、菊井がなかなかゴール前に入っていかない、ということが問題なのではないかと思う。


~終わりに~

今の状態では、FWが点を重ねていくのは難しい。

それなのに、小松の得点力が低いとか、WBのクロスの精度が低いというような評価をされてしまっているのであれば、選手たちが気の毒である。

ゴール前で一瞬だけでもいいからフリーになれるように、チームとして形を作っていってほしい。


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Rubin|山雅blog
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