【山雅】「良い感じ」|J3第24節【レビュー】
イングランド・プレミアリーグが好きで全試合観ている戦術オタクによる、松本山雅のレビュー。
2023.8.26
J3 第24節
松本山雅FC
×
FC今治
監督・選手のコメント↓
~スタメン~
~はじめに~
分析はしたのですが十分な時間がないため、今回はレビューというよりほぼ感想になっています。
~失点シーン~
マルクス・ヴィニシウスは確かにオフサイドだったかもしれない。
ただ、オフサイドを確信してしまい、選手たちの足が止まってしまっていた。
特に安永。
最終的に、得点者の阪野が常田との1対1の状況でシュートを決めたわけだが、安永が全力で戻っていれば、阪野に対して2対1で守ることができていたはずだ。
そうすれば結果は変わっていたかもしれない。
誤審自体は不運ではあるけれども、だからと言って失点を防ぐために全力を尽くしていたかと考えると、そういうわけではなかった。
~試合結果~
松本山雅FC 1
87' 村越凱光
FC今治 1
71' 阪野豊史
~滲み出る焦り~
以下の監督のコメントが引っかかる。
これって要は、
自分たちは自分たちの力でチャンスをつくりました。
でも相手にはパスミスでしかチャンスを作らせませんでした。
つまり守備はうまくいっていました。
自分たちの方が上回っていました。
ということを伝えたいのだろう。
ただ、相手はパスミスからしかチャンスを作っていないわけでは全くなかった。
試合を見直したが、パスミスからのチャンスというのが、そもそもほとんどなかった。
パスミスではなくパスカットはあったが、これは相手がうまく守っていたからこそであり、山雅のパスミスではない。
また、今治はボールを奪った時だけでなく、ボールを保持している時にもチャンスをしっかり作っていた。
山雅のプレスを引き出したところでロングボールを使い、FWの選手が収めて起点を作ることで、チャンスを作っていた。
今治はちゃんと自分たちの力でチャンスを作っていた。
にも関わらず、監督は「向こうのチャンスはこちらのパスミス。失い方が悪くて、それを拾われて…という感じでした。」と言っていた。
「相手は自分たちの力ではチャンスを作れませんでした」と言っているように聞こえるが、相手に対してかなり失礼なのではないか。
相手は自分たちの力でチャンスを作っているにも関わらず、このような発言が出てしまう。
「冷静に見ると」と言ってはいるが、その監督が一番冷静ではないように見える。
実際、冷静ではいられないのかもしれない。
監督は焦っているのだと思う。
ボールを握れて、良い感じのサッカーができているのに、全くと言っていいほど結果がついてこない。
結果が出なければクビになってしまうのがサッカーの世界だから、どうしても焦りを感じてしまうのだろう。
だから、「相手より上回っていた」ということをアピールするために、このような発言になってしまうのではないか。
ただ、そこまで良いサッカーをしているかと言われると、そうでもない。
「良いサッカー」ではなく、あくまで「良い感じのサッカー」であると思っている。
ボールは握れるけど崩せるわけではない。
クロスは沢山上げるけど他の攻撃手段が乏しい。
問題点はこれまでのブログでも度々紹介してきたが、大きく改善しているようには見えない。
もっと細部までこだわれるはずだが、それができていない。
そういう印象のサッカーである。
だから結果が出ないのは大いに納得できる。
このチームがここから何か大きな成長を遂げるとは考えづらい。
もう補強という手段でしか強くなれないかもしれない。
~終わりに~
村越が出場停止・怪我から戻ってきてゴールを決めた。
だからこの試合が美しいストーリーとして捉えられてしまうのかもしれない。
でも試合内容は大して良くなかった。
ボールは持てるけどただそれだけ。
基本的にサイドからクロスを上げるだけ。
それでは勝てないというのは、これまでの試合で痛感してきたはずだ。
いくらボールを握ったところで、それが得点に直結していない。
その場合、SBが上がっていく分、カウンターを食らうリスクが大きくなるだけである。
それなら、潔く引いて守ってカウンターの方がいい。
守備で貢献できてかつドリブルで仕掛けられる滝や村越がいて、更にはスピードがある野澤まで加入してきたのだから。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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